異能の怪物!アジアエクスプレス無敗V=名手ムーアも惚れた「本当に特別な馬」

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芝でも強い! アジアエクスプレスが無敗で2歳馬の頂点に 【写真:中原義史】

 JRA2歳王者を決める第65回GI朝日杯フューチュリティステークスが15日、中山競馬場1600メートル芝で行われ、ライアン・ムーアが騎乗した4番人気の外国産馬アジアエクスプレス(牡2=美浦・手塚厩舎、父Henny Hughes)が優勝。中団イン追走から最後は大外を豪快に差し切り、無敗で2歳チャンピオンの座についた。良馬場の勝ちタイムは1分34秒7。

 アジアエクスプレスは今回の勝利でJRA通算3戦3勝、重賞は初勝利。ムーアは同レース初勝利となり、同馬を管理する手塚貴久調教師は2011年アルフレードに続く朝日杯FS2勝目となった。

 なお、1馬身1/4差の2着には後藤浩輝騎乗の6番人気ショウナンアチーヴ(牡2=美浦・国枝厩舎)、さらにクビ差の3着に和田竜二騎乗の5番人気ウインフルブルーム(牡2=栗東・宮本厩舎)が入線。1番人気に支持されていた川田将雅騎乗のアトム(牡2=栗東・池江厩舎)は5着に敗れた。

スピードが違う、早々と勝利を確信

オーナーの馬場氏(左から2人目)にとっては初GI挑戦で初勝利 【写真:中原義史】

 これはとんでもない怪物なのかもしれない。中山最後の朝日杯FSで若き異能のチャンピオンが誕生した。ダート2戦2勝で初めての芝がGI挑戦という異例のローテーションを難なくクリア。それも大外から豪快に差し切り、なお2着馬を1馬身1/4突き放すという文句なしの勝ちっぷりだ。

「大きい馬なので2コーナーから向こう正面の坂の下りで少し戸惑っていたんですが、4コーナー過ぎからはスピードが違っていた。うまく外に出せたときの反応も凄かったですし、これは差せるな、って思いました」

 名手ムーアがゴール板を待たずして、早々と勝利を確信したほどの強烈な脚。数年後に振り返れば、この朝日杯FSで4番人気だったことが“低評価すぎた”と言われるようになっていても不思議ではないくらい、アジアエクスプレスのパフォーマンスが際立っていた。

 振り返ると、デビュー前から芝でも走れる素質の高さを感じ取っていたという手塚調教師。初戦のダートを5馬身差で圧勝したことから、2戦目も再びダートのオキザリス賞への出走がすんなりと決まり、ここも7馬身差の大勝。そして、2歳ダート王決定戦である川崎の全日本2歳優駿を照準に定め、同時にこの朝日杯FSにも登録した。
「開催時期が近かったので両にらみということでしたが、全日本2歳優駿が除外されてしまったので、すっきりと朝日杯に行こうということになりました」

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