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清水邦広、自分のプレーを取り戻すために=バレーW杯での挫折と新たなる戦い

ロンドン五輪世界最終予選へ見えた明るい兆し

その目はV・プレミアリーグ優勝、ロンドン五輪世界最終予選を見据える
その目はV・プレミアリーグ優勝、ロンドン五輪世界最終予選を見据える【坂本清】

 こうして練習を重ねた成果は、リーグが進むうちに形になって現れ始めた。2月26日の豊田合成トレフェルサ戦では、清水はサーブに、スパイクにと大活躍。53.6%のスパイク決定率を残し、チームの快勝に貢献した。


「いろいろな人に“清水はW杯以降、迷っている”と言われます。あまりにも言われるので、自分では迷っていないのに、周りの人の言葉が事実みたいになって……。自分では状態は悪いとは思っていなかったんですけど、いつの間にか、そんな気持ちになってしまっていたのかもしれません。迷いはないです。今は、結果を出すためには、こういう苦しい思いをしないといけないんだと思っています」


 清水は自分に言い聞かせるように、気丈にこう語った。


 現在、攻撃の面で最も気をつけているのは「スパイクを奥(コートエンド)に打つこと」だと話す。豊田合成戦では、ブロックをはじき飛ばす豪快なスパイクを何本も見せた。十分に背筋を使ってスパイクが打てるため、打球も強くなり、打点を生かすトスのおかげで相手ブロックを見る視野も生まれている。


「清水はもともと確実にブロックアウトを取って得点できる選手なんですよ。ところがW杯ではブロックから逃げているように見えました。清水に言っているのは“今は結果にはこだわらず思い切りプレーしろ”ということ。自分が昨日より進歩しているかどうか確認することに専念しなさいと話しています。ストレートコースの打ち方なども、だいぶ以前の清水に戻っていますよ」(南部監督)


 清水の復調はパナソニックはもちろん、全日本男子にとって明るい材料であることは言うまでもない。

「セミファイナル行きを決めましたけど、これまでは僕自身、納得のいく試合ができていませんでした。レギュラーラウンドの残り試合と、その後、続くセミファイナル、優勝決定戦で何とか結果を出したいと思います」


 6月に開催されるロンドン五輪世界最終予選が全日本男子にとって五輪出場権を手にする最後のチャンスである。まずはV・プレミアリーグでの優勝に向けて、そして自分のプレーを取り戻すために、今、清水は自分自身と戦っている最中だ。


<了>

市川忍

フリーランスライター/「Number」(文藝春秋)、「Sportiva」(集英社)などで執筆。プロ野球、男子バレーボールを中心に活動中。

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