GRABAKA菊田、素手過激ルールで大流血KO負け

中村拓己

GRABAKA菊田は素手&“何でもあり”ルールの決闘で桜木に大流血KO負け 【田栗かおる】

 27日、東京・ディファ有明で「GRABAKA LIVE!2」が開催された。

 この大会は菊田早苗率いるジム「GRABAKA」が主催するケージ(金網)のイベント。昨年10月に第1回大会が行われ、約1年ぶりに第2回大会が開催されることとなった。

 今大会の注目は何と言ってもメーンイベントで菊田が桜木裕司を迎え撃った一戦。この試合はオープンフィンガーグローブを着用せず両者が素手で戦う特別ルールを採用。しかもヒジ打ち、サッカーボールキック、踏みつけも認められた、ほぼ“何でもあり”の超過激なルールだ。桜木は手の甲の部分に薄くバンテージを巻いただけで拳がむき出しになった状態で登場。菊田はバンテージすら巻くことなく、完全に素手のままケージに入った。

素手&“何でもあり”過激ルールで大流血バトル

桜木のヒザが直撃し菊田は大流血 【田栗かおる】

 試合は打撃で勝負したい桜木が寝技に持ち込みたい菊田を突き放す展開で幕開け。桜木が菊田の顔面にパンチを叩き込むと、ガードを固める菊田に一気にパンチを連打する。そして菊田の顔面にヒザ蹴りを突き上げ、尻餅をついた菊田の顔面を容赦なくサッカーボールキックで蹴り飛ばす。これで菊田がマットに大の字に倒れ、レフェリーが試合をストップ。鼻の上をザックリと切った菊田が大流血し、しばらく立ち上がることが出来ないという壮絶な結末を迎えた。

 試合後、桜木は「菊田選手だからこそ厳しいルールの試合を受けて、一発一発に想いを込めました。お金のためではありません。日本をより良くするために、これからも戦っていきたい」とファンにメッセージ。インタビュースペースでも「こういう戦いはよほどのことがない限り、やらなくてもいいと思います。菊田さんとこのルールで戦うということで、いろんな想いを超えて、人間的にも選手としても成長できました。これからまた邁進していきたい」と、この試合が桜木にとって特別な戦いだったことを明かした。

 一方、敗れた菊田は試合直後こそ「こういう結果になってしまったんですけど、またイチからやり直して頑張りたいと思います。(桜木に)このルールを受けてくれてありがとうございました」とあいさつしたものの、バックステージでは応急処置を施して病院に直行。リングドクターによると鼻骨を解放骨折している可能性が高いとのことで、改めてこの一戦の過激さを物語っていた。

U系ファイターも続々参戦、金原が佐々木と熱戦ドロー

UWF戦士の意地を見せたベテラン・金原 【田栗かおる】

 前回大会に引き続き、ヤマケンこと山本喧一、山本宜久らU系ファイターが連続参戦。今大会には金原弘光、松井大二郎も参戦を果たした。

 GRABAKA×U系ファイターの図式となった試合ではKEI山宮がヤマケンに、石川英司が松井に判定勝利。GRABAKA勢が強さを見せる中、一人気を吐いたのが佐々木有生と対戦した金原だ。佐々木のテイクダウン&グラウンドコントロールで守勢に回る場面があったものの、1R終盤にジャーマンスープレックスを披露。首相撲の攻防になると真っ向からヒジを打ち合い、3Rにはカウンターの右フックや右アッパーを当てて、佐々木を打撃で押し込む。
  
 判定は両者譲らずドローに終わったものの、プロデビュー21年目のベテラン金原の粘りが光る一戦となった。 

格闘技復帰のオロゴン弟、まさかの計量失敗で判定負け

 ボクシング転向後、再び格闘技復帰を果たしたアンディ・オロゴンは、韓国のユン・ジェウンに判定で敗れた。

 対戦カード発表会見では「新人の気持ちで頑張りたい」と再出発を誓っていたアンディ。しかしまさかの計量失敗でイエローカード2枚を提示されてからの試合スタートとなる。

 それでもアンディは1Rに右ストレートで2度のダウンを奪い、勝利まであと一歩と迫ったが、ボクシング出身というジェウンの右フックでダウン。2R以降はローキックからジェウンを攻め込むものの、ジェウンの荒いパンチに手こずり、大きな差がなく試合終了。アンディはイエローカードの影響で判定負けし、格闘技復帰は黒星からのスタートとなった。

■「GRABAKA LIVE!2」
10月27日(土)東京・ディファ有明

<メインイベント 特別ルール 90kg契約 5分3R>
●菊田早苗(GRABAKA)
(1R0分35秒 TKO)
○桜木裕司(掣圏会館)

<セミファイナル 83.9kg以下契約 5分3R>
△佐々木有生(GRABAKA)
(判定0−0)
△金原弘光(UKR)

<第6試合  83.9kg以下契約 5分2R>
○KEI山宮(GRABAKA)
(判定3−0)
●山本喧一(パワーオブドリーム)

<第5試合 無差別級 5分2R>
●山本宜久(フリー)
(1R15秒 TKO)
○キム・ジョンワン(韓国/CMA KOREA)

<第4試合 54kg以下契約 5分2R>
○ランバー・ソムデートM16(タイ/M16ムエタイスタイル)
(判定3−0)
●江泉卓哉(総合格闘技道場 武門會)

<第3試合 77kg以下契約 3分3R>
●アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チームオロゴン)
(判定0−3)
○ユン・ジェウン(韓国/CMA KOREA)
※アンディは計量失敗でイエローカード2枚

<第2試合 83.9kg以下契約 5分2R>
○石川英司(GRABAKA)
(判定3−0)
●松井大二郎(フリー)

<第1試合 80kg以下契約 5分2R>
○鈴木“PJ”敏和(GRABAKA)
(1R1分28秒 TKO)
●小坂井寛(パワーオブドリーム)
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著者プロフィール

福岡県久留米市出身。プロレスファンから格闘技ファンを経て2003年に格闘技WEBマガジンの編集部入りし、2012年からフリーライターに。スポーツナビではその年の青木真也vs.エディ・アルバレスから執筆。格闘技を中心に活動し、専門誌の執筆、技術本の制作、テレビ解説も務める。

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