三崎和雄が事情説明「グラバカから“独立”ではなく“退団です”」=kamipro発
出場停止処分の解除が発表された三崎。「Dynamite!!」にも参戦予定 【kamipro】
■対戦カードが発表されず選手も困ってます
──三崎さん、おひさしぶりです!
三崎 おひさしぶりですね(苦笑)。
──いろいろありましたが、無期限出場停止処分の解除が発表されて、晴れて『Dynamite!!』参戦となると思うんですが、処分解除という連絡を受けて、率直にどう思われました?
三崎 やっぱり、選手としてのケジメの部分と、またこれからファイターとしてやっていく部分を考えたときに、これからは選手として、まずはファンの皆さんの前に立つということは僕のこれからの使命だと思ってましたので。そういう意味で、いままで以上に自分を奮い立たせて、ファンの皆さんに喜んでもらえるような試合をしていきたいと思ってます。
──で、今日は12月13日で締切ギリギリなんですけど、『Dynamite!!』のカードがまったく発表されずに困ってるんですよ。三崎さんに言ってもしょうがないと思うんですけど(笑)
三崎 いや〜、選手も困ってますよ(苦笑)。
──ですよね。週明けには三崎さんのカードも含めて、発表されるんじゃないかと思うんですけど、いま現在は自分のカードについて何か聞いてます?
三崎 聞いてないですね。
──『Dynamite!!』には出たいという気持ちは当然あるんですよね?
三崎 そうですね。オファーをいただければ、喜んで試合をさせてもらいますし、勝手に準備はしてます。
──出撃準備はすでに整っている、と?
三崎 いつ何時オファーをいただいても出れる準備はしていましたね。……「いました」って言ったら「いつからだ?」って話になっちゃいますけども(笑)。ここ最近はとくに力を入れて練習はしてます。
桜庭さんは勝負感というか、何か一つ抜けてる
復帰初戦で三崎はいったいどのような戦いを見せるのか 【kamipro】
三崎 耳にはしてました(笑)。階級でいったら、考えられる選手ではありますよね。
──昨日のイベントで桜庭さんは「体重を増やして藤田選手とやりたい」と言っていたみたいなんですけど(笑)、『Dynamite!!』にかぎらず、機会があれば闘ってみたい選手だったりします?
三崎 正直、桜庭さんは僕が格闘技を始めた頃からスターだったんで、イメージとしては桜庭さんというのは雲の上の存在なんですよね。ずっと、そういう目で見てましたし、「やりたいな」っていうふうに考えたことって正直なかったんですよね。ただ、ここ最近の桜庭さんの試合を観ていて、やりたいうんぬんはべつにして、「桜庭さんの強さってなんなのかな?」っていうことを考えるようにはなりましたね。
──ここ最近は年齢的なものも含めて、力が落ちてきているのかなという見方もされていたと思うんですけど、このあいだのゼルグ“弁慶”ガレシック戦で、「やっぱり、強い」と思わされましたからね
三崎 そうなんですよ。僕なりにですけど、あの試合で感じることが多かったんで。
──どういったことを感じたんですか?
三崎 人によってはいろんな見方があるでしょうけども、僕にとっては完璧な試合だったなと思うんですよ。あの体勢で足関を取りに行って、見方によっては紙一重な試合だったと思うんですよね。
──止められてもおかしくなかったですよね
三崎 そうですよね。これは凄く生意気な言い方ですけど、僕が見た感じでは桜庭さんはたとえ殴られても、意識が飛ぶ前に極める自信が絶対にあったと思うんですよね。それはたぶん桜庭さんの経験であったりとか、感性の部分だと思うんですけど、あの試合を見て、勝負感というか、何か一つ抜けてるなというか。確かに肉体的な部分っていうのは、一番いいときに比べたら落ちてるかもしれないですけども、でもそれ以上に上がってる部分というのが確実にあるんじゃないかと思うし、そっちのほうが怖いなと思うんですよ。
──機会があったら、その怖さを体感してみたい?
三崎 そうですね。それはやっぱり向かい合ってみなければわからないものなので。そういう意味では怖いモノ見たさじゃないですけども(笑)、どんな怖さを持ってるんだろうとか、ダン・ヘンダーソンにしても、秋山(成勲)さんにしてもそうでしたけども、向かい合ったときに「怖い」って思う何かがあるんですよね。
おそらく桜庭さんにもそういう怖さというか、野生の強さみたいなモノを感じるんじゃないかと思うんですよね。……もし向かい合うことがあればですよ(笑)。
カズ(中村和裕)とはもう1試合やりたい
8月の対戦では勝利を収めたものの、中村(左)とはもう一度戦いとも 【kamipro】
三崎 え、それは知らなかったです(笑)。
──直接、谷川さんから電話がかかってきて「大晦日出られない?」と聞かれて、「UFCと契約があるので出れません」と断ったみたいですけど(笑)
三崎 そうですよね。それは無謀ですね(笑)。
──でも、秋山さんは将来的には三崎さんともう一度対戦したいと言っていました。三崎さんもいまは現実的に無理ですが、もう一丁っていうのはあります?
三崎 そういう気持ちはやっぱりありますよね。決着もついてませんし、刺激という意味では、ああいう選手と向かい合ってしまうと、それ以上の刺激がやっぱりほしくなってしまうんですよ。
──そういうのはあるんでしょうね。三崎さんの一番最近の試合というと、8月の中村(和裕)戦でしたが、あの試合は、勝っても負けても翌日から試合に出られなかったり、ファイトマネーもなしだったりと、モチベーションという意味では非常に難しい試合だったと思うんですけど、その試合で飛びヒザからのフロントチョークで一本勝ちという結果を残したのはホントに凄いなと驚かされました
三崎 あの試合に関しては、やっぱり、試合っていうのは相手あってのものなので、カズに申し訳ないなっていう気持ちもあったんで。それと、おそらく自分一人の考えであれば、自粛というかたちで試合に出場してなかったと思うんですけど、いろいろな周りの声があったりとか、出ることが自分のケジメだと言われれば「そうですか」としか言える立場になかったですし。
──練習もそれほどできてなかったと聞きました
三崎 練習はできてなかったですね。結果は勝ちましたけど、決してあの試合には満足してないし、俺はカズに対してはあの試合は1勝だと思ってないですから。できればなかったことにしてもらいたい試合です。
──そうなんですか
三崎 だから、カズとはもう1試合やりたいなって心から思ってますし。ただ、満足はしてないですし、結果は納得してないけども100パーセントの状態でなくても結果的に勝てたということに関して言えば、神様から何かヒントをもらえたのかなと。それが今後どう活かされていくのかはまだわからないですけど。
僕個人の考えで言えば、二つの団体は残すべき
三崎は「二つの団体がお互いに背中を向け合うのは何の解決にもならない」と警鐘を鳴らす 【kamipro】
三崎 普通に驚きましたけど、僕としては今回の件にかぎらず、どうしても大きな団体が二つあると、いい部分も悪い部分も存在すると思うんですよね。
──それはPRIDEと『HERO‘S』時代も含めてってことですか?
三崎 そうですね。やっぱり、世界と渡り合うっていうか、対抗していくということを考えたときに、はたしてこれはいいことなのか、悪いことなのかって考えるところが僕なりにあったんですけど。……そんな愚痴を言ってもしょうがないですけどね(苦笑)。
──愚痴になっちゃいますか(笑)
三崎 日本の格闘技界は、それこそPRIDEの頃は世界最高峰と言われて、世界中からトップファイターが集まってきて凄い盛り上がりを見せてきたわけじゃないですか。あれを経験してるファンや選手っていうのは、どっかで「ぽか〜ん」と穴が空いちゃってるような感じのままだと思うんですよね。
──PRIDE全盛時代と比べると勢いは落ちてしまってますからね
三崎 じゃあ、あの頃の勢いを取り戻すにはどうしたらいいかっていったら、やっぱり僕はこれしかないと思うんですよね。二つの団体が一緒に仲良くやっていくのでも、ライバル同士でもどっちでもいいと思うんですけど、やっぱりお互いに背中を向け合ってくすぶっていても、なんの解決にもならないんじゃないかなと思っていたので。だから、今年の大みそかに初めて一つになって試合が組まれるということは僕はよかったんじゃないかなと正直思いましたけどね。
──三崎さんにとって、この流れはアリだと?
三崎 ただ、僕個人の考えで言えば、やっぱり二つの団体は残すべきだと思うんですね。今回の大みそかは対抗戦というかたちになりますけども、そのあとはお互いが自分たちの畑を耕して切磋琢磨してやっていって、次がいつになるかはわかんないですけど、またそこで盛り上がるようなアクションを起こせばファンも盛り上がるだろうし。選手も意地とプライドがぶつけられる場があるのはいいことだと思いますね。
──今年は三崎さんにとってモノ凄くいろんなことがあった年だと思うんですけど、グラバカから独立したっていうのも大きな出来事ですよね
三崎 いま、“独立”とおっしゃってましたが、一つ言わせてもらっていいですか?
──ん? 何か言い方を間違えましたかね?
三崎 ここだけはちゃんと伝えておきたいんですが、僕は自分で“独立”だとは思ってないですから。
──独立ではない?
三崎 “独立”ではなくグラバカを“退団”したと思ってるんで。
※はたして、三崎のグラバカ“退団”の真相とは!? さらには、サーファー歴の長い三崎が、五味隆典や坂田亘など、ここ最近の格闘家のサーフィンブームについても一言もの申す! 気になる続きは『kamipro』No.142をチェック!!
【09年12月13日/都内某所にて収録】
(聞き手/阿修羅チョロ 撮影/吉場正和 試合写真/乾晋也)
『kamipro』No.121
【kamipro】
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「『Dynamite!!』のために闘うつもりはない」
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「『Dynamite!!〜盛り上げようがない〜』って
タイトルにしたほうがいいよ」
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三崎和雄
「グラバカから“独立”ではなく“退団”です!」
☆“DREAMの大黒柱”は対抗戦をどう考える?
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「川尻でも五味でも『戦極』でも、誰でもかかってこい!」
☆対抗戦を断固拒否! 五味隆典には決別宣言!!
川尻達也
「自分の中に青木戦以外の選択肢はない」
☆“ミスター・ツイッター”がつぶやきまくる!!
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「青木くんには『戦極』の悪口をたくさん言ってもらいたいな〜」
■特集・“柔道鬼”吉田秀彦の正体
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『Dynamite!!』でむき出しになる
勝負師の本性
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