GP目前、プロから見た優勝予想=DREAM

松浦俊秀
 いよいよ「DREAM」大阪城ホール大会が目前に迫ってきた。ライト級GPの勝敗予想も過熱しており、大会を迎えるにあたってのムードは最高だ。カード発表の遅れなどマイナスイメージもなくはないが、それを補って余りあるほどの熱が筆者の元にも伝わってくる。ちなみに筆者の周りで本命視されているのは青木真也。大方の予想と同じように、決勝戦のカードは青木とエディ・アルバレスを推す声が多い。

 そんななか筆者が注目しているのは、なぜか優勝候補として名前が挙がってこない川尻達也。「PRIDE武士道」参戦直後と比べ評価が下がっている感は否めないが、個人的には現時点でも世界有数の実力者だと思っている。スタンドの打撃に固執せず決勝までスタミナを温存できれば、初代王者の称号を手に入れることも不可能ではないだろう。穴狙いのように見えるかもしれないが、川尻の優勝を推すプロ選手も実際にいる。そこで、ここではその選手の声を少しばかり紹介してみたい。

「川尻選手は『ガンガン打ち合う』とコメントしていましたけど、決勝戦のことを考えると、ただやみくもに打ち合いだけを望むとは考えにくい。となると、その後の展開が重要になるんですが、川尻選手はとにかく腰が重いですよね。ヨアキム・ハンセン戦でアルバレスは何度もテイクダウンを取っていましたけど、ヨアキムは元々、引き込みを多用するタイプ。川尻選手から、そう何度もテイクダウンを奪うことはできないでしょう。よって、1Rでアルバレスが打撃とタックルでスタミナを消耗すれば、2Rに川尻選手がパウンドアウトする可能性は十分あると思います」

プロが予想するGPの展開

 川尻勝利を推す彼の決勝カードの予想は、川尻vs.宇野。大方のファンの予想とは正反対だと思うが、プロの口から出るとなんだか説得力があるような気がしてくるから不思議なものである。

「宇野vs.青木戦は正直、分からないですけど、宇野選手はファンの人が考えている以上に強い選手であることは間違いありません。1Rを凌げば、追い上げ型の宇野選手がペースをつかみ返すと思います。サウスポーの宇野選手がインローで距離を取って、組みにきた青木選手にショートフックを合わせることができればファンがビックリするようなことが起こるかもしれませんね。決勝は過去の試合(修斗)と同じような展開になると思いますけど、今回は川尻選手がパウンドで押し切るような気がします。3試合すべて判定決着だと思いますが、レベルの高い試合になることだけは間違いないでしょう。唯一、心配なのが、青木戦で宇野選手のローがローブローにならないか、ということだけですね(笑)」

 選手の口からも自然に予想が飛び出すほど、多方面から注目されている「DREAM」大阪大会。とりあえず筆者の優勝者予想も川尻ですが――、アナタの本命は誰ですか?
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