オリックスの“大挑戦”が始まった!=大石バファローズが悲願の優勝へ

急成長の若手投手陣を重量打線が援護

急成長の若手投手陣を重量打線が援護するオリックス。就任2年目となる大石さい配にも注目 【写真は共同】

 ワールドベースボールクラシック(WBC)日本代表、“侍ジャパン”の活躍で、野球熱がさらに高まり、2009年のペナントレースは開幕した。WBCで一段とクローズアップされたのは、ダルビッシュ有や岩隈久志らパ・リーグの選手たちだった。パ・リーグの野球にこれまでより多くのファンやマスコミの目が向けられることは間違いない。

 ことしはそんなパ・リーグのペナントレースが面白い。各球団の力が拮抗(きっこう)していて、「混戦必至」と見る評論家諸氏も多い。その中で、注目を集めるのが、就任2年目の大石大二郎監督がタクトを振るうオリックスだ。急成長を遂げる若手投手陣を、重量打線が援護するというスタイルで悲願の優勝を目指す。シーズン前の順位予想でも、オリックスの評判はいつになく上々だ。

 投手陣では小松聖(15勝)、山本省吾(10勝)、金子千尋(10勝)、近藤一樹(10勝)の“2ケタ勝利カルテット”がことしも健在な上に、昨年は故障で十分な活躍ができなかった岸田護、平野佳寿が戻ってきた。
 大石監督も「基本はこの6人でローテを回していこうと考えています」とキャンプ前から公言しており、“2ケタ勝利6人衆”の誕生も夢ではない。抑えには加藤大輔(33セーブ)が控え、勝利のパターンも確立されている。宮古島キャンプでブルペンをのぞいた岡田彰布氏(前阪神監督)を「これだけいれば(ベンチは)楽やな」とうならせた投手陣はまだ若く、その潜在能力には大いなる魅力が詰まっている。

 そして何よりも、ことしのオリックスの目玉はさらにバージョンアップしたその打線だ。東北楽天で4番を張ったフェルナンデス、福岡ソフトバンクのリードオフマン・大村直之の加入が打線にもたらすプラス要素は計り知れない。ローズ、カブレラ、ラロッカ、フェルナンデスが並ぶ打線は相手投手を震え上がらせるだろうし、そんな破壊力に加え、大石監督が理想とする機動力が絡められれば、得点力はリーグでトップクラスになるだろう。

ホーム開幕戦でオリジナルユニホームをプレゼント

 アウェーで開幕戦を迎えたオリックスが本拠地に戻ってくるのは4月10日。“戻り開幕”ではあるものの、地元ファンの前で戦うシーズン最初の試合は、特別な意味を持つ。 それまでのアウェーでの結果を一旦リセットして臨む“わが家”での最初の試合を、球団サイドもファンサービスという形で盛り上げる。先着2万5千人のファンにオリックスのオリジナルユニホームをプレゼントして、京セラドーム大阪をバファローズ色に染めようというのだ。優勝候補にも挙げられるほどになったオリックスを、地元ファンの“声援”という後押しでさらに加速させてほしいところ。地元開幕の相手は、千葉ロッテ。熱心なマリサポ(マリーンズ応援団)との熱い応援合戦も、オリックスの“戻り開幕”に彩りを添えることになりそうだ。

 大石監督が掲げることしのスローガンは“大挑戦”。「とにかく挑戦するしかありません」。指揮官の口から繰り返し発せられるこの言葉の先にあるものは……。クライマックスシリーズ敗退で見えたチームの課題を克服するために、さらなる高みを目指すために、“大挑戦”が始まった。大石監督が理想とする野球を選手が実践したとき、オリックスがパ・リーグを席巻するはずだ。

<text by 大前一樹>

<了>
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