完走して感じたマラソンの醍醐味と引力=陸上ライターの大阪マラソン体験記
スタート前は早めの行動が吉
大阪マラソンのフルマラソンには2万8000人がエントリー。市民ランナーがそれぞれの準備をしてレースに臨んだ 【坂本清】
競技から離れて15年、再び走り出し、この1年間でフル2回、ハーフ3回を走った。そして10月27日、いよいよ地元・関西の大阪マラソンに挑むときが来た。
台風27号の動きを気にしつつ、体調を整えた。大会当日朝7時にスタート地点の大阪城公園に到着。ランナーたちはエネルギー補給食品を食べたり、散歩したり。「ウオーミングアップのジョグはしません。最初の5キロがアップ代わりです」(46歳男性・東京)という意見もあった。
フルのエントリーが定員2万8000人のビッグレースなので、スタート前は荷物預けもトイレも混雑する。早め早めの行動が吉。走る格好に着替えてから号砲までが長いが、空は快晴、気温19.0度と寒くないのも幸いだ。
マラソン大会に出るには? 雨対策も必要
今回の大阪マラソンは天候に恵まれたが、雨天時は雨対策も必要だ 【中尾義理】
月間150キロほどの私の初マラソンは、2012年の奈良マラソンだった。16キロ以降、上り下りがしつこくうねっているコースだが、エントリーが先着順である点で人気がある。大阪マラソンは抽選方式で競争率も高いが、コースの9割がほぼ平坦。初マラソンや自己ベスト狙いに向いている。初マラソンでは「楽しい」とか「もっとやれそう」というポジティブな体験がほしい。制限時間をチェックし、走りやすいと評判の大会を選択するのがベターだろう。
大阪マラソンでは応援も名物。「沿道の人の仮装を見て走るのが楽しかった」(33歳女性・大阪)など、沿道から元気をもらったランナーが少なくない。私の場合は、「大きい」とだけ書かれたうちわを目撃し、「何が?」と最後まで気になって仕方がなかった。
今回の大阪マラソンは天候に恵まれたが、雨天時は対策が必要だ。透明ポリ袋に首と両腕が通る穴を開け、頭からかぶっているランナーをよく見かける。ナンバーカードも判読でき、不要になれば脱ぎ捨てられる。便利な雨対策だと感じていたが、ある大会でポリ袋が大量にコース上に放棄されているのを見たことがある。雨よけに使ったごみ袋がごみになってしまったという皮肉な光景。最低限のマナーは守りたい。