格闘技観戦の適正料金って?

松浦俊秀
「えっ? 1500円?」

 先日、珍しくプロ野球を見に行ったのだが、入場料金の額を見て少々、ビックリしてしまった。上記の値段は、広島市民球場では一番安い外野自由席。自分が小学生の頃は確か700〜800円ぐらいだったような気がするので、なんだか妙に高く感じてしまったのである。

 ちなみに内野の一階指定席Aともなると、軽く3000円超え。ちょっと仕事帰りにビールでも飲みながら……なんて気軽に通えるような値段ではない。もちろんこれは、たまにしかプロ野球を観戦しない人間の感覚であり、自分以外の人にとっては安いのかもしれない。なので、あくまでも“にわかファン”のたわ言として読み進めてほしいと思う。

 球場名を見れば分かるように、筆者のごひいき球団は広島カープである。理由は生まれ育った場所が広島だから。そのチームが珍しく3位争いをしているということで、“にわかファン”の血が騒いでいるのだ。久々に球場に足を運ぶと、不思議なものでまた生観戦がしたくなる。が――。しばし筆者の頭を悩ませたのが、前述の内野指定席の高さだった。

料金設定の難しさ

 こう書くと「たかだか3000円ちょっとで高いというなら、また1500円の外野自由席を買えば?」という声も出てくるだろう。しかし、今年は外野が驚くほど混んでいて、早めに球場入りしなければ良い席を確保できない状況なのである(今年いっぱいで広島市民球場が最後ということでチケットがバカ売れ)。結局、確実に席を確保するために3200円の指定席を購入。普段なら3000円くらいの買い物はそれほど気にも留めないのに、過去の外野料金の記憶が残っているので妙に高く感じてしまったのだ。

 そろそろ話を格闘技に移そう。格闘技の場合はたいてい、最低料金が5000円前後に設定されている。マニアならまだしも、たまに格闘技を見るというレベルのファンには、かなりの高額だ。しかし、この料金を下回る設定では興行自体が成り立たない。おそらく主催者も泣く泣く、この料金に設定しているはずである。

 一般ファンも巻き込みたいけど、料金を下げると採算がまったく合わない。それが分かるだけに、格闘技に限らずイベントごとを主催する人たちは本当に大変だと思う。そういえば映画の新作封切り料金(1800円)を世論調査したところ、7割以上の人が高いと回答したのだという。安ければ客が入るというわけではないが、野球観戦を通じて改めて料金設定の難しさを感じてしまった次第である。
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