魔裟斗vs.DREAM川尻が正式決定=7.13K-1 MAX

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7.13K−1MAX日本武道館大会、魔裟斗(左)vs.川尻が正式決定 【スポーツナビ】

 引退まで残り2試合となった魔裟斗が挑む引退ロード第2弾・7.13K−1MAX日本武道館大会の対戦相手が10日、東京・赤坂サカスでファン公開のもと発表され、かねてより候補に挙がっていた「DREAM」を主戦場とする総合ファイター・川尻達也に正式決定した。
 魔裟斗、川尻ともに会見に出席。「オレの拳にはMMAファン、そしてDREAMファンの思いがつまっています。その思いをぶつけたい」と宣言した川尻に対し、魔裟斗は「本当に打ち合ってくれるの? オレ、今ムチャクチャ強いよ」といきなり先制パンチ。川尻も「もちろん打ち合いますよ。どっちが勝つにしても3分かからない」とやり返し、両者はあすにでも試合をするような気合乗りで火花を早くも散らせていた。

爆発寸前! 両者ヒートアップ

フォトセッションでは30秒近くにも及ぶ視殺戦! 【スポーツナビ】

 もう止められない。一瞬でも気を緩めば、その場で殴り合いを始めてしまう――そんな緊張感に包まれていた。
 あいさつもそこそこに、まず“先制パンチ”を放ったのは魔裟斗。「本当に足を止めて打ち合ってくれるの?」
 川尻はすかさず「もちろんです」と即答。

 「あ、そう。3分もつの?」(魔裟斗)。「どっちが勝つにしても3分かからない」(川尻)。

 こうして約1200人観衆の前で、両雄は早くもヒートアップ。ファンからも盛んに声が飛び、会見場のボルテージはいきなりMAXにまで達していた。

気合の丸刈り「川尻に負けたら大みそかはない」

「ムカついてる。練習でたまったストレスをぶつけたい」と気合の丸刈りにした魔裟斗 【スポーツナビ】

 K−1のリングで総合ファイターを迎え撃つ形となった魔裟斗。だが、「オレって、けっこう古い考えも持っていて、コレが気合かなって」と、2003年K−1MAX決勝のアルバート・クラウス戦前以来という6年ぶりの丸刈りでヤル気を表現。自分がトップに立つ主戦場だけに上から目線の物言いもあるのだが、心の奥底には「迎え撃つ者」ではなく「挑む者」の覚悟がある。
 「この試合を勝つことで12月31日につながると思っています。オレの性格からして、次の試合を負けて大みそかに行くとは言えない。それくらいの覚悟で行きますよ」
 もちろん、川尻のことはナメていない。仕上がりが早すぎるんじゃないか、と谷川貞治K−1イベントプロデューサーも舌を巻く猛練習を課しており、魔裟斗自身も「今、すごくキツイ練習をしていて、ストレスがすごくたまっています。そのストレスを全部ぶつけたい」とピリピリムード。そして、「今のオレはムチャクチャ強いよ。パワーもすごくついてる」と、5年ぶり2度目の世界王者となった昨年以上のパワーアップに自信たっぷりだ。

 負けたら大みそかはない、と明言したように楽な引退ロードを歩くつもりは毛頭ない。山本“KID”徳郁、J.Z.カルバンら総合戦士と戦ってきたときには常に「ケンカのつもりでやってきた」と魔裟斗。もちろん最後の総合ファイターとの戦いも、これはK−1MAX、いや立ち技すべての誇りをかけた“ケンカ”だ。最後の最後で、その威信を“クラッシュ”されて終わるわけにはいかない。
 「向こうも打ち合うと言っているし、オレもバリバリに打ち合いたいし。ファンもそっちの方が喜んでくれると思う。今回もケンカ腰で行きますよ」
 対MMAファイター全勝の魔裟斗が今回も“立ち技の怖さ”を刻み付け、“頂点の高さ”を思い知らせるのか。獲物が川尻に決まった引退カウントダウン第2章、今、盛大に幕を開けた。

一歩も引かず、魔裟斗粉砕で「得られるモノは全部いただく」

川尻(右)の“カウンター口撃”に思わず魔裟斗も苦笑い? 【スポーツナビ】

 昨年大みそかに日本人K−1トップファイターの武田幸三を1ラウンドで葬り、“クラッシャー”の名を全国区に広めた川尻。その後、魔裟斗戦の候補に急浮上し、5月26日「DREAM.9」でHERO’S2年連続王者の強豪J.Z.カルバンに完封勝利。リング上でマイクを取り、「魔裟斗選手、ちょっと2人で格闘技界を盛り上げませんか?」とかつてKIDが行ったマイクアピールを思わせる内容で直接対決をアピールしていた。

 この日の会見でも川尻はリング上と同じく、真っ向勝負の“クラッシャー”ぶりを発揮。上から目線の強気コメントで押してくる魔裟斗に対し、「何をそんなにエラそうにしているんだろう? 強いのもエラいのもK−1でのことだから」と余裕しゃくしゃく。魔裟斗の「ケンカ」発言にも「僕の知る限りでは魔裟斗選手の試合は“ケンカ”の割には判定が多いので、勝っても負けてもKOで終わらせたい」と、舌戦ではむしろ上を行く口達者な一面を見せ、総合ファンの喝采を浴びていた。
 当然、1カ月後のリング上ではリアルに粉砕するのみ。魔裟斗より上回る部分を「タックルと寝技かな」とおどけてみせたものの、すぐさま「パンチの強さでは負けていない」とキッパリ。さらに「山田(武士)トレーナーがついてくれているので、情報も僕の方が持っている。それを生かして戦いたい」と情報戦をも制する構えだ。

 そして、この試合で“得るモノ”に大きなモチベーションを燃やしている。
 「この対戦の実現は、時代がそうさせたんだと思います。うまくK−1MAXを利用できればいいかな。魔裟斗選手は知名度も実力もナンバーワン。得られるモノは全部いただきたい」
 総合格闘技の熱を再び呼び起こし、主戦場の「DREAM」、そして川尻達也の名を真の意味で全国区にするためには願ってもない“オイシイ”一戦だ。武田に続き、K−1MAXの象徴である魔裟斗を自慢の拳で叩き潰してみせる。
■「K−1 WORLD MAX 2009 World Championship Tournament FINAL8
7月13日(月)東京・日本武道館 開場17:00 開始18:00

【決定対戦カード】

<スーパーファイト K−1ルール 3分3R・延長1R>
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)
川尻達也(日本/T−BLOOD)

【既報対戦カード】

<FINAL8(1) K−1ルール 3分3R・延長1R>
ドラゴ(アルメニア/チームSHOW TIME)
山本優弥(日本/青春塾)

<FINAL8(2) K−1ルール 3分3R・延長1R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス)
アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)

<FINAL8(3) K−1ルール 3分3R・延長1R>
アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ)
アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン オデッサ)

<FINAL8(4) K−1ルール 3分3R・延長1R>
ニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケン(オランダ/ゴールデングローリージム)
ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム)
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