クスリは金になる―MLB薬物問題の背景 Aロッドら大物も対象、今何が起きてる?
“疑惑の選手”が結局は大金を手に
薬物使用で大金を手にした“身近な成功例”としてはミルキー・カブレラが挙げられる 【Getty Images】
クスリを使って短期間でも良いシーズンを過ごせば、生活には二度と困らないだけの金額をゲットすることが可能になる。後に使用が発覚したとして、出場停止分は差し引かれても、すべての金を返還する必要はない。
「MLB選手会がPED使用者へのより厳しいペナルティを導入しない限り、同じことは繰り返される。ロドリゲス、ブラウン、カブレラ、それ以外の選手たちは、(薬物使用が公になって)恥をかくことにはなっても、金銭面では依然として恩恵を受けることになるのだ」
ESPN.comのバスター・オルニー記者のそんな指摘通り、生活のためにプレーする選手たちにとって、薬物使用の旨味はリスクを上回るのだろう。その部分を変えて行くには、処分強化を強引にでも推し進めるしかない。そして、再び薬物問題に耳目が集まった今は、さらなる変革のチャンスでもある。
完璧は難しくとも、可能な限りクリーンに
かつてビートルズは「All you need is love」の中でそう歌ったが、MLBと薬物問題に関しても同じことが言えるのかもしれない。
「バイオジェネシス」問題がファンの心を暗くさせる厄介な事件であることに疑いの余地はないし、スター選手の使用の過去も変えられない。それでも、これらの事件の中から得た教訓を、未来に向けて生かして行くことはできるはずだ。
完璧は難しくとも、可能な限りクリーンに――。その努力を、MLBが今後も続けてくれることを切に願いたいところである。
<了>