ウルグアイ、南米を制した偉大なチームの可能性
今後も成長し続ける可能性を秘めている
シルバの能力を否定するつもりはない。彼をほかの4人とともに招集することもできただろう。だが、サッカーはチームスポーツであり、常にベストの11人がプレーしなければならない。そして同じようなタイプのFWを多数招集した一方、ゲームの組み立て役はほとんど呼ばなかったアルゼンチン代表のセルヒオ・バティスタ監督のように、各ポジションのバランスを崩してはならないのだ。
タバレスは大会が開幕して間もなくカバーニをケガで失い、昨年のW杯で用いた4−3−3から、フォルランとスアレスを2トップとする4−4−2への変更を強いられた。だが、パラグアイとの決勝では、2−0で勝っている状況にもかかわらずDFや守備的MFを増やさず、サイドMFのアルバロ・ペレイラに代えてけがが完治したカバーニを投入した。わずかな時間ではあったものの、本来の形である4−3−3に戻したのだ。結果としてチームは2点のリードを保っただけでなく、カバーニのサイドチェンジからスアレスが頭で落とし、最後はフォルランの素晴らしいフィニッシュで締めた見事なカウンターによってスコアを3−0に広げたのだった。
丸1年にわたり代表でのゴールから遠ざかっていたフォルランに焦る様子はなかった。カバーニの離脱により、彼は自分がスアレスとMF陣のサポート役を務めなければならないと理解し、その役割を難なくこなしてみせた。そのためにゴールから遠ざかることも厭わずチームプレーに徹した結果、彼のゴールは最後の最後で現れるべき時に現れた。それは、彼のようなクラック(名手)にふさわしい復活劇だった。
これらの理由をもってウルグアイは南米で正当なチャンピオンになった。さらにこのチームは、2014年のW杯・ブラジル大会出場へ向けた南米予選を通して今後も成長し続ける可能性すら秘めている。
ウルグアイの成功は決して偶然ではないのだ。
<了>
(翻訳:工藤拓)