跳ね馬の主導権は誰が握る?=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第13回

赤井邦彦/AUTOSPORTweb

スター同士のコンビは機能するか?

 さて、マッサの話はこれくらいにして、そのマッサを追い出す原因になったライコネンのフェラーリ加入について少し考えてみよう。直接ライコネンに尋ねたわけではないので本当のところは知る由もないが、フェルナンド・アロンソのチームメートとしてやっていけるのかといえば、かなり難しいのではないかと思う。アロンソが手を組むのに難しい存在だということではなく、ライコネンのワンマン主義が何らかの波を立てることになるのではないかと考えるからだ。

 これは、アロンソとライコネンの力が拮抗(きっこう)しているということを意味する。力に差があるドライバー同士なら、いかなる状況でもクロスすることはないが、アロンソとライコネンはまさに50:50のバランスにあるように思う。チームはこの2人にレースでチームオーダーは出せまい。ライコネンはマッサではないということだ。となると、2人を巧みにコントロールする能力が指揮官には必要とされる。ステファノ・ドメニカリにその能力がないとはいわないが、ルカ・ディ・モンテゼモロ会長の出番が増えるに違いない。

可夢偉の復帰はあるのか?

 フェラーリドライバーの力関係がどうなるか、これを観るだけでも2014年は第三者にとれば最近になく面白いシーズンになるはずだ。えっ、小林可夢偉? 彼からは情報がまったく出てこないし、彼の周辺からも何も聞かれない。そうこうしているうちに彼の望むチームのシートはドンドン減少している。またザウバー? それともフォースインディア? この辺りのチームに加入できれば良いが、それ以下のチームには彼は興味を示していないということになれば、さてどうするのだろう?

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著者プロフィール

赤井邦彦:世界中を縦横無尽に飛び回り、F1やWECを中心に取材するジャーナリスト。F1関連を中心に、自動車業界や航空業界などに関する著書多数。Twitter(@akaikunihiko)やFacebookを活用した、歯に衣着せぬ(本人曰く「歯に衣着せる」)物言いにも注目。2013年3月より本連載『エフワン見聞録』を開始。月2回の更新予定である。

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