「TOUITSU」は線になるか!?

松浦俊秀
 10月21日、神戸ポートピアホテル布引の間で、関西発のキックイベント『TOUITSU』の開催発表記者会見が行われた。最初、この会見のリリースを受け取ったときは、正直「???」だった。開催日が12月23日で、会場は軽く収容人数5000人を超える神戸ワールド記念ホール。しかも出場選手は石井宏樹を筆頭に、各団体のトップ選手がズラリ。「何かの間違い?」――。ぶっちゃけ、これがリリースを見たときの筆者の率直な感想だった。

 しかし会見の情報を仕入れた直後くらいから、東京在住の複数のライターから連絡が入り始める。「あっ、本当にやるんだな……」。知り合いのライターからの連絡で確信を得た(失礼!)筆者は、さっそく自宅から30分もかからない会見場へと足を運んでみた。 会見場に着いてまず驚いたのは、トーナメントに出場する8選手が勢ぞろいしていたことだ。会見のためだけに、わざわざ神戸まで選手を呼び寄せるのは、それほど簡単ではないはずだが、この光景を見てあらためて主催者の意気込みを感じたのは言うまでもない。

 大会の概要を説明すると次のようになる。K−1ではまだ地位が確立されていない軽量級のトップ選手を集め、ワンデイトーナメントで王者を決定。今回はマイナス62キロのくくりで、陰の実力者を世に出すことを目的に開催。12月28日深夜には関西ローカルながら、よみうりテレビ85分枠での放映も決定。来年以降も継続的に軽量級に特化した大会を関西で開催していく――といった感じだ。
「なにも、いきなり神戸ワールドで開催しなくても……」という声もあると思うが、これが堅実的な小規模会場であれば、おそらくそれほど話題にも上らなかっただろう。まずは採算度外視で、話題を振りまくことが先決。これが今の主催者の偽らざる心境のはずだ。

 しかし、先行投資とともに重要なのが、いかに大会を開催し続けているかという部分である。旗揚げ戦に全精力を注ぎ込んで後が続かないのでは、それこそ本末転倒と言われても仕方がない。旗揚げ戦はよみうりテレビのバックアップがあるが、それが今後どうなるのか。個人的には、もしものことがあっても、大会自体は継続し続けてほしいと思っているが……。

 恒例だった『Dynamite!!』京セラドーム大阪大会もなくなり、関西のファンはますます格闘技と触れ合う機会が少なくなっている。ビッグマッチに飢えている地方のファンのためにも、『TOUITSU』の成功を願わずにはいられない。
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