岡田オリックスが目指す「新・黄金時代」

T−岡田が身にまとった新ユニホーム。濃い紺色をゴールドで縁取っている 【オリックス野球クラブ株式会社】

 2011年、オリックス・バファローズが掲げたスローガンは「新・黄金時代へ」。過去の歴史を重んじながらも、新たな球団史を切り開いていこうという決意が込められている。かつて、一時代を築いた阪急ブレーブス、近鉄バファローズ、そして、オリックス・ブルーウェーブ。それらの遺伝子を受け継ぐチームとして、伝統に負けない新たな黄金時代へ向けての航海が始まろうとしている。岡田バファローズが2年目の旅路の果てに行き着く先は果たして……。

球団ブランドの一新 岡田監督「雰囲気あるよ」

 今季、バファローズは大胆なブランドイメージの一新に踏み切った。ユニホームやチームロゴの変更はもちろん、大きく変わったのは、チームの“色”だ。それまでの、いわゆる“オリックス・ブルー”ではなく、より黒に近い、濃い紺色を、“黄金時代”を意味するゴールドが縁取るというものだ。
 よりシンプルなデザインとなったユニホームや、ツヤ消しのヘルメットなどはいずれも懐古調で力強く、原点回帰を印象付けるものに仕上がっている。「チームスローガンにかなったユニホームや。雰囲気あるよ」と岡田彰布監督は語っている。

 69勝71敗4分の5位。昨季のバファローズの成績である。最後の最後まで3位争いを演じた千葉ロッテマリーンズは、日本シリーズで頂点まで駆け上がった。

「パ・リーグの各球団の差なんて紙一重。当たり前のことが、当たり前にできていれば、順位は変わっていたはず。そこが今季の課題や。ただ、1シーズンを戦って、パの他チームとうちの力関係もある程度把握できたし、何よりも、オリックスというチームのことがよく分かった。これは指揮を執る上で重要なことやから……。パ・リーグの野球も見えてきた。いかに実力伯仲のリーグ戦を戦うかということ。どこも混戦から抜け出せはしないだろうからな。戦っていけるという手応えは感じているよ」2年目を迎えた指揮官の言葉が頼もしい。

エース不在の状況をどうカバーしていくか

 ただ、不安要素もある。昨季の最多勝投手、金子千尋の離脱はあまりにもショッキングであった。右ひじ遊離軟骨除去手術を受けたエースが戦列に復帰するには、少なからず時間を要するであろうし、好調をキープしていた近藤一樹の故障も大きなマイナス材料だ。
「彼らが戻ってくるまでは、皆でカバーしていくしかない。逆に言えば、ほかの投手にとってはチャンス。(故障が)シーズン前で良かったくらい。シーズン中なら取り返しがつかないからな」と、岡田監督は言うが、エース不在で迎える開幕は何とも心もとない。昨季2ケタ勝利の木佐貫洋、真価が問われる左腕・中山慎也、さらには若手の成長株・西勇輝らの奮起が必要である。

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