魔裟斗、引退試合の相手は宿敵サワーに決定=Dynamite!!

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魔裟斗の大みそか引退試合の相手が宿敵サワーに決定 【スポーツナビ】

 1年最大の格闘技イベント、大みそか「Dynamite!!」で現役ラストマッチを迎える“K−1MAXのカリスマ”魔裟斗の対戦相手が12日、東京都内のホテルで発表され、今年のK−1MAXトーナメント準優勝者で、2005年&07年の2度K−1MAX世界王者に輝いている宿敵アンディ・サワーに決定した。

 4月1日に今年限りでの現役引退を発表した魔裟斗は、その会見の席上で「最後は一番強いヤツと戦う。今年の世界王者と戦いたい」と宣言。その言葉どおり、10.26決勝トーナメントを圧倒的な強さで優勝した今年のK−1MAX世界王者ジョルジオ・ペトロシアンに対し、リング上で自ら“最後の相手”に指名していた。
 しかし、試合後にペトロシアンが右拳(中指骨)を骨折していることが判明。全治3カ月と診断され手術をすることになり、大みそかでの試合は不可能と判断されたことにより、対戦相手はかねて魔裟斗が第1希望に挙げていたサワーに決定した。

 魔裟斗とサワーは2006年のトーナメント準決勝、07年の決勝戦で2度対戦しているが、いずれもサワーが勝利。会見に出席した魔裟斗はこの因縁の相手との最終決戦に向け、「生涯最高の調整をして、絶対にKOで勝って、2009年12月31日をもって『僕の時代は終わった』と宣言したい。サワーとは絶対に噛み合うし、ファンが望むバチバチの試合をしたいですね。期待してください。これは運命です。オレが最後にサワーにリベンジする運命。オレが倒して、終わりです」と有終の美を誓った。

 なお、ルールはK−1ルール、3分5R延長1Rで行われる。

過去2戦2敗、最後のリベンジチャンス

魔裟斗(右)はサワーに2戦2敗、最後の最後でリベンジを果たすことはできるか 【t.SAKUMA】

 現役最後の相手はペトロシアンのケガにより一転、宿敵サワーに。この決定を魔裟斗は“運命”と語った。
 「これは完ぺきに運命ですよ。オレが最後にサワーを倒して終わる運命。2003年にオレが世界王者になった後、トーナメントはずっと勝てなくて、去年チャンピオンに返り咲いたのもMAXの運命。オレの最後の相手がサワーになって、最後に倒して終わるのもK−1MAXの運命なんです」

 魔裟斗とサワーは2006年決勝トーナメント準決勝、07年は優勝をかけた決勝戦で対戦し、いずれもサワーの勝利。魔裟斗の格闘技人生で唯一、1度も勝てないでいる因縁の相手だ。負けたままでは終われるわけがない。4月1日の引退発表会見で「最後は一番強いヤツとやりたい。今年の世界王者とやりたい」と語っていた魔裟斗だったが、その心中はサワー一人しか見ていなかった。
 「今年に入ってから、サワー対策をずっとやっています」という言葉一つをとっても、最後の相手はサワーになるという“運命”を感じ取っていたのだろう。

 「やはりボクと魔裟斗は戦う運命にあったようだね。実は、魔裟斗が引退を発表してから最後の相手はボクしかいないと思っていた」
 一方のサワーも、この最後の対戦は宿命付けられていたものであると、広報を通じてのコメントで語っている。魔裟斗同様、「今年に入ってから魔裟斗対策を練っていた」と明言。そして、「K−1のリングで出会った生涯最高のライバルとして、K−1MAXの象徴である魔裟斗をキッチリKOすることが介錯人としてのボクの使命」「ボクはキミを絶対にKOする。それが、これまでK−1や格闘技界を牽引してきたキミに送るボクからの最高のはなむけだ」と、堂々のK0予告だ。

4月から大みそかへ向け準備、生涯最高の仕上げへ抜かりなし

調整も順調、魔裟斗は「絶対にKOする」と自信の宣言 【スポーツナビ】

 当然、魔裟斗もこのサワーの姿勢を真っ向勝負で受け止める覚悟。いや、そう来てもらわねば困る、とばかりにお返しのKO宣言、そして生涯ベストファイト宣言をしてみせた。
 「倒しに来てもらって構わない。バチバチの試合をした方が盛り上がりますしね。最高の試合をして、オレが勝ちます。つまんない試合して勝ってもしょうがないですから。記憶に残る試合をして、絶対にKOで勝ちます」

 K−1MAXのカリスマ、2000年代格闘技界の象徴として業界の範疇を超える一時代を築いた魔裟斗。最後もやはり魔裟斗らしい“分かりやすい試合”で、大みそかを大興奮の渦に巻き込む約束も忘れない。
 「単純に分かりやすい試合をしますよ。女の人やお年寄りが見ても普通に楽しめる試合。殴って、蹴ってと、単純だから大丈夫。寝技とかオレもよく分かんないような試合はしませんから」
 その誰が見ても楽しめる最高の試合に向け、大みそか仕様のトレーニングも4月からすでに開始。「今朝も体力測定をして、今何が足りていないかという数値も出たし、その辺りを補っていきたい。トレーナーいわく『今まで一番キツい練習になる』って」と、生涯ベストの仕上げへ抜かりはない。

 K−1MAXがつむぐストーリーは、カリスマが有終の美でエンディングを迎えることになるのか、それとも……。魔裟斗最後の一戦、運命の大みそかまで残り2カ月を切っている。

サワー「KOすることが魔裟斗への最高のはなむけ」

サワーも魔裟斗の対戦は「運命」とコメント、さらに「KOするのは解釈人としての使命」とこちらもKO予告 【t.SAKUMA】

 以下はアンディ・サワーからのコメント

「やはりボクと魔裟斗は闘う運命にあったようだね。彼が最後の相手にボクを希望してくれたことを光栄に思う。全身全霊をかけてその選択が正しかったことを証明したい。
 この試合は、魔裟斗にとっては世界で唯一2度の敗北を喫しているボクにリベンジを果たす最後のチャンスだけど、ボクにとっては“アンディ・サワー”と“シュートボクシング”の名をかけた一つの戦争。ボクはまだ引退するわけにはいかない。K−1のリングで出会った生涯最高のライバルとして、K−1MAXの象徴である魔裟斗をキッチリKOすることが介錯人としてのボクの使命だと思う。だから、今回はボクの“正装”シュートボクシングの公式コスチュームであるスパッツを着用して試合に挑ませて欲しい。
 実は、魔裟斗が引退を発表してから最後の相手はボクしかいないなと思っていたので、今年に入ってから魔裟斗対策を練っていました。彼はボクと闘う事を考えてたはずだから不公平にならないようにね。おかげで魔裟斗を完全に倒せる技をいくつか用意できた。その日は魔裟斗のファンもそうでない人も、みんなが彼を応援するでしょうから、完全に倒さないと判定で勝つことは難しいでしょうからね。
 魔裟斗、この世紀の一戦を盛り上げるためにボクは最高のヒールになろう。ボクはキミを絶対にKOする。それが、これまでK−1や格闘技界を牽引してきたキミに送るボクからの最高のはなむけだ」

SRCとの合同開催報道に谷川氏「何も話すことはない」

戦極「SRC」との大みそか合同開催報道について、谷川氏は「何も離すことはない」 【スポーツナビ】

 また、大みそかに開催される2大格闘技イベント、「Dynamite!!」と戦極改め「SRC(SENGOKU RAIDEN CHAMPIONSHIP)が合同のもと、さいたまスーパーアリーナで共同開催を行うとした一部報道に関して、Dynamite!!を主催するFEGの谷川貞治代表取締役が「現段階では何も話すことはありません」とコメントした。
 何も決まったことはないと谷川代表は語り、報道陣から何を聞かれても「話すことはありません」と繰り返したまま。「ファンが望むことをやることに意味があると思います」と語ったものの、「K−1とPRIDEがライバルとして別の大会で戦っていたときも盛り上がっていましたし、(2007年のように)いっしょにやることも盛り上がりますから。あまり先走らないで温かく見守ってください」と、この日はノラリクラリと質問をかわしていた。

 なお、Dynamite!!側としては、桜庭和志、山本“KID”徳郁、田村潔司、青木真也ら総合格闘技の試合を中心に、昨年同様全19試合前後になるという。

■Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜
12月31日(木)埼玉・さいたまスーパーアリーナ 開場13:00 開始15:00

<魔裟斗引退試合 K−1ルール 3分5R延長1R>
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)
アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシングオランダ)

<K−1甲子園準決勝戦 K−1甲子園ルール 2分3R 62kg契約>
HIROYA(主催者推薦/セントジョーンズインターナショナルハイスクール/3年)
野杁正明(主催者推薦/至学館高等学校/1年)

<K−1甲子園準決勝戦 K−1甲子園ルール 2分3R 62kg契約>
嶋田翔太(主催者推薦/私立西武台高校/3年)
石田勝希(主催者推薦/初芝立命館高等学校/2年)

<K−1甲子園リザーブファイト K−1甲子園ルール 2分3R 62kg契約>
日下部竜也(主催者推薦/愛知県立豊田高校/2年)
藤鬥嘩裟(関東地区Aブロック優勝/勇志国際高校/2年)

<スーパーハルクトーナメント〜世界超人選手権〜決勝戦>
ミノワマン(日本/フリー)
ソクジュ(カメルーン/チーム・クエスト)
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