6年前との一致、抑えられたレブロン=スパーズ先勝の裏にあった安定感
安定した戦いを続けるスパーズ
レブロンの攻撃力は、6年前と同様にスパーズの安定したプレーの前に抑えられてしまった 【Getty Images】
レブロン・ジェームズは、06−07シーズンに当時所属していたクリーブランド・キャバリアーズで初めてファイナルに出場。しかし、このときはスパーズの前になす術がなく、0勝4敗で敗れた。 そのとき、スパーズの主力だったのは、ティム・ダンカン、エマニュエル・ジノビリ、トニー・パーカーの3人で、彼らを中心としたファンダメンタル・バスケット(編注:ファンダメンタルとは、バスケットボールに必要なシュートやパスなどの基本的動作のこと)に敗れたが、6年ぶりにファイナルの舞台で再会した今回の第1戦も同じだった。
スパーズのターンオーバーは、わずかに4つ。ヒートの9個も少ない方だったが、その差は歴然。こう見ると、スパーズが自らのミスで自滅するイメージがわかない。
「彼らは過去15年、ずっと安定した戦いを続けている。彼らは派手なプレイを見せるわけではないけれど、全く崩れないんだ」とレブロンが語るように、完敗を喫した06−07シーズンから全く変わっていない。
レブロンが再び味わった鉄壁のディフェンス
「ジャンプシュートばかり打たされ、ピックアンドロールを仕掛けてもフリーになれない。結果として中に入れなかった」とレブロンは振り返った。
しかし、今は「アタックできる」と話したが、実際はどうだったか。
第1戦では16本シュートを放ったものの、そのうち75パーセントの12本がジャンプシュートだ。依然として、レブロンはジャンプシュートを迫られていることが分かる。つまりは6年前と同じ。
それに、彼は試合を通して、5回しかフリースローラインに立たせてもらえなかった。そのことから試合後、消極的な姿勢を批判されもしたが、結果的にはスパーズのディフェンスを前に、中に入れてもらえなかったのだった。
また、彼がペネトレイト(編注:ゴールへ向かってドリブルで切り込んでいくこと)を試みても、スパーズのディフェンスが2人、3人と立ちはだかるので、パスを選択することしかできなかった。
レブロンにスパーズのディフェンスが集中しているとき、ヒートはマークが外れオープンな選手がいるはず。しかし、レイ・アレン以外はノーマークでもシュート成功率は低いため、スパーズはあえてフリーの選手を作っていたようだった。特にそれを象徴するシーンが第1戦の残り1分のプレイ。4点を追うヒートは、レブロンが中に切れ込むと見せかけてディフェンスを数人引きつけると、ワイドオープンだったボッシュにパス。しかし、ノーマークでボールを受けたボッシュは決められなかった。
試合後、ヒートのエリック・スポールストラヘッドコーチが「偶然、オープンだったのではないのだろう」と語ったように、彼は分かっていたようだ。
しかし、第2戦以降も、スパーズのディフェンス対レブロンという構図は変わらないはず。レブロンの攻撃をスパーズがどうしのぐのか。それに、レブロンとチームメートがどう適応するか。
適応が遅れれば、2連敗という最悪の形で、敵地サンアントニオのAT&Tセンターへ移動という最悪のケースもあり得るかもしれない。
<了>
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