予選の戦い方が命運握る=第6戦モナコGP見どころ

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コース上での追い抜きはほぼ不可能

モンテカルロ市街地サーキットは、コース上での追い抜きはほぼ不可能。予選で1つでも前の順位に出ることが重要になる 【Getty Images】

 前戦スペインGPからヨーロッパでの戦いが始まった今シーズンのF1世界選手権。今週末はセレブが集う街モンテカルロで、伝統のモナコGPが開催される。

 モナコGPの舞台となるのは、モンテカルロ市街地サーキット。市街地を閉鎖し、ガードレールで囲んだ特設コースだ。公道を利用しているため、道幅が非常に狭く、曲がりくねっていることから、コース上での追い抜きはほぼ不可能となっている。また、ミスをするとすぐガードレールに接触してしまうため、リタイアにつながることが多い。そのため、セーフティカーが導入される可能性も他のサーキットに比べて高くなっている。

 シケインやヘアピンが多い曲がりくねったコースであるため、低速コーナーでの性能やコーナー出口での加速力、ブレーキング時の安定性などが重要になる。高速コーナーが少ないことから、空力によるグリップの高さだけではなく、サスペンションのセッティングなどによる「メカニカルグリップ」の高さも必要になるコースだ。

 タイヤサプライヤーのピレリは、4種類あるドライタイヤのうち、最も軟らかいスーパーソフトとその次に軟らかいソフトを持ち込む。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。スーパーソフトはタイヤ側面のロゴなどが赤、ソフトは黄色で書かれている。

予選重視か、タイヤを温存か

 モナコは非常に抜きにくいコースであるため、予選で1つでも前の順位に出ることが重要になる。たとえ決勝を速く走れるクルマでも、コース上での追い抜きがほぼ不可能なレイアウトになっており、コース上で前のクルマを抜いて順位を上げるのが困難なためだ。
 そこで、各チームともこれまで以上に予選を重視することが予想される。今シーズンはピレリタイヤの性能低下が激しいことが話題となっている。タイヤを節約するため、予選の最終セッションまで進みながら、タイムを残さないドライバーもいるほどだ。しかし、モナコではこういった戦略の効果が小さくなると思われる。

 タイヤを温存したことによる恩恵を受けるには、前をふさがれることがない状態でライバルよりも速いラップタイムを刻む必要がある。この戦略はセーフティカーが導入されると不利になることが多いため、導入の可能性が高いモナコには不向きだ。

 各チームがモナコでは予選重視の戦略に切り替えるのか、それとも決勝を重視してタイヤを温存するのか、その点にも注目だ。

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