オジェック監督「日本は選手の質が非常に高い」=試合前日、オーストラリア代表監督&ニール会見
オジェック監督「今の日本代表は新しい世代のチーム」
オジェック監督 そうした知識は試合の明暗を分けるものではない。知識や理論と、それを実践に移すのとは別物だ。以前、夫婦でゴルフに行ったとき、妻よりわたしのほうが知識はあったが、それを実践に移すことはできなかった。
――現在の日本は史上最高の強さだと思うか(日本人記者)
オジェック監督 わたしは20年近く日本のサッカーに関わり、多くの知識を得ている。そのことから今のチームを見て思うのは、今の日本代表は新しい世代のチームなのではないか。わたしが見てきた古い世代とは異なる、新しい考え方や姿勢を持ち合わせている。そして新しいやり方や考え方、オープンな姿勢を持ち(より高いステージに)飛び込んでいく勇気を持ち合わせている。そして多くの選手が、欧州のトップクラスでプレーしていることからもわかるように、選手の質も非常に高いと認識している。
――日本の長所と短所をどう考えるか(日本人記者)
オジェック監督 まず挙げたいのが、機動力が優れたチームであること、選手個々の技術力が高いこと、それを補完するようにチームワークも強い。弱点だが、わたし自身、どこか弱みなのか確定できていない。
ニール「アジアカップは悪夢のような思い出」
オジェック監督 この試合日程が日本の味方をしているようにしか思えない面もあるが、日本はホームゲームで6ポイントを稼いで勢いに乗っているといえる。このことは日本にとって有利に働くと思うが、それらは理論的なことであって、実際の試合展開、そして戦略を実行に移す段階では大きな影響はない。すべてのチームに公平な試合日程を組むのは不可能である。それを受け入れた上でゲームに臨まなければならない。
ニール オーストラリアの成熟度だが、選手の年齢や成熟度はさまざまだが、代表選手となるためには、それだけではなく何より実力がどれくらいかが重要。クラブレベルで十分な活躍をしていれば、どの選手にも代表の一員となれる権利はあると思う。
――ニール、思い出の試合は?
ニール 以前の日本との試合(06年のW杯)、83分まで1−0の状態から、われわれが3点を勝ち取ったドラマがあった。あのような奇跡的な体験ができたことを誇りに思うと同時に、あの奇跡の瞬間をまた体験したくてサッカーを続けているのも事実だ。そしてW杯に向けて2つの強豪が対決することに、わたし自身も緊張感が高まっている。
――ニール、アジアカップ決勝の思い出は?(日本人記者)
ニール 日本にとっては素晴らしい思い出だろうが、わたしにとっては悪夢のような思い出だ。それでもグレートゲームだったと思う。日本に敗れたことでの敗北の感触は今でもよく覚えている。その原因が何だったのか、特定することは難しい。疲労がたまっていたのかもしれないし、集中力が途切れていたのかもしれない。いずれにせよわたしが考えているのは、日本に勝利することではなく、ブラジルでの本大会に向けて最終予選を突破することが目標だ。明日の命運を分けるのは、どちらが最初のゴールを決めるのか、それに尽きると思う。
<了>