７月２１日に大阪城ホールで開催される「ＤＲＥＡＭ．５　ライト級グランプリ２００８　決勝戦」を前にして、筆者の周りで格闘技談義に花を咲かせる人が増えてきた。ＰＲＩＤＥ消滅以降はめっきり格闘技の話題が減っていただけに、この状況の変化はやはり喜ばしい。関西のファンには久々のビッグイベントを、たっぷりと堪能してほしいと思う。

　そんななか、大阪大会を満喫するためのうれしい仕掛けも用意されている。定員４０名と小規模ながら、７月１３日には高阪剛が「ＴＫ式格闘学会」を大阪で初開催（ＧＯＬＤ’Ｓ　ＧＹＭ大阪中之島店）。セミナーには講義だけでなく実技も含まれているため、大会の予習という意味では最適のものになるはずだ。
　もちろん実技と聞くと「怖い」と感じる人も多いと思うが、実際のところ格闘技（の練習）はそれほど怖いものではない。打撃になると少し話は変わってくるが、こと寝技に関しては初心者でも十分に楽しめる。技やポジショニングを体験するだけでも試合を見る楽しみが倍増するだけに、総合好きのファンにはぜひともチャレンジしてもらいたい。

　セミナーに参加できない人は、総合のジムに入会するのも一つの手だ。基本的に初心者のクラスはスパーリング形式ではないので、運動経験ゼロの人でも問題なく参加できる。見よう見まねでスパーリングを体験したい人も、寝技ならケガをする確率もかなり低い。体験すれば「いかに自分が総合を知らないか」ということも分かるだけに、試合を深く楽しみたいという人には、まさにうってつけだ。

　実際、格闘技のうんちくはすごいのに、いざ寝技のスパーリングをやってみると「何をやればいいのか分からない」という人が多いもの（筆者も、そのうちの一人だった）。膠着（こうちゃく）した試合を見て「動け」と思っている人たちが、いざ自分でやってみるとガードを割る方法すら知らないのである。もちろん知らないのが悪いと言っているわけではない。が、せっかくなら「なぜ膠着しているのか」「なぜパスができないのか」が分かった方が面白いはず。大阪大会では宇野薫vs.青木真也を筆頭に豪華カードが並んでいるだけに、自分で体感した上でより深く試合を楽しんでほしいと思う。

　このコラムがアップされてから、大会までの期間は約２週間。技術をすべて理解するのは無理でも、おそらく１５分フルに動き続ける石田光洋や所英男らのすごさだけでも理解できるだろう。夏休みに向け入会金無料キャンペーンを実施するジムもあると思うので、この機会にぜひ格闘技を体験してみてほしい。