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武藤×カブキ親子対談=Gスピリッツ発
“血”よりも濃い“毒霧”の絆
武藤とカブキの親子対談が実現
武藤とカブキの親子対談が実現【(C)原悦生/Gスピリッツ】

 ザ・グレート・カブキとグレート・ムタ。1980〜90年代、全米マットに旋風を巻き起こした伝説の“親子”は、意外にも約1年3カ月ほどアメリカマットで同時期に活動していたが、まったく接点はなかったという。


 新日本プロレスのリングで親子タッグ、親子対決が実現したが、カブキは引退。その後、2人はほとんど会う機会がなかった。日本が世界に誇る2人のレジェンドがいかにしてアメリカンドリームを掴んだのか? 久々に再会したカブキと武藤があの時代を振り返る。

カブキが語るハル園田さんのエピソード

武藤 俺、誰かから聞いたのは、亡くなったハル園田さんが、たまにカブキさんが忙しい時に、代わりに中身になってやってたとか。


カブキ ああ、タイガー・ジェット・シンがそれをやろうとしたことがあって。シンが南アフリカの話を持ってきたの。でも、ギャランティを聞いたら欲しいだけやるって言うから、それはもう眉唾じゃない? それで断ったら、阿修羅・原も石川孝志も断って。それで結局、シンが馬場さんに泣きついて、ハル園田が行くことになったんだよ。


武藤 エーッ、それで(飛行機が)落ちちゃったんですか。


カブキ 今でも忘れもしないよ。姫路の体育館で園田が肩を落として歩いてきてね。聞いたら“カブキさんの格好でやってくれと言われて……”って。“あんなところ行ったら、現地人に食われちゃうぞ”って脅したけどね(笑)。それで毒霧の拭き方とかメイクの仕方を教えて、道具も全部渡したよ。日本を発つ日に電話がかかってきて、“女房も一緒だから気をつけてな”と切ったら、1時間ぐらいして“今日は飛ばないらしい”って電話がきたの。そしたら次の日も飛ばなくて、“バカ野郎、縁起悪いからやめろ! 断れ!”って言ったんだけど……。


武藤 じゃあ一歩間違えたらカブキさんが……という可能性もあったわけですよね。うわー……。俺は最初がフロリダだったんですけど、俺の時とカブキさんの時って時代が違いますよね。


カブキ でも、武藤っていう選手がフロリダにいるっていうのは、誰かからアメリカで聞いてたんだよ。


武藤 あ、ホントですか?


カブキ ロスの家に帰ったら、ウチの子供がみんなブーたれてるんだよ。聞いたら、長女が“パパ、他に息子がいるんでしょ”って。


武藤 (笑)。


カブキ “何をバカなこと言ってんだよ”と怒ったら、TVに出てると。誰だと思って見たら、確かにカブキの息子が出てたよ(笑)。

武藤「いまだに毒霧に勝る武器はない」

【(C)原悦生/Gスピリッツ】

武藤 ペイントレスラーってカブキさんが一番先なんですかね。


カブキ フィリピン人のレスラーが初代カブキをやってたけどね。アメリカはハロウィンの時にみんなでメイクをしたりするし、ペイントにはそんなに違和感はなかったから、何か他にやることはないかなと、ゲーリー・ハートに相談したんだ。火を噴く奴はいるし、ホラ吹く奴もいっぱいいると(笑)。じゃあ、粉でも噴くかって。でも、どうしても湿気が口の中に入っちゃって飛ばないんだよね。で、ラボックで試合があった時、メイクを落としてたら、シャワーの位置が高くて水が口に入るんだよ。ライトがあったんで、そこにフッと水を噴いてみたら、虹がスーッと流れてね。“ああ、これだよ”って。翌日、試合場のライトを全部つけて、いろんな色を作ってみて、全部噴き上げたよ。赤とグリーンが一番キレイにスーッと溶けた。赤は血の色だから最後にしようと。最初にグリーンを手に噴きかけて、指を曲げながらゆっくりと挙げていくと、アメリカのお客は気持ち悪がってウワーッと沸くんだよね。そうやって自分の中でキャラクターを作り上げていったんだよね。


武藤 たまに黒師無双で黒や白の毒霧をやったりしたことあるけど、やっぱり見映え悪かったですよ。いまだに毒霧に勝る武器はないですよね。これだけ近代化しても出てこないんだから。今、インディーの変なのもいっぱい使うし、“こんな時にいらないんじゃないの?”っていうタイミングで出したりもする。なんか、通りすがりのことになっちゃってるつまらなさっていうか。


カブキ 意味なく噴いてる感じがあるね。でも、同じペイントのレスラーだけど、武藤さんは武藤さんのキャラクターを持ってやってるから、全然違うよ。ホント巧いからね。試合した時も最高だったなあ。武藤さんは先々が読めるんだよ。どうしよう、こうしようっていうのがね、パッパパッパと出てくるから。


武藤 いやあ、お父さんにそうやって言われると光栄ですわ。俺ね、向こうでも多くのアメリカにやってくる日本人レスラーっていうのを見てたけど、みんな日本に帰ってからどうしようとか、どうやってイメチェン狙おうとか、日本に帰ることを前提にアメリカに来てるっていうか(笑)。俺はどうやってアメリカでトップ取ってやろうかなとしか考えなかったですから。帰りたくなかったですもん。


カブキ 俺も向こうで暮らそうと思ってたから。


武藤 俺もそうですよ。ただ、俺はカブキさんと違ってグリーンカード取れないからさ、偽装でもいいから結婚しちゃおうかなとか(笑)。


※この文章は『Gスピリッツvol.7』(6月18日発売)に掲載されている対談の一部を再編集したものです。本誌ではこの対談の全文を含め、独自の視点でプロレスラーの海外遠征を改めて検証しています。

プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.7

『Gスピリッツ』vol.7表紙
『Gスピリッツ』vol.7表紙【(C)Gスピリッツ】

6月18日発売 定価1300円(税込)/発行・辰巳出版


◆総力特集

本当に知りたい話は地球の裏側にあった


【アメリカ】

武藤敬司×ザ・グレート・カブキ『毒霧の秘密――スペシャル親子対談』


ジャイアント馬場『”東洋の巨人”は本当に強かったのか?』


天龍源一郎『幻のWWF&WCW世界チャンプ構想』


【ドイツ】

アントニオ猪木『徹底検証〜シュツットガルトの惨劇』

※証言 藤原喜明、新間寿


【メキシコ】

木村健悟『元祖・天下を獲り損ねた男の狂った季節』


三沢光晴&越中詩郎『今から24年前、目撃者が語る訣別の瞬間』


前田日明『新日本が企てた”島流し計画”の全貌』


【オランダ】

船木誠勝&鈴木みのる『“秒殺のプロレス団体”誕生の青写真』


◆クローズアップ

KENTA『四天王プロレス≒UWF』

ヒロ斉藤『セオリー、ときどきシュート』

ディック東郷『そのスキルの秘密を探る』

スチュ・ハート『スタンピード・レスリングの隆盛と滅亡』


◆特別企画

レイ・ミステリオ秘蔵マスク大研究(後編)

考察――リアル・グラウンドコブラ

プロレス法話・新崎人生と真言密教


◆DVD『レイ・ミステリオ特集』(115分収録)

【収録試合】

▼WWA世界ウェルター級選手権試合

レイ・ミステリオJr.vsフベントゥ・ゲレーラ

▼マスク剥ぎマッチ

レイ・ミステリオJr.vsミステリオッソ

▼4WAYタッグ・イリミネーション

レイ・ミステリオJr.、ペロ・アグアヨ

vs

ウルティモ・ドラゴン、ラ・パルカ

vs

シベルネティコ、ピエロー

vs

ヘビー・メタル、シコシス

他、全6試合を収録

【映像特典】

初公開!ミステリオのマスク製作工程

Gスピリッツ

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