小林可夢偉の魅力的な選択肢?=赤井邦彦の「エフワン見聞録」第2回

赤井邦彦/AUTOSPORTweb

なぜフェラーリだったのか?

 F1復帰に向けて寄付金まで集めた小林なのだから、「今年のAFコルセはあくまでF1復帰を前提とした腰掛けです」と言うぐらいの発表をしてほしかった。それに、AFコルセとではなくフェラーリと契約したのであれば、その内容を少しは教えてほしかった。フェラーリと契約してなぜAFコルセに乗ることになったのか……という点こそ、われわれが知りたいところなのだ。

 その前に、どこからフェラーリと小林がつながったのかもわれわれは知りたい。以前、小林のマネジメントグループにいたマリオ宮川氏は、小林を必ずフェラーリに入れると希望を語っていた。宮川氏は元フェラーリのF1ドライバー、ジャン・アレジのマネージャーで、フェラーリとは太いパイプを持っている。その宮川氏が小林の元を離れたのは、小林の以前のマネージャーを務めていた有松義紀氏との衝突が原因だったと聞く。しかし、有松氏はすでに小林の元を離れており、小林は喜んで宮川氏の勧めを受け入れたと考えるのは短絡的過ぎるだろうか?

もうひとつの魅力的なオファー?

 小林に関しては、もうひとつのうわさがあることを知っている。それは、ホンダのF1復帰に際してホンダがドライバーとして小林を乗せたがっているという話だ。このうわさは非常に信頼が置けるところから入手したものだけに、まんざら根も葉もないモノだとは思っていない。それどころか、ホンダがマクラーレンと組んでF1復帰する時の目玉にさえなるし、日本のF1の何度目かの素晴らしい幕開けの肝にさえなるのではないかと考える。

 小林本人はフェラーリでF1を走りたいのだろう。しかし、マクラーレン・ホンダだって結構魅力ある存在ではある。小林がふたつの選択肢を前に悩んでいる姿も、なかなか絵になると思うのだが。

<了>

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著者プロフィール

赤井邦彦:世界中を縦横無尽に飛び回り、F1やWECを中心に取材するジャーナリスト。F1関連を中心に、自動車業界や航空業界などに関する著書多数。Twitter(@akaikunihiko)やFacebookを活用した、歯に衣着せぬ(本人曰く「歯に衣着せる」)物言いにも注目。2013年3月より本連載『エフワン見聞録』を開始。月2回の更新予定である。

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