20歳藤岡康&ジョーカプチーノ金星V! ダービーも視野に=NHKマイルC
またまた大波乱! 10番人気ジョーカプチーノがレコードV 【スポーツナビ】
一方、2馬身差の2着には横山典弘騎乗の5番人気レッドスパーダ(牡3=藤沢和厩舎)、さらに2馬身差の3着は内田博幸騎乗の13番人気グランプリエンゼル(牝3=矢作厩舎)が入り、3連単は、238万1660円の大波乱。
なお、人気を集めたGIII共同通信杯の勝ち馬で武豊騎乗の1番人気ブレイクランアウト(牡3=戸田厩舎)は末脚不発で9着、GIII毎日杯の勝ち馬で小牧太騎乗の2番人気アイアンルック(牡3=橋口厩舎)は4コーナーでの不利が響き8着と、それぞれ敗れた。
ハタチの若武者が殊勲の騎乗「冷静に競馬ができた」
GI初制覇を達成した20歳の藤岡康が笑顔のウイニングラン 【スポーツナビ】
だが、“信じられない……”といった競馬場の雰囲気をよそに、殊勲の手綱を握った20歳の藤岡康は相棒の馬上でニッコリのウイニングラン。淡々とレースを振り返ったコメントと同様、落ち着いた騎乗が光った一戦だった。
「前の晩は緊張していたんですけど、GIに乗るのが2回目だったので思ったよりも冷静に競馬ができましたね。先生(中竹調教師)からも折り合い重視で、と言われていましたし、ゲートを出てそのまま2番手に行きました。これ以上抑えても、と思ったので」
レコード走破、2馬身差完勝――強さホンモノだ
展開利だけじゃない、強さはホンモノだ! 【スポーツナビ】
「抜け出してからは『後ろから来ないでくれ』って。それで、後ろからは脚音が聞こえてこなかったんですけど、それでも必死で追いましたね(笑)」
今までの苦労も感じないくらいすごくうれしいです、と藤岡康。同じ騎手である2歳上の兄・佑介の先を越すGI初勝利に、大きな笑顔を浮かべた。
まさしく人気馬を“KO”してビッグタイトルをつかんだジョーカプチーノ。追い込み各馬が不発に終わり、先行勢がなだれ込んだレースだっただけに展開利も確かにあっただろう。だが、それでも2番手から押し切ってのレースレコード走破、2着馬に2馬身差をつける完勝だった内容を考えれば、単なる“恵まれ勝利”とは済まされない。ジョーカプチーノが強かった、まずはそのひと言に尽きる。
デビュー以来一番の落ち着き、「これはいいな」と手応え
(左から)中竹調教師、オーナーの上田さん、藤岡康 【スポーツナビ】
ジョッキーと同じくこれがGI初勝利となった中竹調教師。GIだけでなく、初めての重賞タイトルもジョーカプチーノがもたらしてくれた今年3月のGIIIファルコンS。この時はまだ一介のスプリンターとしてしか見られていなかった馬が、今や3歳マイル王の座にまで上り詰めた。
「厩舎スタッフが普段から落ち着いて走れるようにと、よくやってくれたと思います。今日も折り合いがついて、すごくリラックスして走ってくれた。これなら距離を伸ばしていくのも一つの選択肢ですね」
千二〜マイル路線にこだわらず、距離延長も示唆したトレーナー。と言うことは、当然、3歳の頂点を決める競馬の祭典・GI日本ダービー(5月31日、東京競馬場2400メートル)も視野に入ってくる。
ダービーも選択肢、快速先行で波乱を起こすか
ダービーも視野に、次走には注目だ 【スポーツナビ】
父は天皇賞・春、菊花賞と2つの長距離GIを制したマンハッタンカフェ。母の父は1996年の日本ダービー馬フサイチコンコルド。血統面からは距離に不安はない。
「千六でも折り合いはついていましたし、今日の競馬も強かったですからね。距離が延びても大丈夫だと思います」
この距離延長プランに藤岡康も太鼓判だ。
「たまたま空いていた」(中竹調教師)ことから、2月小倉でコンビを結成した藤岡康&ジョーカプチーノ。あれよあれよと言う間に人馬ともに初の重賞勝利、そしてGI初勝利まで一気に駆け上がった。この勢い、そして、この快速は舞台が府中2400メートルに替わっても無視できない。勇躍、3週後のダービーにも殴りこみをかけるか。