石川、藤田は予選をどう戦ったのか=マスターズ予選ラウンド・リポート

今季の不調をひきずった石川の2日目

初日は23位タイだった石川だが、2日目に5オーバーとスコアを崩した 【Getty Images】

 一方の石川もまた、腰痛克服のためのトレーニングとスイング改造で、今シーズンはまだはかばかしい成績は残せていない。
 公式練習日2日目の火曜日段階では、「準備は整っています。あとは少しフェードの精度を上げるだけです」と本人は語っていたものの、ここまで今季9戦して予選通過は3回だけでは心もとない。最高順位はプエルトリコオープンの39位タイだ。もし何度か優勝争いの渦中を経てオーガスタに入って来れば、もっと余裕のある戦いができていたのではないだろうか。

 初日、1アンダーの23位タイと、ますまずの滑り出しを見せた石川だが、2日はノーバーディ、5ボギーと大きくスコアを崩してしまった。バーディチャンスでしっかりとしたパッティングストロークができなかったのが展開を悪くしていた。
「プレッシャーがなかったと言えば嘘になります。1番のスライスラインは右に弱くて外れ、2番のフックラインは左に弱くて外れてしまいました。手が(スムースに)動かなかった」と石川はノーバーディだったことが気持ちの問題であることを認めている。

ルールに救われた石川の決勝ラウンドに期待

 通算4オーバーの55位タイ。大会直前にマスターズ委員会は予選通過順位を44位タイから50位タイに変更すると発表していたが、それにも及ばない順位になってしまったのだ。しかし、もうひとつの予選通過条件であるトップの選手のスコアから10ストロークまでというルールで石川は救われる形になった。最終組のジェイソン・デイが6アンダーでフィニッシュするまで、石川はドライビングレンジで時間を過ごしていた。その間4時間余り、石川は何を考えボールを打ち続けていたのだろうか。

 いずれにせよ、石川の戦いは2日で終わらず、4日間の経験を積むことができた。それをこれからの戦いの糧とすることを期待したい。

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著者プロフィール

長らく週刊ゴルフダイジェストでトーナメント担当として世界4メジャーを始め国内外の男子ツアーを取材。現在はフリーのゴルフジャーナリストとして、主に週刊誌、日刊誌、季刊誌になどにコラムを執筆している。

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