佐藤琢磨、日本人初優勝の裏側=本人も自負する完璧なレースの全貌
勝敗を分けたタイヤマネジメントの差
その後、残り5周で4.7秒のリードを築くと、そのままミスのない走りでファイナルラップに突入したところで、後続のアクシデントが原因で5度目のフルコースコーション。ゆっくりと最終コーナーを立ち上がり、チェッカーフラッグ。待ちに待った琢磨のインディ初優勝が決まった。
すべての要素が出そろった結果の優勝
今回は不運なアクシデントもなく、逆にフルコースコーションのタイミングなどが味方し、終始有利な展開でレースを進めることができた。それだけではなくチームクルーも完璧なピット作業で彼の激走を支え、その期待に応えるかのように、琢磨は終盤になってもペースが落ちないようタイヤマネジメントに集中。F1と並んで世界トップクラスのオープンホイールカー(フォーミュラカー)レースであるインディで優勝するためには、そのどれか1つが欠けてしまったら勝つことが非常に困難になる。今までそろわなかった要素がすべてそろった結果だった。
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