勝負の夏を彩るオリックスの仕掛け

夏はイベント!ファンにとってはうれしい季節の到来

“大坂夏の陣”限定の赤いユニホームをまとう岸田とT−岡田 【オリックス野球クラブ株式会社】

 夏がやって来る。ペナントレースの行方を左右する夏。夏を制したチームがシーズンを制するとも言われるだけに、まもなく本当の勝負どころがやってくる。交流戦で頂点に立ったバファローズ、ここは一気に上昇気流に乗りたいところだが……。
 さて、この季節は球団の営業サイドにとっても勝負がかかっている。さまざまなサービスを提供して集客に力を込める。プレゼントやイベント、ファンにとってはありがたい季節の到来であるが、逆に言えば、ファンサービスを企画・立案する側にとっては、ファンやマスコミの注目を集めるチャンスであると同時に、ここはいわば、“腕の見せどころ”でもあるわけだ! この夏、バファローズ球団が、満を持してファンに提供するイベント2本をご紹介しよう。営業サイドにとっても勝負どころの夏。球団がこん身の力を注ぐイベントだ!

京セラドームが真っ赤に染まる!“大坂夏の陣”

 7月16日から始まるホークスを迎えての3連戦は“大坂夏の陣”と銘打ってのビッグイベントだ。ホークスファンの皆さまには、“鷹の祭典”的イベントといえばお分かりいただけるだろう。ことしで2年連続の開催となる“大坂の夏の陣”。赤いユニホームジャージ姿のファンでスタンドが赤く染まった去年のイベント内容から、ことしは一歩踏み込んだ企画になっている。選手も大坂夏の陣限定の赤いユニホームに身を包んで真剣勝負に臨むことになる。グラウンド、スタンドが赤い塊となって、爪を光らせる鷹を一気に飲み込もうというものだ。
 大坂夏の陣とは、1615年に幕府方である徳川の軍勢が大坂冬の陣ですでに裸城となった大坂城を攻め尽くし、豊臣家を滅ぼした戦いで、史実では「大坂方の負け戦」となる。「なんや、縁起悪いやん!」と嘆くことなかれ。大坂夏の陣を、いつまでも負け戦のままにはしたくないと、バファローズがあえて立ち上がったというわけだ。新たな大坂夏の陣を勝利で飾り、京セラドームに勝鬨(かちどき)を響かせ、凱歌の“SKY”を熱唱しようじゃないか! そう、新しい歴史、勝ち戦である“大坂夏の陣”はバファローズがつくるという、壮大なイベントが“大坂夏の陣”だ。「去年の夏の陣も、千葉軍に負けたやん」という声も聞こえてこないわけではない。確かにそうだった。だが、それも過去のこと。ことしこそ、新たな歴史の扉を開くため、野球選手の武具甲冑であるユニホームまで赤く染めた気合いを見てほしい! 赤いバファローズに注目だ!

ちょっとシニアには垂涎モノ!「R50」ナイト

 次なるイベントは“R50ナイト”。野球命の“アラフィフ”世代には涙モノの企画が満載だ。思い出してほしい、幼いあのころに見た公園や広場の風景を! 仲良し数人が集まれば、始まるのは決まって三角ベース。そう、簡易版の野球だ。“盗塁なし、透明ランナーあり”の特別ルールは、“R50”世代の常識だ。公園で見た光景は、3on3のストリートバスケでもなければ、無回転のフリーキックを蹴るサッカー小僧でもなかった。そう、スポ根モノ(スポーツを題材にした根性論至上主義をうたいあげる漫画やドラマ)全盛の世の中で、少年が夢中になったのは、星飛雄馬の大リーグボールだった。根性でボールが消えると、信じていた少年のなんと純真だったことか……。少なくとも、「タッちゃん、頑張って! 南がついているわ!」のスポーツに色恋沙汰を絡ませた軟弱モノの“R35”とはわけが違うのだ。「父ちゃん、俺は燃えてきたぜ! 花形、勝負だ」の“血わき、肉躍る”アノ声がスタジアムに響くのだから、これはたまらない! 岡田監督や、バファローズ、イーグルスのコーチ陣にも訴えかける“アラフィフ”向けの骨太イベント、それが“R50ナイトだ! そして、“R50”の企画が終われば、スカイマークでゆっくり花火も楽しめる3連戦! メリハリの効いたイベントはファンを飽きさせることはない。

「本当の勝負は夏からや……」

 交流戦では頂点を極めたバファローズが次なるタイトルを目指して戦う夏。「オールスターまでに、いくつ貯金できるか。パ・リーグは混戦。勝負は8月以降や。本当の勝負は、そこからや……。」長いペナントレースの本当の勝負は最終コーナーを回ったホームストレッチに入ってから。岡田監督はシーズン終盤をシーズンのヤマ場ととらえているようだ。
 あの手この手で集客を図る営業サイドにとっては勝負の夏。チームより一足先に正念場を迎えることになる。この夏、球団が勝負をかけるイベント。ここはオリックス球団の繰り出す仕掛けを堪能してみるのも悪くない。

<text by 大前一樹>

<了>
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