コロンビアは知将率いるエリート軍団=ペケルマン改革で覚醒、ベスト8狙う

藤坂ガルシア千鶴

エリート意識を高め、メンタルを変える

ペケルマン監督はチームのみならず、取り巻く環境も含めて改革を断行。選手たちのメンタルを強化し、自信を植え付けた 【Getty Images】

 では、どのようにしてエリート意識を高めたのか。ペケルマンはまず、チームを取り囲む環境のすべてにおいて改革を行った。
 コロンビアでは以前から、代表のチャーター便でファーストクラスに座るのは、協会幹部とスポンサー企業の関係者と決められており、選手たちはエコノミークラスの後部に座らされていた。ペケルマンは、中3日で2試合続けて行われる予選において最も重要なのは「選手たちの十分な休息」であることを理由に、座席割の変更を要請。ファーストクラスには試合でプレーした選手たち、ビジネスクラスには試合に出なかった選手たちを座らせ、自身を含む指導陣と協会幹部、スポンサー関係者は全員エコノミークラスに配置したのである。

 また、協会やスポンサー関係者の親族や知り合いといった部外者が合宿所に自由に出入りすることを制限しただけでなく、選手の家族との面会時間も管理。ピッチ外の無秩序さを排除することにより、選手たちがより試合に集中できる環境を作った。

 これらはペケルマンが行った改革のほんの一例にすぎず、実際にはさらに細かな面で選手たちが最良のコンディションを維持するための工夫を凝らしている。中盤の要であるロドリゲスが「ペケルマンは我々のメンタルを変えた」と話しているように、選手たちがエリート意識を高めた成果は、試合結果に表れている。

 ペケルマンの手腕によって勝率を上げたコロンビアは、W杯・ブラジル大会でシード国という栄誉を授かった。16年ぶりの本大会出場となるが、目標は当然グループリーグ突破だけにとどまらない。自慢の得点力と、南米予選で最少失点に抑えた守備力をもって、ペケルマンとそのエリート軍団は最低でも、黄金期の大先輩たちでさえ実現できなかったベスト8進出を狙ってくるはずだ。

<了>

2/2ページ

著者プロフィール

89年よりブエノスアイレス在住。サッカー専門誌、スポーツ誌等にアルゼンチンと南米の情報を執筆。著書に「マラドーナ新たなる闘い」(河出書房新社)、「ストライカーのつくり方」(講談社新書)があり、W杯イヤーの今年、新しく「彼らのルーツ」(実業之日本社/大野美夏氏との共著)、「キャプテンメッシの挑戦」(朝日新聞出版)を出版。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント