大晦日『GLORY 4』ヘビー級トーナメントを武蔵が解説

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元K-1ファイターの武蔵氏がグローリー・ヘビー級トーナメントを解説 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

 12.31『GSI presents DREAM.18&GLORY 4〜大晦日 SPECIAL 2012〜』で開催される『GLORY 4』ヘビー級トーナメント。世界のトップクラスのキックボクサー・16人が参加するこの大規模なトーナメントの見所を、GLORYのオフィシャルコメンテーターの武蔵氏が解説する。

■「羅王丸、ファビアーノには申し訳ない」組み合わせに

──武蔵さんは先ほどトーナメント組み合わせ抽選のクジ引き役という大役を終えられたわけですけど、決定した組み合わせを見た感想はいかがですか?

武蔵 いや、自分で言うのもなんですけど、めちゃくちゃ面白そうですよね。組み合わせもそうなんですけど、出場メンバー自体が、これまで日本で活躍してきた有名選手が多数出場しますし、それ以外にもいまヨーロッパで活躍しているバリバリの選手もたくさんいる。だから、まだ日本ではなじみがなくても「こんな強い選手がいるんだ」と思うような闘いが、大晦日に観られると思いますね。

──今回、赤コーナー8人は実績充分のビッグネームが配置され、その対戦相手である青コーナーには、いままさに昇り調子の選手が来るという。ビッグネームvs.ニューカマーの分かりやすい構図にもなっていますよね

武蔵 だから、青コーナーの選手にとっては「挑戦試合」という見方をする人も多いかもしれませんけど、この16人に選ばれている時点で、青コーナーの選手も赤コーナーの選手に取って変われるだけの実力があると思いますからね。赤コーナーの選手たちも、うかうかしていられないと思いますね。

──そして青コーナーからは、日本を代表して羅王丸選手、ファビアーノ・サイクロン選手も出場します

武蔵 僕はさっき「凄くおもしろいカードになった」と言いましたけど、その反面、この二人に関しては、いきなり1回戦からもの凄く大変なマッチメークになっちゃって、申し訳ないなという気持ちもあるんですけどね(笑)。

──羅王丸選手はグーカン・サキ選手、ファビアーノ選手はダニエル・ギタ選手と、まさにいま一番脂が乗ってる強豪が相手ですからね

武蔵 “サキ・ギタ”はやばいですよ! この二人が日本人選手二人に襲いかかってくるわけですから。トーナメントのセオリーである無傷で勝ち上がるというわけには、なかなかいかないと思いますけど、こういう強い選手に勝つことができれば、そのまま決勝まで行ける勢いがつくんじゃないかと思いますし。羅王丸選手とファビアーノ選手には、それこそこの16人に入ってるんだから「俺も優勝候補の一人なんだ」という気持ちで臨んでほしいですね。

──世界の強豪だからと気後れすることなく、ベスト16同士の闘いなんだ、と

武蔵 そうですね。言葉はよくないかもしれませんが、あの二人は決して“ごまめ”ではないので。この選手たちの中に入っているということは、強さを認められているということなので、優勝狙ってほしいと思いますし。このベルトというのは、僕が現役だったら100%狙いにいきたいベルト。ボクシングでいえばWBA、WBC、IBFのような世界の強豪が争うベルトだと思うので、ぜひそこに日本人も食い込んでいって、世界に名を売ってほしいと思いますね。

──世界で闘ってきた先輩として、武蔵さんから羅王丸選手、ファビアーノ選手に何かアドバイスしたいことはありますか?

武蔵 今回、とくに1回戦は2分×3ラウンドという短い時間のラウンドになりますけど、「だから、こういう闘い方をしなきゃダメだ」と決めつけて闘うのではなく、やはり自分の持ち味を活かしていくことが大事だと思います。このルールの中で、自分のどこを活かして、どういう闘いをすればいいか研究して、自分流の闘いができれば、勝ちも見えてくると思うので。とにかく、自分の闘いをしてほしいと思いますね。

新システムはいままで以上に「瞬き禁止」

トーナメント組み合わせ抽選の大役を務めた武蔵氏 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

──武蔵さんも言われたとおり、今回は1回戦、2回戦が2分×3ラウンド、準決勝が3分×3ラウンド延長なし、決勝が3分×3ラウンド延長ありという新システムになりますが、この新しいルールについてはどう思いますか?

武蔵 いろんな見方はできると思うんですけど、とにかくラウンドが短い分だけ、選手はポイントでも差をすぐ出したいはずなので、お互い攻撃的になると思いますし。観ているファンも集中して観られるという部分でも、凄くいいシステムだと思いますね。

──ヘビー級同士が初っぱなから倒しにかかる試合になる可能性が高いわけですね

武蔵 だから以前、K−1というリングで「瞬き禁止」という言葉が生まれましたけど、まさにその言葉がピッタリな闘いが、またグローリーというリングで観られるんじゃないかと思います。また、技術も高い選手ばかりなので、ただ単に短い時間の中でバカバカ打ち合うというのではなくて、それぞれの選手の持ち味を活かしての倒し合いというかたちになると思いますんで、今大会はホントに、いままで以上に「瞬き禁止」「トイレ禁止」というかたちになるんじゃないかと(笑)。

──試合前にトイレを済ませておかないと、見逃してしまうぞ、と(笑)

武蔵 それぐらい凝縮された闘いになると思うんで、試合中のトイレを我慢するか、事前に済ませておいてほしいです(笑)。

──また今回は16人参加のワンナイトトーナメントということで、優勝するには1日に4回勝たなければならない過酷な形式ですけど、やはりかつてのK−1とは闘い方、作戦の立て方も変わってくると思いますか?

武蔵 やはり、さっきも言いましたけど、時間が短い分ポイントでもどんどん差を付けていかなきゃいけませんし、トーナメントなので、なるべく早く倒してノーダメージで勝ち上がりたいという選手ばかりになると思いますんで、基本、打ち合いにはなると思うんですよ。いきなり左フック、右ストレートが当たりやすい距離での接近戦になる可能性が高い。両者ともにガンガン前に出てきて、それこそ顔面パンチありの空手の試合みたいになるかもしれませんね。

──足を止めてのドツキ合いになるかもしれない、と

武蔵 ただ、その中で日本人選手は体格の部分で、海外の選手とはどうしても差があるので、接近戦で闘ったら相手のほうが有利になりますから。短い時間であっても距離を取る闘いが得意な選手は、距離を取ってしっかり出入りできるような闘いをしてほしいと思いますし、行くときは行くという、そのスイッチが大事になると思いますね。

──勝負所を見極めること、見逃さないことがより大事になるわけですね

武蔵 「ここがチャンスだ!」というときに、思いきっていく。また時間が短いわけですから、ポイントで負けていると思ったら、いきなり勝負をかけていくという。そのへんを意識してやっていかなきゃいけないと思います。

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