タレントそろうトヨタ自動車の史上初V3なるか!?=第36回社会人野球日本選手権大会見どころ

島尻譲

32チームが集う真の社会人野球日本一決定戦

 第36回社会人野球日本選手権大会が11月12日から京セラドーム大阪で行われる。“真の社会人野球日本一決定”というキャッチフレーズの日本選手権。“真夏の祭典”と呼ばれる都市対抗と並ぶ社会人野球最高峰の全国大会だ。日本野球連盟が定める9つの日本選手権対象大会(東京スポニチ大会、北海道大会、東北大会、長野大会、静岡大会、京都大会、岡山大会、四国大会、九州大会)、都市対抗、クラブ選手権の覇者に加えて、各地区の厳しい予選を勝ち上がって来た計32チームが大阪に集う。
 今大会は既述の対象大会にて、近畿地区のパナソニックが3度(四国、長野、京都)の優勝を飾ったことで近畿地区出場チームが2枠増。また、クラブ選手権でも近畿地区のトータル阪神(昨年まで阪神ベースボールクラブ)が制したので、近畿地区からは計10チームが出場することになった。近年、全国大会で近畿勢の低迷が叫ばれているが、大阪開催でもあるし、この辺りで意地を見せてほしい。

トヨタvs.日産は1回戦屈指の好カード

 注目は大会初の3連覇を狙うトヨタ自動車(東海地区)だろう。今夏の都市対抗では、決勝でHondaに敗れこそしたが、野球巧者ぶりは健在。今ドラフトで指名を受けた左腕・中澤雅人(東京ヤクルト1位指名)、エース格・大谷智久(千葉ロッテ2位指名)が投手陣の柱となる。野手陣はスピードスター・荻野貴司(千葉ロッテ1位指名)を筆頭に、荒波翔や田中幸長らが切磋琢磨。正捕手としてマスクをかぶり続ける二葉祐貴の信頼も厚く、社会人10年目の佐野比呂人や元阪神の的場寛一といったベテラン勢も円熟味を増している。代打、代走、守備固めも適材適所で、一戦必勝のトーナメントを勝ち抜くバリエーションは豊富。過去最高の大会2連覇(第10・11回/住友金属)の記録を塗り替えるチャンスは大いにある。
 しかし、このトヨタ自動車と1回戦で激突するのが、今季限りで活動停止が決まっている日産自動車(関東地区)である。第30回大会の優勝チームでもあり、その時の喜びを知る伊藤祐樹、村上恭一、小山豪、四之宮洋介、吉浦貴志、須田光らも残り、名門チームの休部に熱烈な応援も後押しすることだろう。1回戦屈指の好カードになることは間違いない。

初出場のOBC高島に注目

 Honda(都市対抗優勝枠・関東地区)は巨人ドラフト1位の長野久義が耳目を集めるが、チームとして都市対抗優勝の力量は本物。都市対抗に続く栄冠を手にするには、打線強化に力を注ぎ、それが結果に表れ始めている日本新薬(近畿地区)との初戦がカギとなる。都市対抗で競り合ったヤマハ(東海地区)と富士重工(関東地区)が1回戦で再戦。また、三菱重工神戸(近畿地区)の社会人19年目・木林俊郎(37歳)、鷺宮製作所(北海道大会優勝枠・関東地区)の社会人15年目・岡崎淳二(37歳)のベテラン両左腕によるガップリ四つの味わい深い投げ合いが実現すれば、社会人野球ファンは大喜びすることだろう。
 初出場となるクラブチームのOBC高島(近畿地区)はつながりのある打線が魅力で、地区予選で大阪ガスを倒した勢いに期待は高まる。京都大会で新日本石油ENEOSから白星を挙げた川原謙太郎(デュプロから転籍)、神戸学院大時代にドラフト候補にも挙がった左腕の安田恵隆、近鉄でバイプレーヤとして活躍した吹石徳一(現・楽天スカウト)の次男・泰隆の急成長、社会人・日本プロ野球・米独立リーグなどで経験豊富な竹岡和宏が抑えを務めるなど投手陣も充実。主将としてチームをけん引する主将・中村光佑(パ・リーグ2年連続本塁打王である埼玉西武・中村剛也の実弟)のガッツ溢れるプレーも必見だ。

<了>
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著者プロフィール

 1973年生まれ。東京都出身。立教高−関西学院大。高校、大学では野球部に所属した。卒業後、サラリーマン、野球評論家・金村義明氏のマネージャーを経て、スポーツライターに転身。また、「J SPORTS」の全日本大学野球選手権の解説を務め、著書に『ベースボールアゲイン』(長崎出版)がある。

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