ヒートがファイナル制覇に王手 サンダーは未熟さを露呈=NBAファイナル第4戦
序盤はサンダーがリードする展開も…
ヒートがファイナル制覇に王手。写真はチーム最多の26得点を挙げたレブロン・ジェイムス(右)と25得点のドウェイン・ウェイド 【Getty Images】
この試合で最初に流れをつかんだのはサンダー。このシリーズでサンダーのまずい試合の入り方を象徴してしまっていたラッセル・ウェストブルックが最初の9分でフィールドゴール(以下FG)7本中5本成功など、序盤に9−0のランを作りリードを奪う。サンダーは最大17点のリードを奪うなどこのシリーズで初めて序盤からヒートを圧倒し、33対19とリードし終了し第1クオーターを終了する。
第2クオーター序盤はヒートが開始から流れをつかみ、13−0のランで点差を1点とし点差を詰めると、第3クオーター開始直後にドウェイン・ウェイドが4連続得点しヒートがこの試合始めてのリードを奪う。サンダーはケビン・デュラントがすぐさまスリーを決め再びリードを奪うと、その後は両チームが得点し、リードを奪いあう展開になった。
ここでヒートのマリオ・チャルマーズがスリーやジャンパーを決め流れを呼び込む。サンダーも粘るが、残り3分半を切るとチームファウルがリミットに達し、激しいディフェンスが裏目に出てリーチインファウルでジェイムスにフリースローを与えるなど、ヒートにフリースローを多く与えてしまう。ジェイムスはフリースローの他、ポストプレイからのフックシュート、ジャンパーを決め、クオーター最後の3分半で8得点し、ヒートに最大7点のリードをもたらした。
第4Qは白熱の展開に
残り5分35秒にヒートはジェイムスの得点でリードするが、ここでジェイムスにトラブルが発生。足がつり、ジェイムスはベンチへと下がった。
ジェイムスがベンチにいる間に2点のリードを奪われたヒートだったが、ジェイムスが再登場するとボッシュの得点で同点とする。続くディフェンスでサンダーのオフェンスを封じたヒートは、ボールをジェイムスへと託す。
トップの位置でボールを持ったジェイムスに対し、マークのタボ・セフォローシャは戦略通り、アウトサイドでボールを受けたジェイムスから少し距離を保ちマッチアップ。残り2分50秒、ドライブを警戒されていたジェイムスはスリーを放ち、これを沈めヒートに再びリードをもたらす。ウェイドがジェイムスに続き得点すると、ヒートが残り2分18秒で99対94のリードを奪った。
粘るサンダーは残り40秒にウェストブルックがレイアップを決め3点差とし、続くディフェンスではジャンプボールに持ち込む。残り17秒、ジェイムス・ハーデン(サンダー)とウドニス・ハスレム(ヒート)のジャンプボールでボールはヒートのチャルマーズへと渡る。ショットクロックは5秒しかなかったが、ウェストブルックがチャルマーズにファウルを犯しフリースローを与え万事休す。第4戦はヒートが104対98で勝利し、ファイナル制覇まであと1勝とした。
ヒートHC「一瞬一瞬に集中しなければならない」
ヒートのエリック・スポエストラHCは「優勝を懸けて戦えている状況に興奮している。周囲は騒がしいが、一瞬一瞬に集中しなければならない」と気を引き締めた。
敗れたサンダーでは、最終クオーターで17得点と爆発したウェストブルックが43得点、7リバウンド、5アシストと活躍し、デュラントは28得点したが勝利に届かず。ハーデンは10リバウンドを記録したものの、FG10本中2本のみの成功で8得点に終わり、4ターンオーバーを犯した。
ウェストブルックは「シュートは当たっていた。しかし、勝利で終われなければ何の意味もない」と語った。
エースの負傷を乗り切ったヒートに対し、サンダーは若さからそのチャンスを生かすことができなかった。負傷したジェイムスへのディフェンスを変えず簡単なアウトサイドシュートを許し、終盤の大事な局面で不用意なファウルを犯すなど、未熟さが目立つ試合となった。
過去ファイナルで3勝1敗から優勝を逃したチームはなく、圧倒的にヒート優位となった今ファイナル。第5戦は同じくヒートの本拠地で現地21日に行われる。
<了>
NBA.comモバイル、NBA日本語公式PCサイトではQリキャップも展開中!
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ