北岡悟が1.4五味戦へ吼える=「ゴング格闘技」発

ゴング格闘技

1.4五味隆典戦に向け、確かな自信と五味への辛辣な評価を語った北岡悟 【(C)秋谷弘太郎/ゴング格闘技】

 戦極ライト級GP優勝により、実力を満天下に証明した北岡悟。入場時の尋常じゃない気合いの入った表情や、当意即妙に切り返すマイクの才能も含めて、その独創的なキャラも大きな認知度を得た。ノリにノる北岡から、1.4「戦極の乱」で対戦する五味隆典について、歯に衣を着せぬストレートな発言が飛び出した!

目を合わせてしゃべったことも握手すら無い

──1.4「戦極の乱」の大一番まで残り約3週間という段階で、改めて五味隆典戦前の心境など伺っていきます。もともと北岡選手はパンクラスに入る前、パレストラ(現パラエストラ)時代はプロ修斗の手伝いもやっていましたが、当時は五味選手とは接点がありましたか?

 会話したことはまったく無いんですけど、98年11月に五味選手はデビューしていて、そのときからバックステージの様子を見掛けたりはしてました。

──もしかしたら裏でグローブの受け渡しもした?

 多分したと思います。ちらっとそんな記憶もあります。なんとなく立ち振る舞いは覚えてますよ。なんだかいつも早くに会場入りしてたんですよね。五味選手のことは、もう僕がパレストラに入ったときから噂は聞いてたんです。「K‘z FACTORYに五味っていうものすごい狂った奴がいて、そいつならヒクソンとやってももしかしたら勝つんじゃないか」って。まだ五味選手はアマシューターの頃ですよ、どんな人だと思って。

──K‘z FACTORYの黄金期は錚々たるメンツがいましたね。五味隆典、佐藤ルミナ、植松直哉、竹内出、和田拓也、秋本じん、勝村周一郎、勝田哲夫、巽宇宙、大石真丈……。

 K‘z FACTORYって、すごい場所だというイメージがあったんですよね。自分とかがパレストラ(現パラエストラ)でやっていることと全然レベルが違うという話を聞いてたんです。当時は植松(直哉)さんがよくパレストラに来てて、めちゃくちゃ強くて、でもその植松さんが「俺でもK‘zではやられることがあるよ」みたいな感じで言うから、すごい幻想があったんですよね。五味選手はその猛者中の猛者みたいに聞いていたんです。

 その人がデビューして、最初から鶴屋(浩)さんに勝った。あの時点の鶴屋さんって、もう超強豪なわけじゃないですか。アマ修斗で桜井(速人)さんに負けただけのような感じでしたから。それで五味選手は次の試合でKO勝ちして、たった2戦でクラスAになった。3戦目で桑原(卓也)さんに勝って……。もう最初から、デビューした時点で実力ナンバーワンみたいな人だったんですよね。

──その後、北岡選手がパンクラスに入ってからは、何か接点がありましたか。

 コンテンダーズで五味選手が宇野さんとやったときに、僕は前座でORGという道衣の総合の試合をやって(01年10月8日)、そのときにすごく印象に残っているのが、たまたま会場の廊下ですれ違ったときに、会釈みたいのをされたんですよ。僕にしているとは思わなくて、「えっ?」と思ってたらやっぱり僕にしていたらしくて、なんかムッとして怒ってたんですよね。「会釈したのによお」みたいな感じで(苦笑)。「あ、悪いことしちゃった」というのはかなりありました。向こうは絶対覚えていないでしょうけどね。
 それで申し訳ないと思って、それ以来、戦極とかで接したときは「お疲れ様です」とちゃんと頭を下げるように心がけているんですよ。そしたら向こうは気まずそうにして「あ、ああ……」みたいな目線を合わさない感じなんですけど。僕、五味選手と目を合わせて喋ったことが無いですからね。握手すらしたことがないですし。だからすごく不思議な距離感なんですよね。

──そうやって挨拶するのも、11.1までですか。

 そうですね。11.1も試合前のアップのとき、リングで頭を下げて、その後はもう自分の試合後のリング上ですから。次の記者会見のときも、目も合わせなかったですね。

「その挑戦、受けて立ちます!」発言の真相とは

──リング上で五味選手の「かかって来い!」に対して「その挑戦、受けて立ちます!」で返したやりとりのときは、どんな感情だったのか覚えていますか。

 僕、あれ言ったときの気持ちを覚えてなくて、ビデオで何回も見て、「このとき何を思ったんだろう」と確認したんですよね。「かかって来い!」って言われたあと、ちょっと呆然とした顔をしているんですよ。

──自分は負けたくせに、という気持ち?

 何だろう……重くやりたくないのが伝わってきたんですね。「こうしたほうがいいだろう」という空気に一応合わせて、“真”がないというか。もう、そういうのはやりたくないんでしょうね。今回ベスト4に日本人4人が残ったときに、五味選手は廣田選手とやりたいと言ったんですよ。「後輩だから」って言ってて。だから「もう面倒くさいのは嫌なんだろうな」とは感じました。

──五味選手は感情の入り混じったやりとりをしたくないと?

 そうです。面倒くさいやりとりを、やりたくないんだろうと思いましたね。今までPRIDEでさんざんやって来たわけじゃないですか。修斗のときも、最後三島(☆ド根性ノ介)さんともやってたし。

──確かに、あの「かかって来い!」という言葉にはあまり気持ちが入っていないというか、感情が伝わらなかったですね。

 そうですね。それは分かってますよ。五味隆典を演じているんです。僕と対する五味選手がどういう五味選手か分からないですけど、少なくとも戦極という舞台に出るようになってからの五味選手は、五味隆典という仕事をやっているように思えます。

──自分は北岡悟という仕事をやっているのではない?

 超えている部分はありますよね。それが勢いの差なんじゃないかと思います。……でも、分からないです。僕もそうなっていくのかもしれないですね。そうなっていきかけているような気もしなくもないですし。

(聞き手/藁谷浩一 撮影/秋谷弘太郎)

※いよいよ実現する五味vs北岡! 「PRIDEで連勝していた頃の五味隆典でも、僕の相手にはならない」と言い切る北岡の格闘技に賭ける想いとは? 続きは『ゴング格闘技』2月号をチェック!

「ゴング格闘技」2月号

表紙は、UFC挑戦を表明した石井慧! 【ゴング格闘技】

12月22日・月曜日発売! 200号(通巻550号)記念・永久保存版

■200号記念特集
僕たちの好きな格闘技
200th Anniversary SPECIAL

FUTURE OF KAKUTOGI
[格闘技の未来]

☆独占インタビュー
北京五輪柔道金メダリスト、金網挑戦を語る!
石井 慧
「僕がUFCを目指す理由」

☆独占インタビュー
“亀田家一の本格派”17歳で国内プロKOデビュー!
亀田和毅
「ボクシング以外にやりたいことは、ない」

HISTORY OF KAKUTOGI
[プロ格闘技を創った男]

・独占インタビュー
☆石井和義元館長、沈黙を破る──
「過去よりも未来。
“空白の5年”を取り戻す」

☆UFCを創り、MMAの道を開き、柔術を世界に広める
ホリオン・グレイシー
「今、UFCで戦っているファイターは
“アルティメット・ファイター”じゃない。
ジョークだ」

[ライバル誌から見た“ゴン格”]

☆“名物編集長”対談
第2代『格闘技通信』編集長
谷川貞治
×
第3代『ゴング格闘技』編集長
熊久保英幸

☆初代『紙のプロレス』編集長
山口日昇
「もうゴン格も格通もKamiproも、
業界自体を変えてやろうという
躍動感がないんじゃないかな」

■特集 ライト級に光を!
年末年始は“新・神の階級”に注目
Dynamite!!&SENGOKU&UFC“SHINE A LIGHT”

☆独占インタビュー
宇野薫の選択――
無責任でない我まま。
「UFCで戦いたい」

[1.4 戦極の乱 2009]
☆北岡戦1カ月前のガチスパー!
五味隆典、GRABAKA出稽古 潜入取材
菊田早苗、三崎和雄、横田一則、山崎剛

五味隆典、独白。
「やっと新しい燃えられる
目標が見つかりました」

☆北岡悟
「五味選手がUFCに行きたいと、
もし本気で思ってるなら、
今の格闘技について来てないことを分かっていない」

[12.31 Dynamite!!〜勇気のチカラ2008〜]
☆青木真也
「会場に来てくれるファンに
満足してもらえる試合をする。
それが僕の大晦日」

「青木真也の強さとは?」愉快な仲間たちが証言
今成正和、北岡悟、金原正徳、
塩田“GOZO”歩、戸井田カツヤ、村田卓実

☆エディ・アルバレス 現地独占取材!
「あの夜、アオキと戦えなかったのは、
二人がベストの体調で戦うためだったんだ」

[年末年始MMA観戦ガイド]
08.12.27-08.12.31-09.1.4
Dynamite!!vs戦極vsUFC
☆世界三大イベントの見所はココだ!


[THE SPECIAL MOMENT]
200号・特別コラム「極私的瞬間」。
石塚隆/熊久保英幸/佐々木亜希/茂田浩司/須々あきら
高島学/中村拓己/長谷川亮/藁谷浩一/松山郷

■特集 1.31 UFC94 GSPvsBJ
ついに世紀のメガマッチへ
ウェルター級新黄金時代幕開け

☆世紀の一戦を前にクールに燃える天才、
柔術への信頼と日本への想い──
BJ・ペン
「GSPが何をやりたいか分かっている。
彼も僕が何をやりたいか理解している。
そんな状況で、叩きのめす(笑)」

☆二度の敗北で、強くなったと断言するGSP
三度目があると、──これ以上強くなれるのか
ジョルジュ・サンピエール

☆裏街道世界一、無冠じゃない帝王、ついにUFC戦線へ
ジェイク・シールズ
「UFCに上がる理由?
ベストファイターが集まったからさ」

☆打撃に目覚め、目指すはトータルファイター
ジョン・フィッチ
「GSPに勝ってほしいね。そうしないと
──また挑戦権が回ってこなくなる」

☆1月31日、もう一つの大勝負
郷野聡寛×ジョン・フィッチ
「GSP×BJ、どうでもいいです。
冷たい奴って思われるぐらい、
自分以外のことに興味がない」


[12・6 K-1 WORLD GP FINAL]
☆前代未聞の決勝アクシデント──
レミー・ボンヤスキー
「続けるべきか、止めるべきか
判断は自分で下した」

ほか、永久保存版企画が満載。200号突破記念企画はまだまだ続きます!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント