エメリヤーエンコ・ヒョードル独占インタビュー!=『ゴング格闘技』発

ゴング格闘技

モスクワから600km離れたスタールイ・オスコルで合宿するヒョードル。今回のインタビューでは、ヒョードルの意外な人生哲学が語られた。 【ゴング格闘技/M-1 Global】

 6.26STRIKEFORCEで、約7カ月ぶりにヴェウドゥムと金網戦を行なうヒョードル。世界のヘビー級勢力図が塗り替えられるなか、ただひとり幻想を保っている。果たしてヒョードルは今でも最強なのか? スタールイオスコルで合宿中の皇帝を海外メディアとともにキャッチ。さらに、『ゴング格闘技』誌が単独インタビューにも成功した!

■「屋外での練習が単純に好きなんです」

──お久しぶりです。日本の『ゴング格闘技』です。6月26日、米国ストライクフォース(以下SF)でのファブリシオ・ヴェウドゥム戦まで、あと1カ月となりました。ヒョードル選手は今、どこで誰と練習していますか?

「いつものようにスタールイ・オスコル(モスクワから600km南のオスコル川流域の都市)で3人のコーチとともに練習しています。小学生の頃からネフスキー記念五輪予備軍青少年スポーツ学校でサンボを教えてくれているウラジミール・ミハイロビッチ、打撃コーチのアレクサンダー・ミチコフ、ミハイル・マリニン。彼らとレスリングやボクシングをたくさんこなしています。もうすぐキックボクサーたちも合流するでしょう」

──今年2月には、コマンドサンボ全ロシア選手権でヒョードル選手の教え子というキリル・シデルニコフ選手が優勝したそうですね。ヒョードル選手もすでに選手を育てているのでしょうか?

「私は今日もさきほどまで練習していましたが、誰かを教えているわけではありません。練習中に時々、間違ったことをしている選手にアドバイスを送るだけです。中でもキリルは良い選手なので、まもなくリング上で彼のファイトが見られることを期待しています」

──前回のブレット・ロジャース戦前の練習を拝見しました。なぜ、ヒョードル選手は屋外の自然の中で練習することが多いのでしょうか? そこにはどんな効用があるのでしょうか?

「屋外での練習が単純に好きなんです(笑)。新鮮な空気の中で練習することは健康にもとても良いですし。ちょうど今は、郊外の合宿所ではなくボクシングジムやレスリングジムでトレーニングしていますが、いつもジョギングは屋外で行なっています。だいたい1日に12〜15キロは朝に音楽を聴きながら外をジョギングします。水曜と土曜日はバンヤ(ロシア流高熱スチームサウナ)に入り、日曜日は体を休ませます」

──そういえば屋外では、小さな鉄球を地面に投げつける練習や、ケトルベル、ハンマーの振り下ろし、ウェイトトレーニングでも自分の体重を使った練習を多く拝見しました。ヒョードル選手の練習方法はとても古典的で質素に見えます

「そうですか? 私は単に自分に合っている道具を使っているだけです。試合での動きを思うと、そういったエクササイズが自分に最も効果的だと考えているんです」

──MMAが進化した今でも、近代的なマシンや科学的トレーニングは取り入れていないのでしょうか?

「最新の機械は使いません。大事なのは、自分の身体や動きにあったトレーニングかどうかということですね」

──食事も特に栄養に気遣っているわけではないのですか?

「妻が作ってくれるすべてのものを食べています。 最近自分で“料理”したものと言えば……サワークリームの目玉焼きとカッテージチーズくらいです(笑)」

「私の技術は、私のためにあるもの」

毎日、10km以上のジョギングをするヒョードル。6.26 STRIKEFORCEで対戦するファブリシオ・ヴェウドゥムの印象は? 【ゴング格闘技/M-1 Global】

──自然体過ぎます(笑)。さて、次のヴェウドゥム戦は、04年大晦日のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦以来、実に5年半ぶりとなるトップ柔術家との対戦です。ヒョードル選手にとって、柔術家は戦いにくい相手ではありませんか?

「やりにくいということはありません。私はすべての対戦相手に合うように、いつも同じように集中して練習に取り組んでいます。彼が非常にクレバーで危険で、私にとって過酷な対戦相手の一人となることは間違いありません。そして、どんな選手でも弱点と強みを持っていますので試合の予測は不可能です」

──ヴェウドゥム選手は「自分がヒョードルをテイクダウンできれば、柔術で勝てる」と断言し、「そのためにボクシングとレスリングを強化している」と発言しています。彼はあなたをテイクダウンできるでしょうか? また、かつてアリスター・オーフレイム選手に一本勝ちしている(06年PRIDE GP)ヴェウドゥム選手の寝技をどう評価しますか?

「そうですね……彼はとても有能な選手です。柔術も柔道もムエタイのスキルも高い。PRIDEでもUFCでもSFでも何人かのベストファイターと対戦経験があることも知っています。特にアリスターを極めたキムラは素晴らしかった。そして私の弟であるアレキサンダーにも勝っている(06年1R肩固め)。それらの試合は彼にとっていい経験だったと思います。しかし、我々の技術を比較することはできません。私の技術は私のためにあるものだし、彼の技術は彼のためにあるものだからです。私は打撃系の相手には打撃を使い、レスラーに対してはレスリングで戦うことに慣れています。この試合自体が、どちらの選手が自分の戦略を上手く使えているかを明らかにしてくれることでしょう」

──すべては試合が証明する、ということですね。最近ヒョードル選手が苦戦する場面もあり、33歳で試合間隔が空いているヒョードル選手の力が落ちてきているのではないかという声もあります

「ありがたいことに私は今、大変良い状態だと感じているし、十分に戦えると思っていますよ。なぜなら……」(文=松山 郷、写真=M−1 Global)

(※以降、ヒョードルの意外な人生観など、皇帝が本音を吐露したインタビューの続きは、発売中の『ゴング格闘技』8月号に掲載!)

■ヒョードルvsヴェウドゥムを生中継!
MMAチャンネル発足 www.mma-channel.jp

STRIKEFORCEがネットライブ配信される! 昨年のロジャース戦もライブ配信したテレ・プランニング・インターナショナルが、日本時間6月27日の午前11時から、ヒョードルvsヴェウドゥムを含めた4試合を、カベアと組んで大画面フルHDでの視聴が可能な高画質動画でインターネットライブ中継する。

MMAチャンネル
www.mma-channel.jp
6月27日(日)11時〜
視聴料金:1,000円 ※事前登録が必要

STRIKEFORCE AND M−1

エメリヤーエンコ・ヒョードル
ファブリシオ・ヴェウドゥム

クリス・サイボーグ
ジェン・フィンニー

カン・リー
スコット・スミス

ジョシュ・トムソン
パット・ハーリー

『ゴング格闘技』2010年8月号(イースト・プレス)は絶賛発売中!

エメリヤーエンコ・ヒョードルが表紙の『ゴング格闘技』8月号(イースト・プレス)は絶賛発売中! 最強幻想は続くか !? 【ゴング格闘技/M-1 Global】

表紙は、皇帝エメリヤーエンコ・ヒョードル!
特集は、「最強幻想」を破る、新しい「ヘビー級」特集です!

■巻頭スペシャル
THE LAST PRIDE.

7月10日、DREAM.15
青木真也vs川尻達也は、
「最後のPRIDE」だ。

☆2人だけのPRIDEラストマッチ
青木真也
「この試合は、僕たちのPRIDE卒業式です」

☆Crusher、覚醒の刻!
川尻達也
「日本のMMAのためにも、僕は青木君を叩き潰す」

☆山田武士 チーム黒船トレーナーの証言
「トレーニング中の乳酸値が、
川尻だけ想像を超えている。
アイツは“怪物”なんですよ」

☆どうなる!? 青木vs川尻
ライバルたちの予想は……意外な結果に !?

01 廣田瑞人
「川尻選手はメレンデス戦法を使うでしょう。それでも……」

02 ギルバート・メレンデス
「アオキvsカワジリ予想? 2人と戦った僕から見れば……」

03 ヨアキム・ハンセン
「アオキが勝つなら…、カワジリが勝つなら……」

04 ビトー・シャオリン・ヒベイロ
「あの時、アオキに……」

05 JZ・カルバン
「互いに長所も短所も持っているから……」

■総力特集
「最強幻想」God Bless The Cage

☆独占ロングインタビュー!
6.26 STRIKEFORCEでヴェウドゥムと対戦
エメリヤーエンコ・ヒョードル
「私を殺さないものが、私を強くする」

☆『史上最強の哲学入門』著者・飲茶が語る。
「ヒョードルは、ニーチェの
“超人思想”を生きている!」

☆ブロック・レスナーとは何か?

☆7.3 UFC 116 で復帰戦!
名参謀エリックパーソンが語る、
UFC世界ヘビー級王者ブロック・レスナー
「ブロックはヒョードルと戦いたがっている」

☆ゴン格MMA委員会 特別編 Part1
ブロック・レスナーの強さとは?
吉鷹 弘/中井祐樹

☆ブレッド・ロジャースを秒殺KO!
アリスター・オーフレイムを
IT’S SHOWTIMEでキャッチ!
「K−1で戦うことは決して“第2の選択”じゃなかった」

☆米国ヘビー級戦線の“ミッシング・ピース”
ジョシュ・バーネットがヘビー級戦線を斬る!
「真のヘビー級ランキングは……」

☆ミルコ、ヴェウドゥムをKO!
UFC5連勝のミノタウロの愛弟子
ジュニオール・ドスサントス
「ノゲイラのような偉大な王者になりたい」

☆7.3レスナーvsカーウィンの勝者に
挑戦決定! ケイン・ヴェラスケスが断言。
「ベストファイターは、ヒョードルだ」

☆ヘビー級ファイター、スーパーサブ達
でっかくて、強いヤツはどこにいる?
Come On,Great“Big”Guys!

☆地上最強の肉食獣と暮らした男
ヒグマと暮らし、象に抱かれる
畑 正憲
「殻を破りたければ、病み抜けろ」

☆芥川賞作家が語る、日本格闘技界の夜明け
平野啓一郎
「ガラパゴス経験は強さになる」

■特集「THE BIG FIGHT」

☆独占インタビュー!
PRIDE&UFC二冠を達成!
マウリシオ・ショーグンが語る
How to fight in UFC!
「技術の違いよりも、戦略、
戦いへのアプローチが大切だ」

☆ヴァンダレイ・シウバ、
7.3秋山成勲戦に向けて――
挑発? それとも願望?
「アキヤマは逃げずに俺と打ち合う
最初のファイターになるだろうね」

☆念願のヴァンダレイ戦を前に、
秋山成勲
逃げない練習、勝つための戦略。
「しんどい練習は皆がやっていること。
その先を考えて戦わなければ勝てない」

■特集「輝けるフェザー級」
GOLDEN FEATHER

☆“神の子”再生の鍵はフットワークにあり!
山本“KID”徳郁×平仲信明×
世界王者が説くランニングのススメ

☆5.30修斗で感動の名勝負!
日沖発×宇野薫
ムンジアルを観戦した2人が、
LAで米国ジム巡りについて語り合う。

☆死闘、そして敗戦。進路は模索中――
リオン武、第二章へ
「友達に“地上波で見たい”って言われています」

☆ゴン格MMA委員会 特別編 Part.2
日沖発vsリオン武戦のここがポイント!
吉鷹 弘/中井祐樹

☆DREAMフェザー級&バンタム級制圧宣言!
大沢との対談を2度断っていた高谷のぶっちゃけトーク
高谷裕之×大沢ケンジ「DREAM.14」裏激闘録――
「知られざる岡見勇“神”争奪戦とは !?」

☆ついにDREAM参戦か !?
DREAM、修斗を見ても自信満々。
小見川道大
「男として、父として、世界統一王者になる」

☆ゴン格MMA委員会 特別編 Part.3
金網DREAM.14で見えてきた
マッハと大塚の修正すべき点
吉鷹 弘/中井祐樹

ほか、今月も『ゴング格闘技』はもりだくさんの内容です!
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