巻の妹も突破に手応え「チーム力は上がっている」=女子ハンドボール、実力拮抗のアジア予選
巻加理奈、なでしこから刺激
五輪アジア予選に向けて「チーム力は上がってきている」と手応えを口にする巻加理奈 【写真:Atsushi Tomura/アフロスポーツ】
代表メンバーには、サッカーW杯ドイツ大会の日本代表だった巻誠一郎(東京V)の妹、巻加理奈(オムロン)もいる。36年ぶり五輪の可能性と、代表チームの現状について見てみたい。
なでしこジャパンのW杯優勝に刺激を受けた巻は「続きたいです」と気持ちを高めている。もともと、なでしこジャパンとはアジア大会や、味の素ナショナルトレーニングセンターで一緒になったことがあり、DFの岩清水梓(日テレ・ベレーザ)とは個人的にも親しい。サッカーとハンドボールは、GKをかわしてシュートを決めるという競技性も似ているため、なでしこジャパンの世界一は、ハンドボール女子日本代表にも大きな刺激となった。
「アイスホッケーの体験は大きい」と巻
試合中、選手交代が自由にできるハンドボールでは、攻撃の局面と守備の局面で、選手が入れ替わることは珍しくない。何人かは「攻撃中心」あるいは「守備中心」でプレーする選手が出てくる。巻は「守備中心」の選手だ。
巻がハンドボールを始めたのは中学校から。小学校時代は、父親が少年アイスホッケーチームの監督をやっていたため、兄の誠一郎と一緒にアイスホッケーをやっていた。チームの男の子たちがFWをやりたがる一方で、妹の加理奈はDFをやっていた。激しいぶつかり合いで相手FWの攻撃を阻止する――この小学校時代の体験が、のちにハンドボールで役立ったと言う。
「アイスホッケーの激しさはハンドボールに近い。接触を怖がる人もいるんですけど、私は接触には抵抗がないんですよ。アイスホッケーの体験は大きいと思います」
身長168センチだから、高さはないが、押されても押し返すフィジカルの強さが持ち味。兄と同様の熱いプレーを見せる。
女子日本代表の現状について、巻は「走力にしてもウェートトレーニングにしても、昨年のアジア大会の時と比べても、みんな上がってきている。チーム力は上がってきていると思う」と手応えを口にする。