女子格闘家RENA、成人の誓い=特別インタビュー

長谷川亮

波乱万丈だった2011年、でもそれでこそRENA!

波乱万丈だった2011年、でもそれがRENAらしい!? 【t.SAKUMA】

――それにしても改めて昨年を振り返ると、4月が2度のダウンを喫した神村選手とのエキシビション、6月はSB王座に挑むも敗戦、8月に復活したと思ったら9月にまた敗戦、11月に神村選手を破って女子のエースに返り咲きと、ずいぶんドラマチックな一年でしたね(苦笑)。

RENA もう1年でそんなに凝縮せんでもええやろっていうぐらいドラマチックでした(笑)。でも波乱万丈で、人間らしくていいかなとも思ってます。まぁ、本人としては結構シンドかったんですけど(笑)。でも、私はちっちゃい頃から結構波乱万丈な人生を送ってるので、これ自分らしいなっていうか、そういう年もあるさって感じです。

――では、こういうキャリアも望むところだと(笑)。

RENA うーん、やっぱり私は普通の生活は送られへんなとは思いました(笑)。なにかしらあるなと。これが私の道、じゃないですけど(笑)。

――でも、そうした試練を乗り越えたことで、強くなれたところがあったのではないですか。

RENA そうですね。精神的にも強くなれたし、だいぶ大人になれました。去年はまだほんとに子どもというか、精神的に波もありましたし、すぐにイライラしたりして感情をコントロール出来ない部分があったんですけど、今はある程度物事を冷静に見ることが出来るようになりました。動じなくなったというか、挑発されたりしても「ああそう」って思えて、正常な気持ちでいられるのが今の強みです。それが去年の成長だと思います。

――そういった成長を経て臨む、2012年はいかがでしょう。

RENA 試合としては4月からですね。今年は夏にガールズS−cupの世界大会があるので、それまでに2試合はこなしてトーナメントで3連勝して優勝したい。やっぱりシュートボクサーが優勝しないといけないので。(アンディ・)サワーさんは3回優勝でしたっけ? だったら私も勝って、また対談がしたいです。

――となると、今年も夏はなさそうですね。

RENA もう海とか恋って何? っていう感じです(笑)。

森谷(SB統括本部長)シミ防止のために紫外線から守ってるんです(笑)。

RENA もう海だプールだ祭りだ花火だっていうのは何もないですね、夏は。

森谷 まぁ、花火は浅草でも見られますから。

RENA それと海とはまた違うんですよ……。

2012年の目標、ベルトを2本取れれば大バンザイ

2010年のGirls S−cup世界大会で優勝、もちろん今年狙うは2連覇だ 【田栗かおる】

――今年は神村選手、2月大会で復帰する高橋藍選手との三つ巴の争いが予想されます。

RENA うーん、どうなるんでしょう。

森谷 高橋は元から大きかったのもあるんですが、欠場時期もトレーニングはしていて体が前よりデカくなってるんです。なので、女子のタイトルを51kgと、もう1階級新設しようかという構想もあります。あとガールズS−cupに関して言えば、51kgは8人トーナメントで、他の階級で4人トーナメントをやろうかという考えもあります。

――ジュエルスとの提携もありますし、SB女子は今年も盛り上がっていきそうですね。RENA選手自身の今年の目標は?

RENA とりあえずベルトを2本取るのが目標です。ガールズS−cup2012世界トーナメントとSB女子フライ級のベルトと。

――何かプライベートでの目標はないですか?

RENA うーん、何がしたいかなぁ。あ、旅行したいです。海外に行きたい。海が好きなので、海が綺麗なところに行きたいです。

――どこか目星をつけてるところはありますか?

RENA 将来結婚したら新婚旅行は絶対タヒチって決めてるんです。“天国に一番近い島”でしたっけ。そこに行きたいです。もう新婚旅行は絶対海がきれいなところって決めていて、ハワイとかでもいいんですけどありきたりだなと思ってたらパンフレットで“天国に一番近い島”っていうのを見つけて、これだ!って。結構昔からの夢です。

――海が好きなのは何かきっかけでもあるんですか?

RENA なんでしょうね、見てたら落ち着くんですよね。波の音とかもすごい好きですし。でも、もう3、4年全然行けてないので、新婚旅行は別にしても海のきれいなところへは行きたいです。ちょうどお母さんが旅行に行きたいと言ってるんで、近々一緒に行きたいと思います。

2月5日の後楽園大会には晴れ着で参戦!

今年初戦は4月を予定、2012年も全力で頑張ります! 【長谷川亮】

――今週末の大会には出場がないRENA選手ですが、なんでも成人式の晴れ着を着てサイン会をされるのだとか。

RENA セコンドもあるし着るのが大変だっていうのに、「大丈夫だろ」みたいに言われて(苦笑)。持ち運ぶのだって結構大変なのに……。

森谷 そこをファンの皆様のためにってキッチリこなすのがRENAのいいところですよね。せっかく高い着物を買ったんだし、もったいない。袖は振れるうちに振っておけと(笑)。

RENA でも2月大会はボーウィーさんと鈴木さんの試合も楽しみだし、宍戸さんもK−1オランダチャンピオンとS−cupに向けてどんな試合をしてくれるのか興味深いし、高橋さんの復帰戦もありますし、どのカードもすごく面白くって、見どころのあるカードが多くて凄いですよね。着替えてる時間がもったいない(泣)

――RENA選手の妹分・MIO選手も出場しますね。

RENA 今お世辞抜きに強くなっているので、相手をしててもキツいです。結構ダメなとことかを厳しく注意したりキツく教えてるんですけど、それでもちゃんとついてくるので、及川先生とかRENAに揉まれながら、すごく成長しています。去年8月にデビューして、今3戦3勝なので、このまま行って、ベルトを作ってくださいっていうところまで行ってほしいです。私は末っ子で妹がいないので、妹ってこんな感じかなぁって思ってます。MIOはまだ16歳の高校1年で、ほんと天然なんですよ(笑)。

――何かエピソードがあれば教えてください。

RENA よく何もないところでコケるんです(笑)。走ってて、「ワッ」とか言って急にコケて、グラウンドで走ってたから人に見られて、「恥ずかし」とか言ってバーっと走って来たり(笑)。あの子は全然怒らないし、だからほんとに癒し系ファイターですね。“萌え”っていう感じです(笑)。

森谷 MIOは小学生のころからキッズモデルとかもやってるんですが、あれはほんとに萌え系です。大会でもまだ前半戦にしか出てないのに、他の団体関係者や記者さんからも「あの子いいですよね」とか褒めていただいたりして。なので、RENAとは全く違うタイプの萌え系ファイターMIOにも注目です。

――では、もうRENA選手に続く新しい選手も育ってきていると。それでは最後に、RENA選手から今年の意気込みを改めてお願いします。

RENA いまは試合までの期間が空いるんですが、あまりそういう時間ってないので、通常の練習に加えて基礎体力というか体を強くすることだったり、普段あまりできないことに取り組んでいます。ゴールドジムへ行って体幹のトレーニングを教えてもらったり。去年はちょっと波があったので、今年はそういうことを活かして波をなくして全戦全勝、ベルトを最低でも2本取って、それで旅行へ行ってホッとして一年を締めくくれるように頑張りたいと思います。
■SHOOT BOXING2012 〜Road to S−cup〜 act.1
2月5日(日)東京・後楽園ホール 開場17:00 本戦開始17:30(オープニングファイト17:15)

【主な対戦カード】

宍戸 大樹(シーザージム/SB東洋太平洋ウェルター級王者)
ウォーレン・スティーブルマンス(ボスジム/K−1EuropeMAX2008オランダ王者)

ボーウィー・ソーウドムソン(ワンソンチャイプロモーション/WMC世界ウェルター級王者)
鈴木 悟(Unit−K/バンゲリングベイスピリット/SB日本スーパーウェルター級王者)

高橋 藍(シーザージム/SB女子フライ級王者)
魅津希(白心会/ジュエルスRough Stone GP2010 −56kg級王者)

ほか

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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