ヒートが6年ぶり2度目のファイナル制覇 レブロンはトリプルダブルの活躍でMVPに=NBA

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6季ぶりの優勝を飾ったヒート。大活躍のレブロンがMVPを受賞した 【Getty Images】

 21日(日本時間22日)、マイアミ・ヒートが3勝1敗と王手をかけ臨んだオクラホマシティ・サンダーとの2012年NBAファイナル第5戦は、レブロン・ジェイムスのトリプルダブル(得点、アシスト、リバウンドで2桁)の活躍によりヒートが121−106で大勝し、6年ぶり2度目の優勝を果たした。ファイナルMVPにはレブロンが選ばれている。

主導権を握ったヒートが快勝 昨年のファイナルの雪辱晴らす

 試合開始当初からヒートが主導権を握る。ヒートは最初の6分でサンダーをフィールドゴール(以下FG)13本中3本の成功率23.1パーセントに抑える一方、50パーセント以上のFG成功率で順調に試合を進める。伏兵マイク・ミラーが前半だけで4本のスリーを決めるなどヒート優位の試合展開で前半は59−49とヒートがリードし終了する。

 オフェンスが低調なサンダーは、後半開始直後に5点差にまで追い上げるものの、悪い流れを断ち切れない。ヒートの速攻でレブロンとデレック・フィッシャーが1対1の局面を迎え、ドライブをしてくるレブロンに対しフィッシャーが体当たりをする形で正面からぶつかる。これはフィッシャーのフレグラントファウルになり、レブロンがフリースローを2本決め、残り4分46秒でスコアは79−63に。流れは完全にヒートに傾いた。

 その後クリス・ボッシュとミラーがスリーを連続で決め、差を広げると、ヒートは第3クオーター中盤から16−1のランを作ることに成功。残り1分23秒には速攻でドウェイン・ウェイドがラッセル・ウェストブルックに腰をつかまれながらもシュートを沈め、3点プレーを成功させる。スコアを93−67とし、ヒートが大量26点リードを奪った。

 大量リードを奪ったヒートは第4クオーターも安定した試合運びを展開。残り4分45秒で112−89となると、サンダーはデュラントとウェストブルックをベンチに下げる。残り3分1秒にはヒートもレブロン、ウェイド、ボッシュ、マリオ・チャルマーズを下げ、満員のヒート本拠地アメリカンエアラインズ・アリーナは祝福ムードとなった。

 残り時間が少なくなるにつれ、ヒートベンチでは試合終了を待ちきれないレブロンらが歓喜のダンスを披露し、ウェイドは息子とハグ。試合はヒートが最大27点差を奪い、121−106で勝利し、ファイナルで敗退した昨年の雪辱を晴らした。

MVPに輝いたレブロン「夢が叶った」

 勝利したヒートでは、レブロンが26得点、11リバウンド、13アシストのトリプルダブルを記録。優勝を決めた試合でトリプルダブルを記録した史上5人目の選手となった。ヒートではほかに、ボッシュが24得点、7リバウンド、ウェイドは20得点、8リバウンドを記録した。ミラーはスリーを8本中7本成功させ23得点した。

 MVPはファイナル平均28.6得点、10.2リバウンド、7.4アシストを記録したレブロンが受賞。レブロンにとって、昨季開幕前に出身地にあるクリーブランド・キャバリアーズを離れ、ボッシュとともにウェイドの待つヒートにFA移籍をする決断を下してから2年目にして、悲願の初優勝となった。

 レブロンは「クリーブランドを離れるという難しい決断を下したが、自分の将来がわかっていた。(マイアミに)明るい未来があるとわかっていたんだ。夢がかなった」と語った。レブロンは地元を離れるFA移籍に加え、昨年のファイナルで試合の終盤で存在感が消えるプレーをするなど大きな批判の的になっていたが、今ファイナルではクラッチタイム(勝負を決定づける接戦の大事な局面)で活躍し、周囲を見返した。

 06年はアシスタントコーチとして優勝を経験していたヒートのエリック・スポエストラヘッドコーチは当時との違いを問われ、「プレッシャーが桁違いだった。白髪も増えたが、この結果を大変うれしく思う。我々は昨年の出来事を忘れなかった。今年、その埋め合わせができたね」と語った。

 敗れたサンダーでは、デュラントが32得点、11リバウンドも7ターンオーバーを記録。ウェストブルックは19得点、6アシストを記録したが、3点シュート5本を全て外すなどFG20本中4本成功と苦しんだ。ハーデンも19得点したが、勝負が決まった第3クオーターまでFGが6本中1本の成功で8得点と苦しんだ。

若さを露呈し、ファイナルで4連敗を喫したサンダ―

ヒートに敗れ、NBAの頂点に立つことができなかったサンダー。エースのデュラントも敗戦に呆然と立ち尽くす 【Getty Images】

 第1戦で勝利したサンダーだったが、続く4試合で4連敗。シーズンを含め、サンダーにとって4連敗は今季ワーストだった。最初の4戦の合計スコアは389−384と奮闘していたサンダーだが、その間も3勝1敗と戦績で大きく水をあけられた背景には、判断ミスや重要な局面で意思の疎通ができていないなど、若さが裏目に出ていた。

 レブロンとのリーグNo.1プレイヤーを決める戦いを最高の舞台で披露したデュラントは、ファイナル平均30.6得点、6.0リバウンドを記録しFG成功率も54.8パーセントを記録も、優勝には届かなかった。

 また、レブロン、ウェイド、ボッシュのビッグ3に加え、第2戦のシェーン・バティエー、第4戦ではチャルマーズ、第5戦ではミラーと伏兵がほぼ日替わりでヒーローになったのに対し、サンダーは勝利した初戦も二桁得点はデュラントとウェストブルックの2名のみで、第3の得点源であるハーデンがファイナルを通じFG成功率37.5パーセントの平均12.4得点とブレーキ。上記3名以外のサンダーの選手では、第3戦でケンドリック・パーキンスが10得点を挙げた以外に二桁得点を挙げた選手はいない始末で、選手層の薄さを露呈してしまった。

 ビッグ3の形成からわずか2年で優勝を果たしたヒート。ドラフトで獲得したデュラント、ウェストブルックを中心にチームを建設し、ファイナルに進出するまで成長したサンダー。チームの作り方は対照的な2チームだが、ともにレブロン、デュラントとリーグでトップの選手を抱え、今後も両チームがファイナルで熱い戦いを繰り広げていくことを予感させた。レブロン対デュラントのリーグトッププレイヤーを争う戦いに加え、今ファイナルで対戦したことで、より強められた両者・両チームの今後のライバル関係にも注目したい。

<了>

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