藤原正和が初V 不遇時代からの復活劇=東京マラソン・総括
4位に入った川内 箱根ランナーから公務員へ
また初マラソン組のトップは、幸田高明(旭化成)の8位が最高。期待された北村聡(日清食品グループ)は25キロを過ぎてから先頭集団から離され、2時間27分15秒の31位に終わった。「準備の段階で甘さがありました。途中でやめないことは決めていたので、試練だと思って走りました。今は収穫は見えませんが、この経験を生かしていかなければならない」と神妙な面持ちで、先を見据えた。
佐藤「危機感を持ってやらなければ」
40キロ過ぎにスパートをかけた藤原正に食らい付こうとした佐藤だったが、結局追いつくことができずに、3位に終わった 【スポーツナビ】
今、日本男子マラソンに求められるヒーロー。今回、若手の台頭が見られなかったことは残念だが、藤原正が復活したことは明るいニュースだ。そして海外から招待選手が力を発揮しなかったことを差し引いても、日本人間のトップ争いは経験値を重ねる点でも、意味のあることだろう。
世界のスピード化に対して問われた藤原正は「日本人でも(2時間)6分台は出せるし、今回、自分もそれだけの練習をしてきました。今度はタイムも狙えるレースに出場し、自信をつけてオリンピックへ挑みたいです」と、31歳で迎える2012年のロンドン五輪を見据える。次は世界標準のスピードの中でどこまで戦えるか注目される。
「もっと危機感を持ってやらなければ」とは佐藤がレース後に語っていた言葉だ。実績のあるベテラン勢がさらに切磋琢磨(せっさたくま)していく状況になれば、若手への刺激にもなるだろう。現状を嘆くばかりでは未来は切りひらかれない。反省と同時に収穫を探し、次代への武器としていくことも今の日本男子マラソンには求められている。
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