瀧本、新境地ウェルター級に手応え「逆にいいかも」=5.2戦極

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ウェルター級での初戦を迎える瀧本、新境地へ手応え十分だ 【スポーツナビ】

 5月2日に開催される「戦極〜第八陣〜」(東京・代々木競技場第二体育館)で心機一転、1階級落としてウェルター級での再出発を目指す瀧本誠が24日、東京・J−ROCKワークアウトスタジオで公開練習を行った。公開された練習は軽めのミット打ちにとどまったが、「体重も落ちていますし、順調に来ています」と初挑戦の76キロ級に手応え十分。戦極参戦後は2戦2敗といまだ勝ち星がないが、ゴールデンウィークに新生・瀧本をアピールする。

 昨年8月のフランク・トリッグ戦で敗戦後、一時は引退を口にし、ミドル級(83キロ級)からの階級変更もかたくなに拒否。そこまで己を貫き通した男が、一転、ウェルター級で“最後の勝負”をかける。戦極を主催するワールドヴィクトリーロードの國保尊弘取締役が「ああいう性格ですから、多くは口にしませんし、表情に出すわけでもないですけど、今回にかける気持ちの強さが伝わってきます。もし、ウェルター級でも何もできずに終わるとなると、また『限界』という言葉が本人から出てくると思います」と代弁。瀧本本人も、この試合にかける覚悟を“ラストチャンス”という言葉で表現した。
 「もうそんなにチャンスは残っていない。ひとつ、ここでいい結果が出ればと思いますし、気持ちの上ではラストチャンスと思っています」

「自分のベストファイトと言える試合を」

「動けているし、逆にいいかも」と減量の影響がないことをアピール 【スポーツナビ】

 2000年シドニー五輪柔道81キロ級金メダルを獲得した当時も、「減量は2、3キロだった」。その柔道全盛時代でも経験したことのない76キロ級へと、初めて足を踏み入れる瀧本。だが、「まずお酒を飲むのを止めたら、すぐに2、3キロ落ちましたし、言うほどの減量はしていない。特にいつもの生活と変わったところはないですね」と、すでにリミットまで1キロと迫った77キロの体をキープ。「パワーもスタミナも落ちていないですし、体も動いていますね。逆にいいかもしれないです」と、むしろ十分な手応えを感じている。再生、そして新生へ、まさしく新境地をつかみかけているようだ。
 「KOか一本が一番いいんですが、試合時間は15分あるので、その15分すべてを有効に使いたいですね。勝っても負けても、自分のベストファイトと言える試合をしたい」」

 また、新境地といえば、2009年5月21日から始まる裁判員制度のPRとして日本弁護士連合会が制作したドラマ「裁判員になりました〜ニュースの向こう側〜」に、瀧本は冤罪の被告役として俳優デビューを果たした。
 「格闘技に反映できることは特にないですけど(笑)」と語ったが、「1つの作品を作り上げていく楽しさとか、すごく満足しましたね。また機会があればぜひ」と意欲。“俳優・瀧本誠”としての活動を広げるためにも、まずは5月2日、本職のリングで戦極初勝利を挙げたい。

ニューイヤーイベントで新たに3階級の王座を

今後の展望について語った國保取締役 【スポーツナビ】

 また、國保取締役が今後の展望について語った。

 まず、「戦極〜第八陣〜」のカード順でフェザー級GPをメーン、セミファイナルに配したことに関し、「前回3月大会の流れから、フェザー級GPを軸にしてやっていきたい」と説明。また、その中でも日沖発の試合をメーンに持ってきたことについて「1回戦での日沖選手の勝ち方がすばらしく、今度はどのような試合を見せてくれるのか、我々とファンの期待度を含めてメーンにしました」と、フェザー級エース候補への大きな期待を明かした。
 また、第7試合で行われるライト級ワンマッチ、横田一則vs.レオ・サントスはライト級王者・北岡悟への挑戦者決定戦という意味合いも含まれている。この試合以外にも、5月10日に東京・JCBホールで開催される修斗20周年記念大会の廣田瑞人vs.石田光洋も“査定試合”として見ており、「廣田選手、横田選手、サントス選手が挑戦者候補です。より内容のある勝ち方をした選手、より期待を持たせる選手に8月大会でのタイトル戦をオファーしたい」と明言した。

 一方、それ以外の階級に関して、瀧本の参戦も決まったウェルター級はトーナメントを行わず、今後有力選手のワンマッチを組んでいき、その結果を受けて来年早々のニューイヤーイベントでタイトル戦を行いたいと國保取締役。その年明けイベントで、すでにあるライト級、ミドル級に加えて、ライトヘビー級、ウェルター級、フェザー級の3階級での王座を誕生させたい意向を語った。
 また、ジョルジ・サンチアゴが保持するミドル級王座戦に関しては、「8月に挑戦者決定戦をやって、10月にタイトルマッチを組みたいですね」とコメント。挑戦者として王座決定戦で敗れた三崎和雄、GPシリーズ決勝戦で敗退した中村和裕、古豪フランク・トリッグの名前を挙げた。

戦極〜第八陣〜

5月2日(土) 東京・国立代々木競技場第二体育館 開場14:00 開始16:00

<第9試合 フェザー級グランプリ2回戦 5分3R>
日沖 発(ALIVE)
ロニー・牛若(チーム・トロージャン)

<第8試合 フェザー級グランプリ2回戦 5分3R>
小見川道大(吉田道場)
ナム・ファン(Ma Du アカデミー)

<第7試合 ライト級ワンマッチ 5分3R>
横田一則(GRABAKA)
レオ・サントス(ノヴァ・ウニオン)

<第6試合 ライトヘビー級ワンマッチ 5分3R>
シャンジ・ヒベイロ(ユニバーシティ・オブ・ジュウジュツ)
KEI山宮(GRABAKA)

<第5試合 フェザー級グランプリ2回戦 5分3R>
金原正徳(パラエストラ八王子/チームZST)
ジョン・チャンソン(CMAコリア/KTT)

<第4試合 フェザー級グランプリ2回戦 5分3R>
マルロン・サンドロ(ノヴァ・ウニオン)
ニック・デニス(Ronin MMA)

<第3試合 ウェルター級ワンマッチ 5分3R>
瀧本 誠(吉田道場)
マイケル・コスタ(シュート・ボクセ・アカデミー)

<第2試合 ライトヘビー級ワンマッチ 5分3R>
トラビス・ビュー(エリート・パフォーマンス)
スタニスラブ・ネドコフ(ブルガリアン・ブシドー・フェデレーション)

<第1試合 戦極ライト級ワンマッチ 5分3R>
真騎士(戦極育成選手)
毛利昭彦(毛利道場)

<オープニングファイト第2試合 フェザー級 5分2R>
大澤茂樹(吉田道場/戦極育成選手)
石橋幸太(横須賀総合格闘技道場DOBUITA)

<オープニングファイト第1試合 フェザー級>
斉藤裕俊(和術慧舟會GODS)
阿部剛卓(パラエストラ松戸/チームZST)
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