ロナウジーニョ、諦め切れぬW杯への道=『セレソン』への試金石となるクラブW杯
コンフェデ杯に選ばれずも、リベルタドーレスで優勝
33歳になった今でも、セレソンへの想いを捨てていない。クラブW杯は再びカナリヤ軍団の一員になるための試金石となるだろう 【Getty Images】
それは決して簡単な戦いではなかった。
ベスト16では同国のライバルでリベルタドーレス杯獲得にただならぬ情熱を持つサンパウロFCを倒し、準々決勝では、辛くもメキシコのティグアナを破った。準決勝では、アルゼンチンのニューウェルズ・オールド・ボーイズにアウエーで0−2を喫し、崖っぷちになった後、ホームで2−0で倒しPK戦に持ち込んだ末に勝利をもぎ取った。
決勝戦でも同じくパラグアイのオリンピアに対し敵地で0−2で敗れたが、準決勝の際にホームで状況をひっくり返したことが自信につながっていた。今度もきっとやれると信じたら、もう一度同じことが起こり、PK戦に4−3で勝利、悲願の優勝を手に入れたのだ。
大活躍も左太ももの筋肉破損で戦線離脱
しかし、やはりロナウジーニョはロナウジーニョだった。
彼一人の力ではないが、ロナウジーニョがアトレチコ・ミネイロに来たことで、チームに自信をもたらした。ちなみに、一緒に戦ったFWジョーとFWベルナールはセレソンでも活躍し、コンフェデ杯優勝の原動力となっている。
このまま年末のクラブワールドカップ(W杯)まで行くかと思われたが、9月、ロナウジーニョは左太ももの筋肉破損に見舞われてしまった。
33歳になるまで、大きなけがとはほぼ無縁だったロナウジーニョだが、今回のけがは08年に6週間の戦線離脱をして以来の深刻な病状だった。ドクターの診断によると回復まではうまくいけば2カ月、状況によっては約3カ月かかる見込み。ちょうどクラブW杯に間に合うかどうか、ぎりぎりのものだった。
クラブW杯の先に見えてくるセレソン入り
「欧州のチームは、南米のチームのことを良く知らない。ブラジルリーグを見るわけじゃないし、相手が僕たちの情報をあまり持っていないというのが、こっちの強みになる。アトレチコ・ミネイロのスタイルを変える必要はない。たとえ相手がバイエルンでも積極的に攻めるアトレチコ・ミネイロのやり方を変えないで戦いたい」と意欲満々だ。
それもそのはず、ロナウジーニョにとってクラブW杯はセレソン復帰の最後のチャンスでもある。スコラーリ監督は、ほぼ最終メンバーのリストを決めているが、ロナウジーニョも45名のプレメンバーに入っているため希望は捨てていない。
「僕はスコラーリ監督とこれまでにも一緒に戦ってきて、監督との関係は良好だ。監督はほぼメンバーを固めているようだけど、最後の招集まで何が起こるか分からない。調子のいい選手はきっと呼ばれる。僕はとにかくけがの前のいい状態に戻すことが目標だ。中盤からトップまで、監督の望む役割をどこでもこなす自信がある」
モロッコでのロナウジーニョの活躍に注目しないわけにはいかない。
<了>