桜庭和志「これからのDREAMを引っ張るのは……」=ゴング格闘技
『DREAM.2』のメインイベントをキッチリと締め、関係者を唸らせるプロの仕事をやってのけた桜庭。久しぶりに桜庭節全開のインタビュー! 【ゴング格闘技】
桜庭はタックルから片足を持ち上げるもナカハラの粘りでテイクダウンは奪えず 【t.SAKUMA】
凄くバランスのいい選手だなっていうのを感じました。タックル入ってあれだけ片足を持ち上げたのに倒れなかったですからね。ロープに押し込んだ時もちゃんと双差しにしてきたし、あの人、本当はレスリングとか柔道をちゃんとやってたんじゃないですか? 普通の打撃だけの選手だったら、あそこまで差しとか上手くないですよ。ブラジリアンハイキックは完全に見えたんですが、ローキックが痛かったです。5〜6発受けた内の2〜3発は芯の方に入りました。まだ25歳くらいですよね。あれだけのバランスを持っていれば、もう5年くらいやったら凄くいい選手になると思います。
──まるで桜庭選手が相手のいい部分を引き出しているようにも見えました。猪木さん風に言えば『相手の力を9引き出して10の力で勝つ』というような。
風車の理論ですか(笑)。ぼくにそんな余裕ありませんよ。最初にタックル入った時、バランスが良かったのでどうやって崩そうかなって考えながらやっていました。向こうもそんなにバチバチ来る戦い方ではなかったじゃないですか。あの距離だとどうしても打撃になってしまうので、そういうのが“受けの美学”に見えたのかも。
テイクダウンに成功した桜庭は、フェイスロック気味に入った後、最後はチョークで仕留めた。 【t.SAKUMA】
そうです。あれは首ですね。一発目はワザと鼻の下辺りを絞めたんですよ。グッと絞めて、痛がってるなと思ったらちょっとずらして今度はフェイスロック気味にグーッと絞めて。彼は体が柔らかい感じで首がけっこう横に行ったので、わざわざ力を使って絞める必要はないなと全力で絞めてから一瞬力を緩めたんです。そうしたらスコンッと頚動脈に入りました。
──あれはいわゆるキャッチレスリング的な技なんですかね。
分かりません。あれは誰かに教わったとかじゃなく、自分でやりながら発見しました。あっ、アゴを絞めるのはエンセン井上さんから教わりましたね。スリーパーに行ってアゴを引かれても、アゴを強く絞めちゃえば痛いからって。そうなんだって思っていろいろスパーリングでやっていたら、ここもかかるじゃんって発見したんです。あの技はけっこう使いますよ。ぼくの得意技です。初めから首を狙ってもなかなか入らないので、だったら初めから鼻の下を狙っちゃおうと思って。まずはそれで嫌がらせをして、フェイスロックで極まったら極まったでいいですしね。
──バックを取ったら絶対に極められるくらいの自信がありますか?
絶対とは言いませんが、8割くらいはいけるかなっていうのはあります。ぼくの取り方があるので。ぼくの取り方は相手をちょっと動かせて取るんですよ。
──両足は絡めないですよね?
やらないです。両足は柔術だから絡めるんじゃないですか。ぼくは裸でしかやってないから、両足を絡めると逆に取れない。首も取りにくくなります。十字くらいしかいけないですよ。だからぼくは片足しか絡めません。それはレスリングの流れで、股裂きってあるでしょう? あの流れがあるのでぼくは片足でロックする方がやりやすいですね。
──他のミドル級GPは見てましたか?
ちょっとだけ見てました。金さんは上手いなぁ、と思いましたね。
田村vs船木のU系対決に桜庭は「船木さんが凄くよかった」 【t.SAKUMA】
船木さんが凄くよかったと思います。たまたま一発もらっちゃっただけじゃないですか。7年ぶりにぼくと試合をして、今回が2戦目でしょう。正直、ここ(胸を指差す=ハート)の小さい人はビビりながら前には出てこないわけじゃないですか。でも、船木さんは前へ出たでしょう。気持ちで勝っていたと思います。しかし、それにしても、ミドル級GPで残っている日本人はジジイばかりですね。
──ジジイって!
だって外国人選手はみんな若いじゃないですか。20代ばっかりで。これじゃあ“おやじ狩り”ですよ。
──でも、ある外国人選手は『日本人の選手はレジェンド揃いでいいと思う』と言ってましたよ。
それは自分がおいしいと思ったからでしょう(笑)。名前のある人を一人二人ポンポンと倒してしまえば、自分の名前が上がりますからね。アルバレスだってジダとハンセンに勝って一気にドッカーンじゃないですか。まあ、ぼくも昔、それでおいしい思いをしましたけれど(笑)。歴史は繰り返すんですねぇ。
──このおやじは狩られないぞって自信はあるでしょう?
熊久保英幸(GBR)=文/有高唯之=写真/取材協力=Laughter7
(続きは発売中の『ゴング格闘技』7月号に掲載。桜庭が語るミドル級GP、グレイシーとの対戦の可能性とは……)
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