主役不在のトーナメントを制したツォンガ=ジャパンオープンテニス
男子シングルス決勝でミハイル・ユージニーを破り優勝、トロフィーを手にするジョーウィルフリード・ツォンガ=有明コロシアム 【共同】
最終的に優勝を飾ったツォンガは試合後のインタビューで、「試合が進むたびに調子が良くなった」とコメントしていたように、一戦ごとにその強さを増していった。ツォンガの対戦相手を振り返ってみると、2回戦では元トップ10選手であるリシャール・ガスケ(フランス)、3回戦では強打が売りのエルネスツ・ガルビス(ラトビア)、準決勝では抜群の運動能力を誇るガエル・モンフィス(フランス)と、注目選手たちを倒して決勝まで進んでいる。特に準決勝、決勝でのそのプレーぶりはまさに圧巻。モンフィスを6−3、6−3で退けた翌日、決勝戦では今大会絶好調のミハイル・ユージニー(ロシア)に自分のテニスをさせず、こちらも6−3、6−3で下して初優勝を果たし、今季3勝目を飾った。
気まぐれにも見えるツォンガの魅力とは?
決勝戦でもそのサーブは、観客だけでなく対戦相手のユージニーをも驚かせた。2セット目の序盤、ジュースからのセカンドサーブで200キロ近いサーブを打ち込み、エースを奪ったのである。
「サーブが決まらなくて頭に来ていた。もうセカンドサーブなんて打ちたくないから、ファーストサーブのつもりで打った。作戦でも何でもなくて感覚的なもの」というコメントがツォンガの性格を物語っていると言えるだろう。
時には集中力が切れたようなプレーをすることもあるが、と思えば200キロを超えるサービスエースを連発する――ツォンガはそんな選手だ。こうした部分も見ていて微笑ましい貴重なキャラクターではないだろうか。
サントロ、ヒューイットにユージニー、魅せてくれたベテラン選手たち
ヒューイットはその熱い雄叫びを日本のファンの前でも披露してくれたし、今大会台風の目となったユージニーの試合の組み立ては、見る者をうならせるクオリティーの高さを持っていた。
欲を言えば、このメンバーの中で日本の選手が勝ち上がる姿を見たかったものだが、それは近くけがから復帰するであろう錦織を含めて、来年以降に期待したい。
<了>
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