ドリームジャーニーやった! 池添男泣きのGP連覇=有馬記念

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メンバー最速の上がりが炸裂!文句なしの春秋GP連覇だ

宝塚の再現を見ているよう――文句なしのグランプリ連覇だ 【スポーツナビ】

 ハナを切った武豊リーチザクラウンがつくったペースは前半の1000メートル通過が58秒台の半ば。「けっこう速く流れているなと感じていました」。3コーナー手前で故障して下がってきた菊花賞馬スリーロールスと馬体がぶつかる場面もあったが、そこも「我慢してくれました」と池添。3〜4コーナーでは勢い良く上がっていくマツリダゴッホ、フォゲッタブルを前方に見据え、内ラチ沿いのブエナビスタも視界の中に入っていた。

 「仕掛けどころだけは間違えないように」

 目標をキッチリ捕らえ、大外進出からあとは辛抱してタメにタメた、父ステイゴールドから受け継ぐ“黄金の脚”を爆発させるだけ。うなるような手応えで最後の直線に向くと、ゴールへと続く道にはブエナビスタだけが見えていた。
 「直線に向いた時には、もうこの馬(ブエナビスタ)との勝負だなと思いましたね。しまいは絶対に伸びてくれると信じていましたし、絶対にかわせると思いました」

 炸裂させた上がり3F35秒2は、ブエナビスタを0秒6上回るメンバー最速タイム。いち早く抜け出した本命馬を外から豪快に斬り捨てる姿は、ディープスカイをほふった宝塚記念の再現VTRを見ているよう。
 「ドリームジャーニーが一番頑張ってくれた。本当に感謝しています」
 6月に続き、今回もまた、文句なしのグランプリ連覇だった。

血のドラマが開花――2010年はさらなる飛翔の年へ

父ステイゴールド、祖父メジロマックイーンから受け継ぐ遅咲きの血が完全開花、来年もさらに飛躍が期待される 【スポーツナビ】

「91年のメジロマックイーンは絶対に勝てると思っていたのに、勝てなかったですからね。競馬というのは血のドラマで、僕はそのあたりをすごく大切にしています。お父さんのステイゴールドの分も含めて、有馬を勝てなかった悔しさを取り返せたと思いますね」
 喜びを噛みしめながら語ったのは池江寿調教師。父である池江泰郎調教師が手がけたメジロマックイーン、そして父のもと調教助手としてステイゴールドで有馬記念に挑戦してきたが、あと一歩のところで勝つことはできなかった。

 特に日々、調教をつけていたステイゴールドには思い入れが強く、自身にゆかりの深い2頭の血を受け継ぐドリームジャーニーで日本競馬界最大のレースを勝てたことは、この上ない喜びだろう。
 「ステイゴールドは年齢を重ねるにつれて、どんどん強くなっていきました。ドリームジャーニーも似たような課程を踏んでいますし、来年はもっと強いジャーニーを見せたいですね」
 今のところ、来年の春は4走を予定しており、目標はGI天皇賞・春、そしてGI宝塚記念連覇においている。

 06年の2歳王者が3年の月日を経て、真のキングへと成長を遂げた。そして、これが終着点ではなく、今からが競走馬としてのピークを迎えるのだろう。来たる2010年、しばしの休息をとった後、ドリームジャーニーは王者の旅程を堂々と歩んでいく。

納得の敗戦、来春はドバイWCを目標に

力は出し切った……だが、またしても惜敗 【スポーツナビ】

 道中は中団より前の位置。新コンビの横山典を背に、ブエナビスタはこれまでの後方一気からイメージをガラリと変える正攻法で勝負に出た。無理なく折り合い、直線の伸び脚もしっかり。十分に能力を出し切ったが、この日はドリームジャーニーの“鬼脚”が一枚上手だった。
 「よく頑張っているよ。それにこれからの馬だからね」と横山典。同馬を管理する松田博資調教師も「勝ち負けは競馬のことだから仕方ない。後ろから差されたのは初めてだったけど、内容には満足している」と、またも惜敗に終わったとはいえ、完全燃焼での敗戦に納得のコメントを残した。

 下半期は未勝利に終わったものの、春シーズンにケタ違いの末脚でGI桜花賞、GIオークスを制したブエナビスタ。古馬の男馬との初対戦でも僅差2着、3着エアシェイディ以下には4馬身差をつけたことで、改めて現役トップ級の実力馬であることを知らしめた。
 2010年シーズンにかかる期待は当然のように大きい。すでに、世界一の賞金レース・ドバイワールドカップ(3月27日メイダン競馬場)への参戦も視野に入れていることが報道されているが、トレーナーは“体調次第”としながらも「今後はドバイに行くつもりで調整していきたい」と明言した。
 ドバイWCには2つ年上の七冠女王ウオッカも引退レースとして出走することを表明している。最初で最後の女王対決。互いに順調に冬を越し、春を迎えれば、その実現の可能性は高くなってくる。

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