中本の入賞は「立派」、日本が今大会から学ぶべきことは?=金哲彦氏がレースを解説

構成:スポーツナビ

男子マラソンで6位に入り、日本勢2大会ぶりの入賞を果たした中本 【写真:ロイター/アフロ】

 ロンドン五輪の男子マラソンが12日(現地時間)、ロンドン市内の「ザ・マル」を発着点とするコースで行われ、スティーブン・キプロティク(ウガンダ)が2時間8分01秒で金メダルを獲得した。日本人トップの6位には、中本健太郎(安川電機)が入り、日本男子として2大会ぶりの入賞を果たした。山本亮(佐川急便)は40位、異色のプロランナーとして注目を集めた藤原新(ミキハウス)は45位に終わった。

 マラソン解説者の金哲彦氏に、今回のレースについて話をうかがった。

伏兵だからこそ勝ったキプロティク

――まず、今大会をご覧になって、いかがですか?

 優勝したキプロティクは自己ベストが2時間7分20秒ですし、伏兵ですね。銀メダルのアベル・キルイと銅メダルのウィルソン・キプサングの、ケニア勢2人は実力通りで順当です。今までも五輪の男子マラソンでは、伏兵が勝つことが多いんですよ。プレッシャーが少ないからですね。

――伏兵が勝つということは?

 いろんな条件が重なって、伏兵だからこそ勝つんですね。35キロ付近で、足の様子がおかしいように見えましたが、そのあと復活したら、前よりもよくなりました。神風が吹くんですね。人間のやることですから、気持ちにも左右されるし、突然よくなったりするんです。そういう要素が、すべて合致したのでしょう。

――ケニアと同じく、エチオピア勢も上位進出が予想されていましたが

 今回は、若いメンバーでした。(終盤まで上位争いしていた)アエレ・アブシェロ(エチオピア)が結局リタイアしたことに表れているように、いい記録を持っていたけれど、大舞台での経験が足りなかったのでしょう。

――序盤、10キロほどの早い段階でペースが上がりましたね

 私も、(周回コースの)1周目は様子を見ると思っていましたが、フランク・デ・アルメイダ(ブラジル)がペースを上げたので、火をつけてしまったんですね。さらに、アルメイダが逃げ切ろうとしたので、キプサングが追い付いて、そのままコースの下りの勢いに任せて出てしまったんです。10キロから15キロの5キロを14分20秒でいってしまったのは、ペースも早過ぎましたし、(ペースアップの)タイミングも早かったですね。

中本が大舞台でも持ち味発揮

――日本人選手については、いかがでしょう?

 日本勢は三者三様の練習をして、三人ともいい状態でスタートに立ちました。10キロまでの前半の位置取りは良かったと思います。勝敗を分けたのは、その後(10キロすぎのペースアップ)どうしたかですね。

――その中で、中本選手が6位入賞しました

 立派な成績だと思います。入賞を目標としていたので、アテネ五輪以来の入賞でしたし、中本選手1人でも達成してくれたのは良かったです。

――中本選手、好走の要因はなんでしょうか?

(10キロすぎの)急激なペースアップにもそれなりに対応して、先頭から大きく離れなかったことですね。順位というよりも、2位集団とのタイム差が開かなかったのが良かった点です。もう1つは、20キロ以降を過ぎて上位の選手が落ちてくる中で、中本選手は自分のペースを保てたことです。周りを気にせず、彼の持ち味である“後半のまとめ方のうまさ”が、五輪の舞台でも出ました。

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