「成長期を迎えた」藤浪と「これから」の大谷=ドラフト指名の行方は果たして……
選抜での対決から約7カ月。大谷(右)、藤浪、2人の運命は―― 【写真は共同】
あれから約7カ月――高校球界屈指の2投手が、新たなステージへ歩もうとしている。
「何十年に一度の逸材」と言われた両者
2人を見続けてきた日米のスカウトが、「何十年に一度の逸材」と話すのも納得のパフォーマンスを見せてきた。彼らが同じ年に生まれたというのも、運命的なものを感じずにはいられない。そして、今年9月に行われた18U世界選手権では、日本代表のチームメートとして世界と戦った。不思議な縁は、これからのステージでも続いていくのだろうか。
異なる成長過程を歩んだ高校生活
藤浪は、春夏連覇を達成した甲子園のように、大舞台になればなるほど強靭(きょうじん)な精神力を発揮して、観衆をうならせるピッチングを見せた。エース格としてマウンドに立った2年時に甲子園出場を逃した教訓も、藤浪を成長させる要因になっているだろう。まさに、高校野球とともに大きく飛躍した選手だ。
一方の大谷は体の成長過程からくる、けがと戦う期間を経ている。2年秋の公式戦では一切投げずに、とにかく投手としての休養を取った。本人にとっても、チームにとっても我慢の時。その成果が、今夏のパフォーマンスにつながっているのは間違いない。ただ、もしも春の選抜や夏という勝負の舞台がなければ、もっと長い休養期間を取って、肉体の成長を待つことができたかもしれない。そういった意味では、高校野球の規格を超えたアスリートだと言える。