米国の「次世代エース」対決はクエリーが制す=男子テニス リージョンズ・モーガン・キーガン選手権

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リージョンズ・モーガン・キーガン選手権で、米国人同士の決勝を制したサム・クエリー(写真は全豪オープン男子1回戦時のもの) 【Getty Images】

 男子テニス(ATP)ツアーのリージョンズ・モーガン・キーガン選手権が米国・メンフィスで開催。男子決勝では、第8シードのサム・クエリー(米国)が第6シードのジョン・イスナー(米国)を6−7、7−6、6−3の逆転で勝利し、キャリア3度目のツアータイトルを獲得した。

ロディックにリベンジを果たしたクエリー

 1月に行われた全豪オープン後、ATPワールドツアーは世界各地に戦いの場を移している。そして、3月に行われるBNPバリバオープン(インディアンウェルズ)と、ソニーエリクソンオープン(マイアミ)でハードコートを中心としたシーズン前半戦が終了する。

 トップ選手がオフを取る中、リージョンズ・モーガン・キーガン選手権では多数の米国人選手が地元での栄冠を目指した。今大会の注目選手はトップシードのアンディ・ロディック(米国)と、第2シードのフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)。2人は前週サンノゼで行われたSAPオープン決勝で対戦しており、ベルダスコが逆転勝利を収めている。

 同大会の準決勝、米国のトップとして君臨するロディックを苦しめたのが、クエリーだった。米国の次代を担うと目される22歳は、2つのタイブレークまで持ち込むが、惜しくもロディックに敗れた。その雪辱の場は今大会の準々決勝で迎える。ファイナルセットまでもつれた激戦は、米国の若武者がロディックを破り、見事リベンジを果たした。その勢いのまま準決勝もストレートで突破し、キャリア7度目となる決勝進出を決めた。

 一方、逆ブロックから勝ち進んだのは、もう1人の米国エース候補、24歳のイスナーだった。イスナーは昨年の全米オープン3回戦でロディックを撃破し、先月のハイネケンオープン(オークランド)で初タイトルを獲得。早くも今年ブレークの兆しを見せている。
 第2シードのベルダスコが先週の決勝の疲労により1回戦で敗退すると、第6シードのイスナーは持ち前のビッグサーブを武器に、一気に決勝まで進んだ。

決勝を制したクエリーは、ダブルスとの二冠を達成

 クエリーが198センチ、イスナーが206センチという高身長同士の戦いは、米国の未来を占うにふさわしい戦いとなった。ファーストセットからタイブレークとなったが、接戦を制したのはイスナー。その流れはセカンドセットまで続き、イスナーがブレークポイントを握りながら、試合を押し気味に進めた。一方のクエリーはファーストサーブの確率が上がらないものの、厳しい局面でサービスエースを奪い、何とかピンチを切り抜けていく。

 そしてセカンドセットも再びタイブレークに突入すると、ここで集中力を見せたのがクエリーだった。タイブレークを7−5で奪い、同点に持ち込むと、ここを境に2人の勢いが完全に逆転する。第1、2セットはクエリーに一度もブレークポイントを与えなかったイスナーだったが、第3セットはファーストサーブの確率が落ち、2つのブレークを与えてしまった。そして、最後はクエリーがスマッシュを決め、勝利を手にした。

「米国の次代を担う2人による決勝」という理想的なフィナーレを迎えた今大会。実は、2人はダブルスでもチームを組み、ノーシードながら見事タイトルを手にしている。2人は、2週間後に行われるデビス杯1回戦にも米国代表として参加し、セルビアに向かう予定だ。米国テニス界の未来は、この2人に託されているいっても過言ではない。

<了>
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