越中&ディーノの“男色尻侍”がKO−Dタッグ王座初防衛=DDT

タカハシ

第4試合はまさかの敗者引退マッチに

坂井(左)のDDTラストマッチで敗れた三四郎は引退が決定するも、「明日には復帰する」とアピール 【前島康人】

 第4試合では10月6日の「マッスルハウス」での引退が決定し、この日がDDTラストマッチとなるマッスル坂井が高木三四郎とシングルマッチで対戦。
 オープニングマッチ前に三四郎が坂井を呼び出し、第4試合後にサプライズで坂井の引退セレモニーを前倒しで行なう事を告げたが、坂井は「引退セレモニーにこそプロレス界の悪いところが詰まっている」と拒絶。しかし、前倒しでの引退セレモニーということで自分も三四郎の引退セレモニーを用意してある事を告白した。
 ここで前回の後楽園大会でジェネラルマネージャー(GM)に就任した鶴見亜門が仲裁に入り、試合はともかくせっかく用意したセレモニーはやりたい三四郎と坂井、興行の進行をスムーズに行ないたい鶴見GMがそれぞれ歩み寄って、坂井のDDTラストマッチは「引退セレモニーランブル」で行なわれる事となった。
 試合前には鶴見GMが三四郎に「負けたら引退するんですか?」と問いかけると三四郎は「そんな事はないですよ!」と強く否定。そこから鶴見GMが「では坂井に負けるんですか?」と重ねると「負けません」と答えたことで「では敗者引退マッチという事でいいですね?」と成り行きで敗者引退マッチとなってしまう。

引退決定の三四郎「明日には復帰する」

三四郎の娘さんお気に入りのネタ「おまた」を披露するマッスル(右) 【前島康人】

 試合が開始されて数分で週刊プロレスの佐藤編集長から坂井へのパネル贈呈、続いて三四郎にも新藤力也リングアナからコンビニで雑誌の袋とじページを見る三四郎を写したパネルが贈呈される。その後も音響スタッフの会場氏から「ロード」の替え歌が坂井に、親友のプロレスラー矢郷良明から三四郎に弾き語りの歌がプレゼントされた。坂井は涙ながらに会場氏の歌を聞き入ったものの、三四郎は矢郷さんの歌う歌詞のシビアさにたまらずクレーム。矢郷は逆上してリングに上がり、三四郎に殺人コブラツイストを繰り出した。
 その後も坂井には「親友からの手紙朗読」として大学からの付き合いである藤岡メガネ氏から坂井に壊されたメガネの残がいをプレゼントされ、三四郎には「家族からのビデオレター」として夫人と愛娘からのメッセージが贈られる。しかし、三四郎は出産を控えた夫人のために家の仕事を手伝わないことを暴露され、娘さんからは最近お気に入りのネタ「おまた」を披露されてリング上で顔面蒼白となってしまう。
 ようやくセレモニーの出し物も終わり、試合に戻ると足の甲の踏み合いという攻防の果てに「これで終わりだ。ありがとうな、坂井!」という言葉とともに繰り出した三四郎のシットダウン・ひまわり・パワーボムがさく裂。だが、ここで再びスクリーンに「おまた」が上映されてしまい、これで一気に脱力した三四郎が坂井に3カウントを許してしまう。

 試合後には敗者引退マッチを承諾してしまった三四郎の引退セレモニーが粛々と進行。選手としての経歴の読み上げ、10カウントゴング、大量の紙テープの投げ入れ、若手選手による騎馬でのリングサイド周回と一通りのセレモニーが終わったところで、坂井が三四郎に「冗談ですよ」と呼びかけるが、三四郎は「ルールはルールだから」とこの日をもって引退し、「プロレスラーらしく明日復帰する」とアピールした。
 そして坂井に対しては実家の仕事を継ぐ事について、DDTプロレスリングの経営者の立場から10月6日の「マッスルハウス」で絶対に引退して、仕事に向かう覚悟を持てとアドバイスし、そして経営が安定したならばその時はオレが許すから復帰しろ、と温かい言葉を贈った。

ウラノが東郷&GENTAROとユニット結成

ウラノ(左前)が東郷(右から2人目)&GENTARO(右)と新ユニットを結成 【前島康人】

 第三試合ではインディーマットでも指折りの試合巧者同士であるディック東郷とGENTAROがタッグを結成し、ヤス・ウラノ、KUDO組と対戦した。これは来年の引退を決意しているディック東郷が、自身のレスリングスキルなどをDDTに遺したいという気持ちにGENTAROが共鳴したことによって組まれた試合。対戦相手にはウラノ、KUDO組が選ばれ、東郷のこれからの指針が見える試合になることが予想された。

 先発はGENTAROとウラノ。じっくりとしながらも力強い手足の獲り合いで、お互いに自分のペースに引き込んでいこうとしていく。またウラノと東郷の攻防になると東郷のアストロシザースからの流れるようなアームドラッグは客席のため息を誘っていた。KUDOもキック攻撃や空中殺法で活路を見出そうとするが、GENTAROはその蹴り足を捕まえてのシャープシューターなどで相手にペースを握らせまいとする。
 ウラノ組も得意の連続攻撃で反撃を試みるが、GENTAROはバックドロップで流れを引き戻し、東郷がクロスフェースでウラノをとらえると、KUDOをサスケスペシャル1号で場外に釘付けにすることで援護し、最後は東郷がウラノとのエビ固めの切り返し合戦を制して3カウントを奪った。
 試合後、ウラノは東郷の呼びかけに応じに、東郷とGENTAROの新ユニット“レスリングマスターズ”(仮称)への参加をアピール。長年タッグを結成していたKUDOとたもとを分かつ形でリングを降りた。
 ウラノは控え室で東郷とGENTAROとのチーム結成の魅力と、東郷の引退が秒読み段階に入っているところから、間近で技術を吸収して自身のスキルアップにしたいこと、これでKUDOとのタッグを終わりとするのではなく、これをステップアップとしてまたお互いに大きくなってタッグを組みたい意向である事をアピールした。

DDT「who’s gonna TOP? 2010」

9月26日(日)東京・後楽園ホール 観衆:1342人(満員)

<メーンイベント KO−Dタッグ選手権試合 60分1本勝負>
[王者]○男色ディーノ、越中詩郎
(18分52秒 ゴッチ式生男色ドライバー→漢固め)
[挑戦者]HARASHIMA、●大鷲透
※ディーノ、越中組が初防衛に成功

<セミファイナル スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負>
○飯伏幸太
(16分10秒 フェニックス・スプラッシュ→片エビ固め)
●佐々木大輔

<第4試合 マッスル坂井DDTラストマッチ 20分1本勝負>
○マッスル坂井
(16分3秒 横入り式エビ固め)
●高木三四郎

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○ディック東郷、GENTARO
(10分48秒 片エビ固め)
●ヤス・ウラノ、KUDO

<第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
佐藤光留、●中澤マイケル、松永智充(シットハートファウンデーション)
(9分5秒 反則 ※覆面はぎ)
グレート小鹿(大日本プロレス)、さくらえみ(アイスリボン)、○ウルトラマンロビン(SGP)

<オープニングマッチ 30分1本勝負 お試しユニットガンレットマッチ>
参加チーム MIKAMI&タノムサク鳥羽、入江茂弘&星誕期、美月凛音&高尾蒼馬、石井慧介&安部行洋

美月凛音、●高尾蒼馬
(2分52秒 蒼い衝動→片エビ固め)
石井慧介、○安部行洋

石井慧介、●安部行洋
(4分19秒 スライディング式スクールボーイ)
○MIKAMI、タノムサク鳥羽

MIKAMI、○タノムサク鳥羽
(4分43秒 バックブロー→片エビ固め)
●入江茂弘、星誕期

<ダークマッチ 10分1本勝負>
○アントーニオ本多
(7分36秒 ダイビングフィストドロップからの片エビ固め)
●平田一喜

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