“Wユウキ”や比江島、馬場らW杯日本代表が上位に名を連ねる結果に
W杯を経てBリーグでも輝きを放った日本代表選手たち【(C)B.LEAGUE】
過去最大の混戦の末に幕を閉じた2023-24 B1レギュラーシーズン。中地区、西地区では三遠ネオフェニックスと名古屋ダイヤモンドドルフィンズがそれぞれ初の地区優勝を収める中、東地区は宇都宮ブレックスがリーグトップの勝率で3シーズンぶり3度目の優勝を果たした。
一方で今回のアンケートの結果、ファン選出のBリーグ23-24シーズンMVPに輝いたのは、千葉ジェッツの富樫勇樹となった。富樫はキャリアハイとなる1試合平均18.0得点でレギュラーシーズンを終え、1試合平均5.4アシストとチャンスメイクでも高水準の数値を記録。EASL、天皇杯と並行してBリーグを戦う過密スケジュールの中で全60試合に出場するなど、これまで以上の存在感でチームをけん引した。前述の2大会では大会MVPを受賞しており、BリーグのMVPも受賞することで“MVP3冠”を達成してほしいというファンの想いが投票結果にも表れている。
富樫に続く上位には、2位に河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)、3位に比江島慎(宇都宮ブレックス)、4位には馬場雄大(長崎ヴェルカ)がそれぞれ名を連ね、昨夏のワールドカップで活躍した日本代表の選手たちが上位を占めることとなった。河村は今シーズン長期間にわたって得点ランキングとアシストランキングのトップに君臨。2年連続のアシスト王に輝いた一方で、終盤に得点ランキングでは2位に後退してしまったものの、帰化選手を除く日本人選手としては史上最高記録となる1試合平均20.9得点という驚異的スタッツを残した。
3位の比江島は3ポイント成功率でキャリアハイとなる44.0パーセントを記録し、3ポイント王を受賞。4位の馬場も持ち前の総力を生かし、FBPS(ファストブレイクでの得点数)で日本人トップとなる198得点を記録するなど、Bリーグ復帰初年度で抜群の存在感を示した。
すべてのスタッツでリーグトップクラスの数字を記録したビュフォード【(C)B.LEAGUE】
そんな日本代表組に次いで5位にランクインしたのが、平均22.6得点で得点王に輝いたペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)。得点のみならず、アシスト部門とブロック部門で2位、スティール部門で4位、リバウンド部門で5位と主要5スタッツすべてでトップ5入りを果たすなど、数字でも稀代のオールラウンダーであることを証明。また、今シーズンは9度のトリプルダブルを達成し、ジュリアン・マブンガ氏が持っていたB1通算トリプルダブル達成数「17」回という記録を「24回」と大幅に更新した。
6位に入ったのは今シーズンのリバウンド王に輝いたジョン・ムーニー(千葉J)。平均得点でも17.9得点で全体7位、平均貢献度は27.3とビュフォードに次いで全体2位の記録を残した。献身的なディフェンスでの貢献も光り、序盤戦で負傷者が続出した千葉Jを大黒柱として支えた姿が、多くのファン・ブースターからの支持を集めたようだ。
7位には比江島とともに宇都宮をけん引したD.J・ニュービルがランクイン。移籍初年度ながら瞬く間にチームにフィットし、全60試合に出場しつつ、平均得点とアシストでチームトップを記録した。特にシーズン中盤以降の活躍は目覚ましく、2月と3月には「B.LEAGUE MONTHLY MVP BY 日本郵便(月間MVP)」に2カ月連続で選ばれる快挙を果たした。
新天地・仙台で輝いた阿部諒は今シーズン大きく飛躍した選手の一人【(C)B.LEAGUE】
8位から10位には、ニュービルと同じく新天地に活躍の場を移した選手たちが名を連ねた。熊谷航(秋田ノーザンハピネッツ)、ジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)、阿部諒(仙台89ERS)。なかでも、阿部は今シーズン飛躍した選手の代表例だろう。5シーズン在籍した島根では控えに回るシーズンが多かったが、仙台では60試合すべてに先発出場。これまではシーズン平均5.6得点がキャリアハイだったが、今シーズンはそれを大きく上回る14.6得点を記録し、2月には日本代表候補合宿に初招集された。
来シーズンは果たしてどんな選手が活躍するのか。今回のランキングでは、ワールドカップで輝いた日本代表や新天地で飛躍した選手たちが多く名を連ねているだけに、すでに動き始めている移籍市場や今夏のパリオリンピックからも目が離せない。
(構成=バスケットボールキング編集部)