秘技「金網太郎」で撃破だ! 桜庭がグレイシー一族のホープと対戦=DREAM

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「DREAM.14」(5月29日、さいたまSA)でグレイシー一族第三世代のホープであるハレック・グレイシーと対戦することが決定した桜庭 【スポーツナビ】

 総合格闘技大会「DREAM.14」(5月29日、さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カード発表会見が10日、都内のジムで行われ、桜庭和志vs.ハレック・グレイシー、前田吉朗vs.大沢ケンジの2試合が決定した。なお、桜庭vs.ハレック・グレイシーの一戦は契約体重88キロで行われる。

 会見ではエヴァンゲリヲンの話題に終始していた桜庭だが、囲みではケージでの試合対策として「金網太郎」という技を用意しているとコメント。グレイシー一族との対戦については「僕、戸籍上ではグレイシー一族だから」とジョークを飛ばし、過去の因縁を煙に巻いた。

 また会見に同席した笹原圭一イベントプロデューサーは、すでに6カードが発表された今大会に「もう2〜3試合追加したい」意向を表明。階級はフェザー級とライト級になるそうで、候補として山本“KID”徳郁の名をあげた。

試合よりもエヴァンゲリヲンで頭がいっぱい?

桜庭(中央)の頭の中は試合よりもエヴァンゲリヲンでいっぱい? 【スポーツナビ】

 3年ぶりとなるグレイシー一族との対戦(2007年6月にDynamite!! USAでホイス・グレイシーと戦い判定負け)。さぞ気合いが入っているように思われたが、桜庭は居並ぶ報道陣の期待をあっけなく裏切った。
「試合は29日ですよね。その3日前に『エヴァンゲリヲン新劇場版:破』のDVDが発売されるんですよ。今はそれで頭がいっぱいです」
 ぽかんとする周囲の反応などおかまいなしに、その後もエヴァンゲリヲンの話題に終始。しまいには「格闘技を語るならみんなエヴァを見てからにしてください」と報道陣に説教する始末だ。

 今回対戦するハレックは叔父にあたるホイスやヒクソン・グレイシーから柔術の英才教育を受け、柔術では50勝3敗。07年には「HERO’S」で桜庭と同ジムに所属する柴田勝頼を相手にMMAデビューを果たし、一本勝ちを収めている。DREAMには08年6月以来2度目の出場。DREAMの笹原圭一イベントプロデューサー(EP)いわく「桜庭選手との対戦ということで、2つ返事でOKをもらった」と意気込みは相当高いようだ。

秘技「金網太郎」はその場で命名

ケージで戦った「DREAM.12」では躍動。「金網太郎」なる技で前回の再現なるか 【福山洋平】

 そうした笹原EPの言葉もあってか、会見後の囲みでは真面目モードに入った桜庭。今大会はケージでの戦いということで、対策を聞かれると「金網を意識して普段からロープや壁を使って練習している」と語る。
 また具体的な内容は明かさなかったが、金網を利用した技もあるようで「フィニッシュにもつなぎにも使える」とニヤリ。技の名前は「日本的な名前がいいから……『金網太郎』で」とその場で命名した。

 しかし、真面目モードは長くは続かず、「グレイシー一族は積年の恨みを晴らすためにも必死で向かってくると思われますが、どう戦います?」と聞かれた桜庭は「僕、戸籍上はグレイシー一族だから。前にヘンゾが言っていたし、この間ホイスとトークショーで会ったときも『お前はファミリーだ』って言われたから。あっ、でも身内同士の争いって一番怖いか」と最後は笑わせて話を締めた。

KIDの出場が濃厚、近日発表へ

KIDの出場が濃厚であることをにおわせた笹原EP 【スポーツナビ】

 すでに6試合が決定した「DREAM.14」だが、笹原EPは「もう2〜3カード組みたい」と語り、最終的には8〜9試合になる見通しを示した。

 残りのカードは「フェザー級とライト級あたり」で笹原EPが候補としてあげたのが、山本“KID”徳郁だ。5月15日に米国・セントルイスで行われるストライクフォースに参戦予定だったが、急きょ試合が実現されなくなったことでDREAM出場に支障がなくなったという。

「今回はフェザー級の試合が多く(現時点で4試合)、さながらフェザー級GPの開幕戦のようになっています。この階級は選手が多く、日本人が世界で戦っていける階級なので、改めてフェザー級を磨きなおすのがテーマです。KID選手も含めて、もう一度サバイバルをして、誰が絶対王者であるビビアーノ(フェルナンデス)を倒すのかが見どころです」

 笹原EPは、「まだ何も決まっていない」としたが、「KID選手に関する会見を近々したい」と語り、KIDの出場がほぼ濃厚であることをにおわせた。

WEC経験者でキャラもかぶる同士の対戦に

DREAM生き残りをかけ大沢(右)と対戦する前田 【スポーツナビ】

 前回の「DREAM.13」(3月22日、神奈川・横浜アリーナ)でKO負けした前田にとって今大会は生き残り戦。会見に同席した笹原圭一イベントプロデューサー(EP)は「3月はKO負けでしたが、勝っても負けても思い切りのいい試合をする前田選手はわれわれの中で評価が高いから、もう一度チャンスを与えようと思った」と参戦の経緯を説明した。
 これを受けて前田は「正直、呼んでもらえるとは思っていなかった。だから粉骨砕身の覚悟で死ぬ気でやらせてもらう」と意気込む。

 一方の大沢は、これがDREAM初参戦。2003年のデビュー以来、修斗で長く活躍し、最近は米国の総合格闘技イベント「WEC」にも出場している。WECでは1勝2敗1分けと成績を残せなかったが、「米国ではよそものという感じが常にしていた。でも、日本では自分らしく試合ができるので楽しみ」と初のDREAMにモチベーションは高い。前田に対しては「ファン目線で好きな選手」としながらも、「どの試合も優位にすすめておきながら、最後にポカしている」と分析。「しんどい試合になるだろうが、自分も逆転の一発を狙っていきたい」と前田の弱点をつく戦略のようだ。

 前田にもWEC出場の経験があり、笹原EPいわく「WEC経験者同士で、キャラもかぶる同士の対戦」となったこのカード。「DREAMに同じキャラの選手は2人はいらない」と語る笹原EPを満足させるような勝利を挙げるのは果たしてどちらか。

「DREAM.14」

5月29日(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ 開場15:00 開始16:00

【決定対戦カード】

<ミドル級ワンマッチ 契約体重88kg>
桜庭和志(Laughter7)
ハレック・グレイシー(グレイシー柔術)

<フェザー級ワンマッチ>
前田吉朗(パンクラス稲垣組)
大沢ケンジ(和術慧舟會A−3)

【既報対戦カード】

<フェザー級ワンマッチ>
高谷裕之(日本/高谷軍団)
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー所属)

<フェザー級ワンマッチ>
所 英男(日本/チームZST)
西浦“ウィッキー”聡生(日本/STGY)

<フェザー級ワンマッチ>
宮田和幸(日本/フリー)
大塚隆史(日本/AACC)

<ウェルター級ワンマッチ>
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
ニック・ディアス(米国/シーザー・グレイシー柔術)
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