変革期を迎えたサントリー 「揺るぎない意志が大切」=ラグビー
監督の選手起用に「来た〜っ」て思った
畠山 僕は、入社してから三洋に勝ったのが初めてでしたから単純に嬉しかったですね。
小野澤 対三洋というより、自分達がやってきたことを、ワンプレー、ワンプレー積み重ねて、その結果、勝ったということが大事です。
――やってきたことというのは?
小野澤 自分達のアタックを信じ、フィットネスを信じて、アグレッシブ・アタッキングラグビーのスタイルを貫き通そうということです。
――過去に負けているときは自分たちのスタイルを貫けなかったということですか?
畠山 これまでは、『三洋にはこうしよう、東芝にはこうしよう』というような、相手に合わせるところがあったかもしれません。
小野澤 相手の弱みに対して、自分たちの強みを当てていく、そういう感じかな。
畠山 今年は、相手に関係なく、自分たちの強みを出していこうと、エディ・ジョーンズ監督も、コーチ陣も口を酸っぱくして言っています。
小野澤 三洋電機戦で言えば、僕はエディさんの選手起用が良かったなぁ。後半、4人を一気に交替させたでしょう? しびれた(笑)。負傷で仕方がない交替ではなく、試合をテンポアップさせるための投入でしょう。タフに戦っていた15人がいて、さらにテンポアップさせる役割を持った4人が入ってくる。もうね、「来た〜っ」て思った。仕留めにかかる雰囲気にチームが加速しました。
リーグ戦序盤の2敗が転機になった
畠山 トップリーグ序盤の3試合は、準備してきたことが出せなかったですけどね。
小野澤 覚悟が決まっていなかったというのかな。夏合宿までの練習試合では、キックは蹴らないなど、ある程度の縛りを設けていたのですが、いざ公式戦になるとバランスをとったプレーをしてしまっていた。
畠山 それで2敗したことが転機になりました。
小野澤 3節で1勝2敗。ここで1週休みがあったのですが、そこで『やってきたことをやらなかったら、やってきた意味がない』という覚悟が決まった。
――三洋電機戦でのスクラムはどうでしたか。相手のフロントローにも川俣直樹選手など日本代表の仲間がいますね。
畠山 スクラム自体は悪くはなかったですよ。いいスクラムが組めたと思います。川俣は高校時代から知っているし、同期で早稲田と明治でも戦ってきた。昔は体の大きさで組んでいる感じでしたけど、今はほんとに凄くなりましたね。
小野澤 相馬さん(元日本代表PR)は? 一応、質問しておこうかと思って(笑)。
畠山 相馬さんは、いやらしいスクラムですよね。僕は対面ではないけど、金井(サントリーPR)の表情で分かりました。