前WBA王者・名城が再起戦で3回KO勝利 世界再挑戦を狙う「相手はカサレスで」=ボクシング

北浦勝広

3回1分42秒、KO勝ちで再起戦を飾った 【北浦勝広】

 名城が完全復活だ! 前世界ボクシング協会(WBA)スーパーフライ級チャンピオンの名城信男(六島)が11日、大阪市住吉区民センターで再起戦(10回戦)を行った。5月に王座を陥落して以来となるリングに臨み、イワン・キー(インドネシア)を3回1分42秒で撃沈した。

 まさに完全復活だった。今回の試合は1階級上のバンタム級で行われたが、体重の変更などはものともしない。1回はさすがに様子を見ているようだったが、2回にはエンジン全開。2度のダウンを奪った名城はまったく攻め手を緩めず、3回に右ストレートで3度目のダウンを奪ってKO勝ち。汗をかく間もないほどの、完ぺきな試合内容だった。

余裕の勝利に、自身も合格点を付ける内容

試合後にインタビューを受ける名城 【北浦勝広】

 控室に戻った名城の顔には疲れた様子はまったくない。「冷静に戦えたし、相手もそれなりにヤル気もあったし、集中して戦えました」と自身でも合格点をつけた。

 再起戦という位置づけのリングでのテーマは「倒しにいくのは一番ですが、もっと地に足をつける感じで。リングの足の感触を確かめ、冷静に課題をひとつずつこなしていきたかった」という。これも5月の防衛戦の反省からきている。

「固くなってしまったり、1回のスロースターター気味なところがあったので。今日は1回からシッカリと思った通りのことができました」と満足な様子。相手の情報がない状態でも、リングの上で情報を収集する余裕さえあった。

すでに世界戦も視野に入れる

対戦相手のイワン・キー(左)を追い込む名城信男 【北浦勝広】

 そして何より、以前の姿である荒々しさを取り戻したい、と口にしていた名城。「ロープ際に追い込んで倒すチャンスはあった。もっとリングの中央で綺麗に倒したかったんですが。結局、ロープ際で終わっちゃいました」と、もうひとつのテーマだった荒々しさを取り戻す、という意味では不完全燃焼だったようだ。

 世界戦も視野に入ってくるが、「世界戦がスグにできるなら、それに向けて準備はしたいんですが。次にチャンスが来た時のためにできる限り試合をこなして、良い状態を作っておきたいですね」と、まだ世界戦のオファーは入っていないようだ。

「20代最後は濃い1年にしたい」

妊娠中の妻・智子さんとのツーショット。11日は智子さんの誕生日だった 【北浦勝広】

 メキシコ、名古屋など大阪を離れての練習も盛んに行っている。「あちこちで練習をした方が、良い練習になります。緊張感も違いますし。これからも東京なり、名古屋なりに出稽古して、新しいことを見つけていきたい」と、どん欲なまでの向上心を見せつける。

 今後は「長くチャンスが来なければ、メキシコで試合をしてもいい」といい、対戦相手はやはり「カサレスが一番の希望です」とキッパリと言い切った。

 奥さんは妊娠7カ月。来年1月にはパパになる。「20代最後の1年なので、濃い1年にしたい。もう一度、世界王者になりたい」。生まれてくるわが子のためにも、王者返り咲きを狙う。

<了>
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