韓国のW杯出場が「むなしい理由」=内容が悪くても意味をなさない批判
意味をなさない批判
韓国のW杯出場が「むなしい」のには理由がある。いくら試合内容が悪くとも、批判があまり意味をなさないことだ。2011年12月に就任したチェ・ガンヒ監督は、最初から契約期間がこのW杯予選までと決定していた。前監督のチョ・グァンレが電撃解任された後、近年のKリーグでもっとも結果を残した監督として就任の要請を受けたためだ。予選の途中からは、6月が終われば指揮を執っていた全北現代モータースに復帰することを公言。監督が代わることが分かっているから、この先を案じての批判は意味がない。監督が代わればチームは変わるのだから。チェ・ガンヒに強く意見するのも無意味だ。契約期間は最初からそう決まっており、たとえ6月の3戦でわずか2ゴール(うち1点はオウンゴール)だろうが、チェはミッションを果たしたのだ。
韓国サッカーに存在する法則
日本が本格参戦する02年以降は、両国を比較するとよりこの傾向が色濃く出る。
02年W杯日韓大会
日本:前年のコンフェデレーションズカップで準優勝し、W杯でベスト16に進出した。
韓国:01年末までフース・ヒディンク監督解任説があったが、W杯ではベスト4の成績を残した。
06年W杯ドイツ大会
日本:世界最速で予選突破を決めるも、W杯で1勝もできず敗退。
韓国:4年の間に度重なる監督交代劇に見舞われ、W杯グループリーグ敗退も、最終戦まで予選突破の可能性があった。
これらは単なるジンクスだろうか? 準備期間ではいくら成績が良くとも、それが本大会の成績に反映されていない。むしろ、本大会直前にチームの完成度がぐっと高まり本番を迎えた方が、より結果が良くなるという、はっきりとした傾向ではないか。予選は通過しさえすればミッション達成。本大会までのチームの「鮮度」を見ていくこと。これが、この先の両国の発展した姿なのではないか?
そう考えると前回大会の結果は、新しい傾向を示唆しているようで興味深い。
10年W杯南アフリカ大会
日本:W杯直前で守備的なスタイルに転換し、ベスト16に。
韓国:本大会前に27戦連続無敗記録を達成するなど、順調な出来。本大会でもベスト16に進出する。
日本は大会直前にスタイルを変えるなど最後までバタバタしていたが、韓国は大会前から好調を維持し、W杯でも好成績を残すなど、これまでとは逆の現象が起きた。果たしてブラジルW杯ではどうなるか。両国ともに本大会でライバルが上をいく姿を見たくはないだろう。大会までの状況をしっかりと比較しながら見ていきたい。日本の現状をより知るために、「ちらっと頭の片隅に韓国の情報を入れておくこと」もまた、とても有益なことだ。
<了>