ラグビー日本代表がNZに勝つ方法=“世界最強”オールブラックスに挑む
フィットネスで上回り、BKで崩す
日本は立川理道を中心とした攻撃でNZを崩したい 【Getty Images】
日本代表は夏の菅平合宿で、NZ代表を想定し、どうキックで自陣から脱出するかという練習に多くの時間を割いた。カウンターからの攻めを防ぎながらも、敵陣でのプレー時間を増やしたい意図があった。蹴った後はWTBが囲い込み、相手のハイパントキックに対して身長187cmを誇るNo.8菊谷崇(トヨタ自動車)がFBの位置に入る形も試していた。セットプレーに関しても、元フランス代表、元イングランド代表、元NZ代表経験のあるコーチを呼び寄せ、さらに選手にも自らNZの強みや弱みを分析させるなど対策を練ってきた。
勝つためには、もちろん得点も必要。「スーパーブーツ」であるFB五郎丸歩(ヤマハ発動機)がプレースキックをすべて決めることは大前提だろう。そして10月のミニ合宿で、ジョーンズHCは「フィットネスで上回って、ボールをリサイクルする『リロード』の部分で勝つ。そして相手のFWのタックルの成功率が高いので、そこを避けてBKで崩す」と選手たちに伝えていたという。
田中、立川ら能力の高い日本BK
特に日本代表のSHとSO、CTB陣はタレントがそろっている。SHには田中だけでなく、ボールさばきでは世界有数の日和佐篤、SOとCTBにはNZ育ちの小野晃征、体格にも優れ接近したパスに長けた立川理道、「トップリーグで外国人選手も含めて一番の選手」とジョーンズHCが太鼓判を押す田村優、突破力ではワールドクラスのCTBマレ・サウなど攻撃力は高い。FWから良いボールが供給されれば、BKには勝機がある。
BK勝負の回数を増やし、相手の個々の能力を考えると5次攻撃くらいまでに決定機をつくって、3〜4トライほど挙げなければならない。さらに満員の日本サポーターの声援を力に変えて、相手の攻撃を40点ほどより低く抑え、五郎丸のキックがすべて決まった時のみ、ラグビー史上最大のアップセットを起こすことができるだろう。「(ウェールズ代表戦に続き)また歴史を変える」というジョーンズHCの言葉を信じて……。
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